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流行りモノ調査隊 流行りモノ調査隊
#041 今週の急上昇キーワード(更新日:2008/05/07)
愛を叫ぶ男たち
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急上昇の理由
 中高年の熟年離婚が増える中、妻に日頃の感謝の気持ちを伝えよう、時には公然と愛の言葉を叫ぼうといった動きが、海外で話題になっている。「NO」が言えない、働き詰めで家庭を顧みない――そんなイメージの「日本にも妻を大切にする男がいた」と、海外メディアがこぞって伝えているのだ。
愛を叫ぶ男って、一体・・・。
今回の調査内容
海外メディアが伝える日本の『愛を叫ぶ男たち』
愛を叫ぶ男〜日本愛妻家協会事務局長〜を直撃
フレンドシッププロジェクトで「愛を叫ぶ」
映画館で「愛を叫ぶ」
渋谷のスクランブル交差点で「愛を叫ぶ」
「愛を叫んでみたい」男は何%?アンケート調査
海外メディアが伝える日本の『愛を叫ぶ男たち』
全米ネットワークテレビ局のCBSでも、夫婦関係を見直す日本の中高年を特集
全米ネットワークテレビ局のCBSでも、夫婦関係を見直す日本の中高年を特集
「ミリメシ」はいまや陸自駐屯地見学のお土産人気ナンバー1
今年2月13日付けのクリスチャン・サイエンス・モニター(CSM)紙では、キャベツ畑の中心で愛を叫ぶ男たちが一面を飾った
陸上自衛隊の駐屯地や演習で支給される「戦闘糧食II型仕様」。リアル「ミリメシ」。もちろん、非売品。このパッケージのまま、ボイルすることができる(撮影協力:武蔵富装)
BBCブラジルでも紹介された
今年1月31日、東京都千代田区の日比谷公園で、夫が妻に向けた愛の言葉を叫ぶイベント「日比谷公園の中心で愛を叫ぶ 男の帰宅花大作戦(略してヒビチュー)」が開かれた。サラリーマンらが「愛しているよ〜」と大声で叫んでいる姿がよほど奇異に映ったのか、海外メディアがこぞって報道し、反響が広がっている。

 同イベントは、「妻というもっとも身近な赤の他人を大切にする人が増えると、世界はもう少し豊かで平和になるかもしれない」という趣意で活動している「日本愛妻家協会」(本部・群馬県嬬恋村)と生花販売大手、日比谷花壇(本社・東京都港区)のコラボ企画。日比谷公園の特設ステージで妻の名前や感謝の気持ちなど“愛”を叫んだ参加者には、チューリップの花束と「愛妻家宣言証」が贈られた。ちなみに、チューリップの花言葉は「永遠の愛」。

 英語のI(アイ)と31(サイ)に引っ掛けて、1月31日を「愛妻の日」と、同協会が2006年に提唱。「一年に一度、花を持って夜8時には帰り、妻にありがとうと言ってみよう」と呼びかけている。「ヒビチュー」は、夏に嬬恋村でやっている「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ(略してキャベチュー、詳細下段)」のウインターバージョンだったとか。

 いずれにしても、妻への愛を叫ぶ日本人夫の姿は、メディアを通じて世界中を駆け巡った。全米ネットワークのCBSがバレンタインデー直前の2月13日にニュース番組内で特集したほか、BBCブラジルやクリスチャンサイエンスモニター紙にも取り上げられた。

 残業を重ねる働きバチで、家庭を顧みないという日本のサラリーマンのイメージを前提に、「日本にも奥さんを大切にする男たちがいた」と、熟年離婚や年金分割などの話題を引き寄せながら、「いよいよ日本の男たちも大変なことになってきた」と、大まじめに伝えているのがユニークだ。

 世界中が関心を寄せる「ヒビチュー」に「キャべチュー」。なぜ、今、日本の夫たちは妻に愛を叫ぶのか?
愛を叫ぶ男〜日本愛妻家協会事務局長〜を直撃
日本愛妻家協会事務局長の山名清隆さん。「面白いことをやって、幸せになれたら最高でしょ」。愛妻家的ライフスタイルの普及活動を自ら楽しんでいる
日本愛妻家協会事務局長の山名清隆さん。「面白いことをやって、幸せになれたら最高でしょ」。愛妻家的ライフスタイルの普及活動を自ら楽しんでいる
「日本独自の愛妻家という文化が今、失われつつある」と、警鐘(?)を鳴らすのは前出の日本愛妻家協会の山名清隆事務局長だ。「妻の尻に敷かれている夫」というネガティブなイメージとやっかみ混じりで語られた日本の愛妻家は、21世紀の現在、生態調査と保護育成が必要な<絶滅危惧種>なのだとか。

 そもそも愛妻家とは何か、どんな人種なのか――。

 その謎に挑んでいるのが、山名さんだ。自身が仕事に没頭して家庭を顧みず、離婚を経験した。その後、再婚し、「今度は愛妻家になる」と誓った。早く帰って一緒に夕飯を食べるように努め、週末農業を楽しむようになった。

 週末農業で通っていたのが、高原キャベツで有名な群馬県嬬恋村。日本武尊(やまとたけるのみこと)が亡き妻をしのんで嘆いたという愛妻伝説が残る地だ。
 
 2004年冬に、「地球の温暖化問題も大事だけど、家庭環境の寒冷化現象も気になって・・・」、週末農業を楽しむ仲間とともに世界と家庭の平和を目指して、日本愛妻家協会を設立し、インターネットで活動を開始した。

  愛妻家になるための5ヶ条を唱えたり、見えと照れが先立って、妻に言葉をかけることができない男性に勇気と機会を与えようと、『セカチュー(世界の中心で愛をさけぶ)』ならぬ、「キャベツ畑の中心で愛を叫ぶ」イベントを敢行したり。

 そんな同協会の活動は、国内外のメディアが注目。英BBCや米CNNもニュースで報じた。ちなみに、CNNでは「愛妻家協会」を英語で「Devoted Husbands Club」と訳していた。

■愛妻家になるための5ヶ条 (愛妻家テミル原則)
1. やってみる 妻が喜ぶ家事ひとつ
2. 出してみる 気づいた時の感謝の言葉
3. 聞いてみる 世間ばなしと今日の出来事
4. 捨ててみる ミエ、テレ、タテマエ、セケンテー
5. なってみる 恋した頃の触れ合う気持ち

2006年9月、群馬県嬬恋村のキャベツ畑で愛を叫ぶ男たち。全員で叫んだ言葉は「愛しているよ〜」
2006年9月、群馬県嬬恋村のキャベツ畑で愛を叫ぶ男たち。全員で叫んだ言葉は「愛しているよ〜」

 山名さんは「愛妻家になろうと呼びかける活動もいいですが、男のワークライフバランス(仕事の時間、家族の時間、自分の時間のマネジメント)を変えるような活動にしていきたい。愛情表現力、対話力を高め、夫婦時間を楽しみ、幸福を主体的にプロデュースできる男になる。愛妻家的ライフスタイルをカルチャーとして育んでいきたい」と話している。

  一方、同協会の本部がある嬬恋村を「愛妻家の聖地」としてブランド化していくことにも意欲を燃やす。

  2006年9月に行われた「キャベチュー」の後、ある新聞が「男たちから<愛>の言葉を叫ばれたキャベツは甘くなるのでは?」と書いたのを受けて、イベントに使用した畑で収穫したキャベツを「さけばれキャベツ」として販売も始めた。

  「有機栽培ではなく、男たちの勇気が育てたキャベツです」と遊び心も忘れない。「年に一度だけでなく、いつでも妻に叫びたい、叫ばれたいと願う人たちの寄付で、キャベツ畑の真ん中に、常設のお叫び台を作りたい。そういう村おこしがあってもいいのでは?」と山名さん。「妻を大切にする」ということが、村おこしにもつながるとは。愛妻家の夢は膨らむ。

  メールに電話、コミュニケーションツールが発展し、それに頼りっきりになる一方の現代生活で、<以心伝心>の能力は後退しているのかもしれない。妻への愛も、感謝の気持ちも、言わなければ伝わらない。だから、伝える。だから、叫んでみる。

  「<愛している>と普通に言うよりも、叫んだほうがより相手の心に届くような気がします。叫ぶ時は<愛しているよ〜>と<よ>を付けるのがコツ。叫びやすいし、いっそう感情的な色合いがつきます。これは発見でした(笑)」(山名さん)

  今年も「キャベチュー」は嬬恋村で9月21日に開催予定だ。

男たちから愛の言葉を叫ばれたキャベツは甘くなる?男の勇気が育てた『叫ばれキャベツ』(1個500円)を限定販売。先行予約受付中。問い合わせは日本愛妻家協会嬬恋総本部:0279-96-1257
男たちから愛の言葉を叫ばれたキャベツは甘くなる?男の勇気が育てた『叫ばれキャベツ』(1個500円)を限定販売。先行予約受付中。
問い合わせは日本愛妻家協会嬬恋総本部:0279-96-1257
<関連リンク>
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