雪の上でも“人馬一体”
マツダの現行ラインナップに北海道・剣淵のテストコースで試乗。彼らが独自のシャシー制御技術とマン・マシン・インターフェイスに対する“こだわり”によって追及しているものとは何か? 雪上でのドライビングを通して確かめた。
微細なエンジン制御で走行安定性を高める
北海道にあるマツダのテストコース「剣淵試験場」では、新型「CX-5」の試乗と同時に、マツダの走行安定性に対する3つの取り組みを体感する機会に恵まれた。CX-5の試乗による「i-ACTIV AWD」の体感については既にリポートしているので、今回紹介するのは残りの2項目。ひとつはコーナリング制御技術「G-ベクタリングコントロール」(GVC)の検証で、もうひとつはドライビングポジションの有効性についてである。
GVCはその名の通り、「G(車両の加速度)を方向付ける制御」だ。……といきなり言われても、読者のみなさんもチンプンカンプンだと思う。 筆者にしても、どうにも端的にこれを表現できない。それでも回りくどく言ってみれば、「カーブでは曲がりやすく、レーンチェンジではクルマがピタッと収まり、雪や砂利などの低μ路ではクルマが真っすぐ走ってくれる制御」である。あぁ、歯切れが悪い。
例えばアナタがカーブに差し掛かる。アクセルを緩めたり、ブレーキを踏んだりするほどきつくないカーブに。そのときGVCは、アナタが切り始めたハンドルに対して、電動パワーステアリング(EPS)のモーターから検出される操舵速度を微分して演算し、ちょっとだけエンジンのトルクを緩めてくれる。もちろんそのとき、アクセルは踏んだままだ。 するとどうなるか。荷重がわずかにフロントタイヤへ移動して、ハンドルの応答性が上がる。だからクルマは狙った通りに、ターンインでスーッと曲がってくれるというわけである。そして“ターンミドル”から“ターンアウト”にかけては、戻したハンドル舵角とともに、もとのトルクへと復帰していく。...