荒野が呼んでいる
ヤマハから700ccクラスの新型アドベンチャー「テネレ700」が登場。今や定番の可変デバイスを用いず、エンジンとシャシーをひとつの方向性で煮詰めたビッグオフローダーは、高い悪路走破性能を誇るだけでなく、バイクを操るよろこびに満ちたマシンとなっていた。
“流行りのマシン”とは一味違う
世の中はアドベンチャーバイクが流行(はや)り。先日、ヤマハから登場したテネレ700を見て「ヤマハからもこのカテゴリーのバイクが1台増えたのか」なんて思う人もいるかもしれないが、このマシンは他のアドベンチャーツアラーとは方向性がずいぶん異なるマシンだった。
実車を前にしてみれば、ラリーマシンのテイストがプンプン漂ってくるデザイン。サスペンションのストロークが長いためにシートも高い(試乗したのはスタンダードモデルだが、シートが38mm低い「テネレ700 Low」もある) 。メーターもラリーマシンをイメージさせる縦長のデジタル。ハードなオフロードライディングを想定しているから、シートのスポンジがずいぶん硬めだ。
ハンドルスイッチに目をやれば、最近は当たり前のように装備されているパワーモードセレクターが見当たらない。「最高の走りに必要なパワーモードはひとつだ」ということだろう。オフロードではスロットル操作と荷重移動でマシンを操作しなければならない。スロットルの特性を体に覚え込ませるためにも、この選択はよかったのではないかと思う。トラクションコントロールがないのも、オフの走りをメインに考えているからだろう。...