1992年4月からNHKの教育テレビ(現・Eテレ)で放送がはじまり、30年以上愛されるキャラクター「ニャンちゅう」の声を30年以上演じた、声優・津久井教生の書籍『ALSと笑顔で生きる。〜声を失った声優の工夫ファクトリー〜』が、4月27日に発売されることが決定した。津久井はALSの進行により体が動かなくなっているが、視線入力で原稿を書き、今回の書籍を制作した。 津久井は2019年10月に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)であることを発表。ALSとは、意識はあるのに体が動かなくなる病気で、難病に指定されており、進行を遅らせる治療法はあっても、原因や治療法はまだわからない難病。しかし公表した後、徐々に体が動かなくなっても、奇跡的に声が出て、告知後も2022年3月放送分まで3年間ニャンちゅうを演じ続けた。現在は羽多野渉が引き継いでいる。 今回の書籍は、ALSと診断されるまでの経緯、声優になったきっかけや実際の現場の様子、発症から現在まで何を思い、どのように過ごしているのか、日々どのように工夫を凝らしているのかなどを細かく記した一冊となっている。そこに常にあるのは「笑い」。現実と向き合い、できなくなったら工夫してまるで「工夫の工場」のような生活をつづっている。津久井が全力で残す、これまでの笑いと涙と工夫の記録で「介護をされる人」や「胃ろうや呼吸器をつけた人」からの貴重な体験談をまとめた一冊になった。 罹患した2019年は歩きにくいという状況だったが、2020年には手が上がらなくなり、2026年2月現在、津久井はALSの進行により体が動かなくなっている。それでも視線入力で原稿を書き、書籍を制作した。今回の情報解禁にあわせて公開された動画では、自身の言葉で発売の告知している。 なお、連載を進めるごとに指が動かなくなり、タイプは口にくわえた割り箸で一文字ずつうちこむ「秘儀・割り箸入力」に変更、さらに首も動かなくなったら視線入力し、「できなくなったら工夫会議」で挑戦し続ける明るさの源は、「夫婦漫才」の相方・妻の雅子さんの存在だった。告知されたときには「あなたって、こういう節目節目で派手なことやるよね」、呼吸困難で意識不明になり、気管切開するかいなかのときも「生きればいいじゃん」と声をかけたことが明かされている。288ページのボリュームで定価は1870円。
2026/02/27