スリーホイールのファン・トゥ・ライド
カナダのレクリエーショナルビークルメーカー、BRPが手がける三輪クルーザーが「カンナム・スパイダー」だ。四輪とも二輪とも違うこのモデルには、どのような“走る楽しさ”が宿っているのか? フルモデルチェンジを受けた最新の「スパイダーRT」で確かめた。
フロント2輪・リア1輪のアドバンテージ
カンナム・スパイダーはカナダのBRPが開発した“リバーストライク”(フロント2輪・リア1輪の三輪モデル)だ。BRPという名前は聞き慣れないかもしれないが、元は航空機製造で知られるボンバルディアの子会社。1970年代にはオフロードマシンを製造してモトクロスでも活躍していた。その後、ボンバルディア・レクリエーショナルプロダクツとして独立し、水上バイク、ATV、スノーモービルなどを開発・生産。ATVとトライクにカンナムのブランド名が与えられている。
トライクは以前から北米などで人気が高かったが、その多くはモーターサイクルをベースにリアを2輪にしたスタイルだった。リアまわりだけを交換すればいいから、比較的容易につくることができたのだ。それに対して、リバーストライクは車体から専用に設計しなければならない。手間もコストもかかる。
しかしその代わり、リバーストライクには通常のトライクにはないメリットがある。そのひとつが減速時の安定性だ。速度が出ている状態で減速しながらハンドルを切ると、通常のトライクはイン側のリアタイヤがリフトしやすい。リバーストライクではこの現象が発生しないために減速時、コーナリング時の走行安定性が高く、スポーティーな走りを楽しむこともできる。また減速時はフロントの2輪で荷重を受け止めるため、制動性能も高い。
もうひとつは乗り心地。モーターサイクルをベースにトライクにした場合、アクスルを左右に延長するような形にするため、必然的にリアはリジッドアクスルになってしまう。しかも四輪のように車体とアクスルが分離していないため、片方の車輪だけがギャップに乗り上げても車両全体が傾いてしまう。カンナム・スパイダーのようにフロントが左右独立懸架になっているマシンは、乗り心地も良好なのである。...