路上のエンターテイナー
2018年に創業50周年を迎えた光岡自動車が、台数限定200台で発売した記念モデル「ロックスター」に試乗。ベースとなった「マツダ・ロードスター」譲りの走りと、2代目「シボレー・コルベット」を思わせるスタイリングの仕上がりを確かめた。
元ネタはコルベット
ちょっと前に、デビューしたばかりだという若手ミュージシャンのインタビュー記事を読んでびっくり。10代後半の彼は「CDプレーヤーは持っていない」と発言して、「実家にはあったかも」と続けたのだった。もしかするとこの世代にとっては常識かもしれないけれど、オジサンとしてはミュージシャンがCDを聴かないことにかなりの衝撃を受けたのだ。
音楽を聴くのはインターネット経由がすべてで、すると何が起こるかというと、1960年代のザ・ビートルズも、2020年のグラミー賞で主要4部門を独占したビリー・アイリッシュも、音源を入手する方法は同じになる。クリックするだけだ。もはや、古いレコードやCDを苦労して探す必要はないのだ。
だから、音楽の世界では古いとか新しいとか、国境とか音楽ジャンルとかが意味を持たなくなりつつある。実際、海外では竹内まりやや杏里など、1970年代、80年代の日本のシティーポップが人気だという。冒頭の若手ミュージシャンも、60年代のジャズでも70年代のパンクでも、「いい曲だったらなんでも聴く」とのことだった。
光岡自動車創業50周年を記念して開発されたミツオカ・ロックスターを前にしてこのエピソードを思い出したのは、もしかするとクルマのデザインも古いとか新しいとかが関係なくなるんじゃないかと考えたからだ。
このクルマのデザインは、ご覧になればわかるように1963年にデビューした2代目シボレー・コルベット(C2)が元ネタになっている。エイをデザインモチーフにしたC2から、コルベットには「スティングレイ」のサブネームが与えられるようになった、という史実を思い出す。
乗り込むと、目の前には見慣れた光景が広がる。ご存じの方も多いように、このクルマはマツダ・ロードスター(ND)がベースで、基本的なインテリアの意匠は変わらない。...