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ドムが『水星の魔女』に異世界転生? チュチュ搭乗機大胆カスタムにSNS驚愕

 黒×赤×紫の特徴的なカラーリングとギョロりと光るひとつ目(モノアイ)。モデラーのソラリスさん(@kakaritho_dairi)の近作は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するジオン軍のモビルスーツ、ドム・トローペンかと思いきや、実は別のモビルスーツ(MS)を“ドム化”したもの。その正体は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の人気キャラクター・チュチュ搭乗機のデミバーディングだった。あまりの“ドム”っぷりに、SNSでも「ドムの異世界転生」と賞賛された本作。なぜデミバーディングを“ドム”にしたのか? 制作の背景を聞いた。

『水星の魔女』直後にドム・トローペンを見て制作を決意「同じ色にしたらそっくりになるのでは?」

――本作のお話を伺う前に、先日まで放送されていた『水星の魔女』はどのような印象でしたか?
ソラリス自分自身ではなく、他の誰かのために頑張ろうとする“優しい人”が多い作品だと感じました。なかでも、アーシアンが虐げられている姿を見て、自分にできることを模索しようとするグエルや、家族を殺した人たちへの復讐ではなく娘のエリクトの幸せのためにクワイエットゼロを起動したプロスぺラは、特に印象的でした。

――確かに。ガンダムというと、モビルスーツの戦いのイメージが強いですが、戦闘に関してはいかがですか?
ソラリス戦闘シーンは他のガンダムシリーズに比べると控えめな印象でした。一方で、従来のガンダムの戦いのほとんどが「生死をかけた殺し合い」に徹底されているのに対し、『水星の魔女』は“決闘”というルールもあってか「互いの意思のぶつかりあい」が強調されているように感じました。

――すばらしい考察ですね。登場機は続々とガンプラとして発売され、多くのモデラーがSNSでそれぞれの作品を発表されていますが、ご覧になっていますか?
ソラリスはい。私ではまず思いつかないようないろいろアイデアがたくさんあり、とても参考にさせていただいています。

――その中でも、ソラリスさんの『デミバーディング(ドム・トローペンカラー)』は、多くの人の目を引く、抜群のアイデアの作品です。なぜ、デミバーディングを“ドム化”しようと思ったのですか?
ソラリスありがとうございます。『水星の魔女』本編にデミバーディングが初登場した後に、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』を視聴していました。そこに登場したドム・トローペンがサーベルを構える姿と、デミバーディングがライフルを両手で振り回す姿が似ていると感じ、「それならいっそデミバーディングをドムと同じ色にしたらそっくりになるのでは?」と思ったのがキッカケです。

今回の評価はアイデアだけ「次は『ソラリスにしか作れない』作品で高い評価を」

――まさに、アイデアの勝利ですね。そもそもデミバーディングやドムに何か特別な思い入れがあったのですか?
ソラリスデミバーディングについては、パイロットのチュチュが作中で一番好きなキャラだったので、そのまま作るのではなく何か変わった作り方をしようと思っていました。
 ドムに関してはそこまで思い入れはなく、むしろずんぐりむっくりした姿で少し「ダサいのでは?」という認識でした。しかし、先程のドム・トローペンの劇中での軽やかな動きと敵をサーベルで一刀両断するシーンを見て「こいつ実はとんでもなくカッコいいのでは?」と思い直しました。

――「似ている」という印象から、実際に“ドム化”していく制作工程は大変だったのではないかと思います。
ソラリスそれが、苦労したところはありません。デミバーディングと30MMのレヴェルノヴァのキットを使用したのですが、非常に組みやすく、塗装の手間もあまりかからなかったので、完成までサクサクと進めることができました。

―そうだったんですね。では本作制作時にこだわったところはどんなところですか?
ソラリス頭部のモノアイ部分です。最初は蛍光塗料を丸く塗って作ろうとしましたが上手くいきませんでした。しかし、30MMのカスタマイズマテリアル(3Dメタリックシール)がモノアイにちょうど良い色とサイズであることに気付き、これのおかげで理想的なドムらしい頭部になりました。

――確かにドムにしか見えません(笑)。SNSでは、「ドムの異世界転生」「機動性の高いドム」「ドムより良い」と賞賛されました。
ソラリスたくさんの反響はもちろんうれしかったのですが、正直戸惑いの気持ちの方が大きいです。改造らしい改造はほぼなく、ただ単にドムらしい色で塗装しただけなので、「こんなに評価をもらえる程の作品なのかな?」と今でも思っています。今回のデミバーディングは、モデラーとしての技術ではなく、単なる「ドム化する」というアイデアだけで評価されたものだと思っています。

――いえいえ、アイデアも含めて、評価されるべき作品だからこそ、SNSでこれだけの反応があったのだと思います。一方で、「リックディアスにも見える」「ドライセン風にしたら面白そう」「カラーリング次第で化けそう」など、キットの汎用性の高さに言及する声もあがりました。実際に制作してみていかがでしたか?
ソラリスデミトレーナー系列の首が無くて丸っこい頭部は、主にジオン系の流れを汲むMSに近い印象を受けました。上手く改造すれば、ザクやゲルググなどに近い作品も作れるかもしれませんね。

――本作も含め、ご自身がガンプラを制作するうえで常に心掛けていること、ご自身の信条をお教えください。
ソラリス一度作り始めたら、途中で他のことは考えず集中して一気に作り上げることです。

――“一機集中”の精神ですね。それでは最後にソラリスさんにとって「ガンプラ」とは?
ソラリス自分の頭の中にある「カッコいい」や「面白い」を形にできるツールです。次回は「こんな作品ソラリスにしか作れない!」と言われるようなプラモデルで、今回より多くの評価を勝ち取りたいです。

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