(更新:)
オリコンニュース
【カイロ最前線】“二季化”が浮き彫りにした新たなニーズとは? 女性特有の悩み、冷え対策を解決する最新技術も
![]()
命の母カイロ(画像提供:小林製薬)
“二季化”の影響で店頭展開は11月に、一方で冷えに悩む女性からは「年間を通して手放せない」の声も
命の母カイロ(画像提供:小林製薬)
「それ以前までドラッグストアなどの量販店では、お盆明け頃に春夏商品から秋冬商品に入れ替わるのが通例でした。使い捨てカイロもその頃から売り場に並び始めていたのですが、夏が長期化する近年はそれがどんどん後ろ倒しに。10月に入っても真夏日が続いた今年は、11月になってようやく使い捨てカイロを扱うお店もあったほどです」(斉藤さん/以下同)
かつては半年間、店頭展開された使い捨てカイロも近年は4ヵ月程度へと大幅に短縮されている。もともと気温に影響を受けやすい商材ながら、「数十億円の売上減の年もあります」と二季化が市場にもたらした打撃は大きい。
「使い捨てカイロの購入目的の8割は防寒対策ですので、温暖化が続く今後はますます売上も厳しくなるかもしれません。一方で昨今、伸びているのがヘルスケア商品としての使い捨てカイロです。特に女性特有の冷えに悩む方からは『年間を通して手放せない』『夏に売ってないから冬に買いだめしている』という声を多くいただくようになっています」
女性の冷えは“通年疾患”…「カイロ=温度が高い」発想を変えた“ヘルスケアカイロ”
-
桐灰カイロ はる(画像提供:小林製薬)
-
桐灰カイロ 貼らないタイプ(画像提供:小林製薬)
「そのため弊社では価格ではなく、付加価値で勝負できる商品開発に努めてきました。中でも転機となったのが、マグマという名の通り、“めっちゃ熱い”貼らないタイプの『桐灰カイロ マグマ』をはじめとする 、自社カイロより高温または発熱量が多いカイロです」
桐灰カイロ マグマ 貼らないタイプ(画像提供:小林製薬)
「使い捨てカイロの使用シーンの調査をしたところ、防寒目的ではなく、生理時 や冷え対策に『おなかに貼っている』という声が少なからずありました。しかし一般的な使い捨てカイロは室内で使用すると温度が上がりすぎ、低温やけどを起こすリスクもあります。高い温度ができるのならば、低い温度コントロールは可能ということで、温度はやや低めながら、じんわり温かさが続く『肌表面温度40℃』を設定しました」
しかし、カイロ=温度が高いものというイメージが強いため、従来のブランドイメージでは、低温カイロは売れなかったという。そこで誕生したのが、女性特有の不調に寄り添うヘルスケア発想の使い捨てカイロ『命の母カイロ』シリーズだ。
販売名:女性保健薬 命の母A 【第2類医薬品】 更年期障害、血の道症
「中には初潮を迎えた頃から冷えを自覚する方もいますが、多くは20〜30代頃から体の変化と共に冷えを実感し始めるようです。ちょうど社会に出て働き盛りになる世代でもあり、職場の冷房が効きすぎて辛い、腰の痛みや生理がひどくなったという声も多く聞かれます。そんな時には温めてほっこりしたいと、体を温めるケアをする方も増えています」
さらに40〜50代にかけては更年期に伴うこれまでとは違う不調が現れ始める。
「ホットフラッシュで肌は暑いのに体の芯は冷たかったり、上半身は火照っているのに下半身は冷えている"冷えのぼせ"といった症状もよく聞きます。女性の冷えは厄介な一生モノで、しかも季節に関係なく付き合っていかなければいけない"通年疾患"なんです」
なぜ真夏にカイロ? 男性には理解されづらい課題も…「市場は小さくても現代のお困りごとに応える商品を届けていきたい」
命の母カイロ じんわり温かいおなか用カイロ(画像提供:小林製薬)
「夏にも必要とする方がいる商品ですので、年間を通して扱ってもらえるよう、弊社の営業部隊も頑張っています。ただ、夏でも体を温めたい方は女性に多いこともあり 、男性には理解されづらく、実店舗に並びにくいという課題もあります。春夏にECモールでの売上がグンと伸びるのも『命の母カイロ』シリーズの特徴となっています」
命の母ホワイトカイロ(画像提供:小林製薬)
「防寒グッズとは異なる"ヘルスケアカイロ"は市場も小さいですし、他社ではほとんど扱っていません。しかし弊社のスローガンは『あったらいいなをカタチにする』。どんなにニッチでも、そこにお困りごとがあれば商品開発に取り組む企業文化を大切にしています。こういった現代ならではのお悩みにも寄り添えるヘルスケアカイロの可能性はまだまだあるはず」と斉藤さん。
日本の二季化は定番の防寒グッズである使い捨てカイロの価値や概念を、次なるステージに進ませるきっかけになるかもしれない。
(取材・文/児玉澄子)