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「市販の風邪薬で風邪は治らない」は本当? 風邪の正体と市販薬の役割とは【医師解説】
Q.「市販の風邪薬で風邪は治らない」のでしょうか?
鼻やのどの調子が悪ければ全部「風邪」ということになります。もっと大雑把に言えば、「お腹の風邪」という言い回しなどがあるように、なんでも体調が悪いと「風邪」という表現になります。つまり、風邪は原因がわかってない=原因不明の病なのです。
病院では風邪の患者さんをどのように診察するのでしょう。まずは、問診と視診より炎症が起こっている部位や程度により原因を追究するかしないかを判断します。次に、原因を調べる必要がありそうであれば検査を行います。検査を行わなければ、視診で明らかに診断がつく場合以外は「すべて風邪」ということです。
風邪の原因と言われるたくさんのウイルスや細菌に効く可能性が高いのは、自分の免疫であり、どの薬よりも効果的です。風邪薬は風邪を治すものではなく、自分の免疫で自分を治療している間に症状の緩和を目的に服用します。
Q.市販の風邪薬を選ぶ際には、どのようなことに気を付ければよいでしょうか?
総合感冒薬と言われるものには咳が出ていないのに咳止めの成分が入っていたり、鼻水はないのに鼻水を抑える成分が入っていたりします。薬は常に副作用を気にしながら飲むものですから、必要のない成分ができるだけ入っていないことが望ましいです。
Q.市販の風邪薬を服用する際の注意点は?
風邪薬のみを内服する場合は、あくまでも常用薬を休薬しても良いかの確認を主治医の先生にしてからになります。風邪をひくと、ついつい風邪薬を飲みたくなってしまいますが、症状緩和が目的であることを忘れないようにしてください。
また、もう一つの注意点は「風邪は診断がついていない」ということであるので、経過が悪かったり、長かったりする場合やよく繰り返す場合は、市販の風邪薬だけではなく、病院を受診することをお勧めします。
Q.風邪を早く治すには、どのようなことが大切ですか?

監修者 鷲尾有司(わしお・ゆうし)院長
わしお耳鼻咽喉科 院長。大学病院勤務後、市立貝塚病院(医長)を経て2011年に「わしお耳鼻咽喉科」を開院。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医。