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『暗号資産』における“健全な運用”とは？誕生から10余年…今一度、“向き合い方”をGMOコイン代表に聞く
金融リテラシーの向上が重要。まずは少額投資からスタートして自身の投資スタイルを磨く
【石村富隆】罠や落とし穴、リスクは常に潜んでいます。日本でも「暗号資産」にまつわる多くの事件があり、その都度、金融庁からの規制が強化されました。結果、金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者は一定の安全性を確保したサービスを提供しているので、少しずつよくなっているのが現状です。ただ、プラットフォームとしては改善していますが、“人”による詐欺のツールとなる可能性があるので安全と言い切るのは難しいところです。
そのため、投資をはじめる際には、お金を出す前に“検索”することが大切です。大概の詐欺案件については関係者の名前や手口、取引所の名前などで検索すると詐欺案件であればそのような事例がたくさん出てきます。郵便局のレターパックの封の部分に『「レターパックで現金送れ」は全て詐欺です』と記載があるのですが、『「暗号資産をここに送れ」は全て詐欺』と思っておいた方がいいと思います。
――他者からの情報を全て鵜呑みにするのではなく、まずは自分でやれる限りの下調べを行い、投資先に見合うか否かを思案する。
【石村富隆】安全と言い切れないし、リスクがあることも確かなので、しっかりと下調べをすること、自分の意思で決めることが重要です。暗号資産がハイリスク・ハイリターンの金融商品であることは間違いありません。だからこそ、「なくなってもかまわない」といったレジャー感覚で運用しつつ、自身で暗号資産とは何か、どの程度のリスクがあるのかを体感し、そもそも自身の投資スタイルに合うのかどうかを判断しながらやめるならやめる、増やすなら増やす、というのがお勧めです。
――リスクをコントロールしつつ、知識を身に着けていくことが重要なんですね。
【石村富隆】どんな金融商品であれ、投資をはじめるのであれば、しっかり金融リテラシーを上げていく必要があります。人は痛い目にあって学んでいくものですが、耐えられないほどの痛い目にあってしまっては取り返しがつきません。ご自身に合った商品を自己責任で選び、「人生をかける」といった熱を帯びないよう、多少余裕があって遊びたければやってみる…それぐらいの感覚でいることが健全だと思います。
（取材・文／衣輪晋一）