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鬼才ジョン・ウーが再び描く三国志「赤壁の戦い」 「『レッドクリフ』を撮り直したいとずっと思っていた」

『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

 全世界で8000万ダウンロード突破の人気シミュレーションゲーム『三國志 真戦』。このリリース2周年を記念して、名誉アドバイザーを務めるジョン・ウー氏が総監督の映画『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』(以下『赤壁炎上』)が5月19日、Web公開された。三国志ブームの火付け役となった映画『レッドクリフ』以来、久しぶりに同氏が「赤壁」を描くわけだが、その主役は、諸葛亮や周瑜といった有名武将ではなく、一兵卒のいわゆる「モブ」キャラ。「『レッドクリフ』を撮り直したいとずっと思っていた」と話す同氏が、なぜ「モブ」を主役に「赤壁」に再び挑んだのか? アジアを代表する名匠の三国志「赤壁の戦い」への思いに迫った。

「モブ」が主役? 諸葛亮も周瑜もいない「三国志」はなぜ生まれたのか?

  • 総監督を務めたジョン・ウー

    総監督を務めたジョン・ウー

  • 「モブ」でありながら本作の主役となった曹操の水軍の一兵卒である江川(こうせん)

    「モブ」でありながら本作の主役となった曹操の水軍の一兵卒である江川(こうせん)

  • 江川の弟・江流(こうりゅう)

    江川の弟・江流(こうりゅう)

 中国の歴史の中でも、最も有名といっても過言ではない「赤壁の戦い」をモチーフにした映画『レッドクリフ』を世に送り出し、日本で100億円突破という大ヒットを記録してから10年余り。ジョン・ウー総監督が描いた『赤壁炎上』は、曹操の水軍の一兵卒である江川・江流という兄弟が主人公。『三国志』に引用されている「江表伝」の記述から着想を得ていて、この名も知られていない兄弟にスポットを当て、その行動を通して、「赤壁の戦い」での大火災に隠された、曹操敗北の知られざる物語を明かしていく。

「私自身は『レッドクリフ』を撮り直したいとずっと思っていました。今の若者たちに必要なのは心の糧、あるいは心の拠り所だと思います。そのためには、本物を見極める力や、人は何をもってして偉大になれるのか。そして生きていくための勇気をくれる文化が必要です。本作は『レッドクリフ』のような商業化されたものではなく、もっと芸術的で、人間性や未来への希望、生きるための勇気を含むとともに、大義のために犠牲を惜しまない脇役を主役にすえることで、『三国(志)』の本質に最も近い、『小をもって大を制す』という東洋の真髄を表現した作品になっています」(ジョン・ウー総監督※『赤壁炎上』制作裏話より)

『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

  • 『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

    『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

  • 『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

    『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

  • 『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

    『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』より

 その思いは戦闘シーンにも表れている。

「今の技術を使えば、戦闘シーンのような大場面はいくらでもゴージャスに作れますし、千軍万馬を空に飛ばすことすらできます。ですが、そういうシーンはとっくに感動とインパクトを与える力を失っています。それよりも人に注目すべきです。人こそ無限の可能性を秘めています。人の価値はどんな派手な場面よりも高いと思います」(ジョン・ウー総監督)

 この言葉通り、本作の見どころは戦闘シーンそのものではなく、そこに生きる人間のドラマ。諸葛亮や周瑜といった「赤壁のヒーロー」は一切登場せず、あくまで曹操軍の水軍の一兵卒である「モブ」に視点を置くことで、三国時代の一般人がどうやって戦場で生きていたのか、さらに名を残さない人物だって歴史を変えることができるということを強く訴えかけてくる。

 ジョン・ウー氏といえば、「再現」へのこだわりが強いことでも有名だが、本作でも物語の説得力に欠かせないリアリティをとことん追求。服装、髪型、刀をはじめとする道具、宮殿など、細部に至るまで資料をもとに当時を再現。作品自体は30分ほどではあるが、江川と江流とともに、これまで見たことのない三国時代を冒険できる濃密な時間となっている。

「映画で一兵卒が活躍できると知って、ゲーム初心者の私も『真戦』の世界で活躍できたらと思いました」

  • 『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』特別試写会の様子 撮影/逢坂聡

    『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』特別試写会の様子 撮影/逢坂聡

  • 特別試写会のMCを務めたちゅうにー氏 撮影/逢坂聡

    特別試写会のMCを務めたちゅうにー氏 撮影/逢坂聡

  • 三国志の専門家として本作を語った早稲田大学・渡邉義浩教授 撮影/逢坂聡

    三国志の専門家として本作を語った早稲田大学・渡邉義浩教授 撮影/逢坂聡

  • 映画解説を行った芸人の大島育宙氏

    映画解説を行った芸人の大島育宙氏

 5月19日のWeb公開に先駆け、7日に東京・秋葉原のUDXシアターにて行われた『赤壁炎上』の特別試写会では、一兵卒を主人公とした真に迫った物語世界に魅せられ、涙ぐむ人の姿も。上映後に行われたトークイベントでは、三国志ファンのちゅうにー氏をMCに、三国志専門家であり『レッドクリフ』と本作の日本語訳の監修を務めた早稲田大学教授の渡邉義浩氏、映画ドラマの考察を得意とする芸人の大島育宙氏、スマホゲーム情報サイト「ファミ通App」で『三國志 真戦』を担当するキック一郎氏が登場。主人公の江川・江流の決断と行動、「乱世の奸雄」として悪役のイメージの強い曹操の新たな描かれ方など、これまで見たことのない三国物語に胸躍らせた観客を前に、映画の見どころや時代考証に基づき再現された世界観の素晴らしさなど熱いトークを繰り広げた。

 数ある見どころの中でも、大島氏が特に声を強めたのが、「『レッドクリフ』のときよりもジョン・ウー味が出ていた」ことだった。

「ジョン・ウーは戦争やアクション映画をいっぱい撮っているので、怖い人なのかなって思うかもしれないけど、明確に平和論者で、暴力否定論者です。ご本人も言っているとおり『レッドクリフ』は商業映画だからド派手にやらなければいけなかったけど、今回は本当にやりたいことができたのではないか。2018年くらいのインタビューで『ここ10数年、私は私らしい映画を撮れていない』と語っていますが、この作品で久しぶりにできたんじゃないかと思います」(大島育宙氏)

 その言葉を受けて、渡邉教授も「曹操は孫子の説いた戦わない兵法を重んじ、なるべく具体的な戦いを避けて降伏させるようなことをしていく。ジョン・ウーが『赤壁』を描くのは、彼の平和主義が関わる部分があるのかもしれません」と分析。興奮冷めやらぬ観客の心を一層熱くした。
  • スマホゲーム情報サイト「ファミ通App」で『三國志 真戦』を担当するキック一郎氏 撮影/逢坂聡

    スマホゲーム情報サイト「ファミ通App」で『三國志 真戦』を担当するキック一郎氏 撮影/逢坂聡

  • トークショーで『三國志 真戦』の面白さについて語る一幕 撮影/逢坂聡

    トークショーで『三國志 真戦』の面白さについて語る一幕 撮影/逢坂聡

  • 『三國志 真戦』より

    『三國志 真戦』より

  • 『三國志 真戦』より

    『三國志 真戦』より

  • 『三國志 真戦』より

    『三國志 真戦』より

 さらに映画がゲームリリース2周年記念作品ということもあり、話題は映画とゲーム『三國志 真戦』との共通点へ。先端が尖った艦船の蒙衝は、ゲーム内の形をモチーフに、ゼロから作り上げたものだと明かされた。

 また、最大の共通点として挙げられたのは「名を残さない人物も歴史を変えることができる」というところ。映画の中では主人公の江川・江流の活躍によって、「赤壁の戦い」の戦況が大きく左右される。名もない一兵卒の行動・選択によって歴史が動いていくのだが、『三國志 真戦』もまた登場人物の行動と選択が重要であり、それこそが醍醐味となっているのだ。

「火攻めを行う際は、風向きとかもある中、どこに火をつけるのか、また、城をどういうふうにブロックするのか(が大事)。まさにゲームにおいても、プレイヤーひとりひとりの行動と選択次第でピンチからチャンスに切り替わります」(キック一郎氏)

 この発言に大きくうなずくゲーム上級者の観客も多数。また、トークショー終了後に参加者に話を聞くと、まだゲームを始めたばかりという女性が「映画で一兵卒が活躍できると知って、ゲーム初心者の私も『真戦』の世界で活躍できたらと思いました」と目を輝かせて語ってくれた姿も印象的だった。

 『赤壁炎上』の制作チームインタビュー映像の中で、制作チームはこう語る。

「『三國志 真戦』の世界では、プレイヤーは自らの知恵と計略で斬新な歴史を作ることができます。最後の勝利を手に入れるために、自分を犠牲にするプレイヤーもいます。このゲームにおいてもっとも本質的なものをつかみ、プレイヤーの精神をリスペクトしつつ、映画に再現しました。この映画を観るときは、ゲームをプレイしている時の気持ちを思い出してほしいです。そうすれば、プレイヤーとしての誇りが感じられるでしょう」(制作チーム)

 現在ゲームの公式サイトでは、2周年を記念して豪華プレゼントがもらえる感想文募集キャンペーンや、最大3,000金銖(ゲーム内通貨)や星5武将が獲得可能なイベントも開催中。新規ユーザーも、復帰プレイヤーもまさに「今プレイしどき」となっている。Webで気軽に見られる鬼才ジョン・ウー監督が再び描いた「赤壁」を見て、『三國志 真戦』で自らも「歴史」を変えてみては?

取材・文/河上いつ子

『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』特別試写会の様子 撮影/逢坂聡

『赤壁炎上−もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅−』特別試写会の様子 撮影/逢坂聡

インフォメーション

赤壁炎上
もう一つの三国志が紡ぐ、男たちの邂逅
5月19日Web公開
作品を見る
https://youtu.be/GXMh7_nWaik(外部サイト)

総監督:ジョン・ウー
声の出演:小野友樹、大塚明夫、中村大志、浦山大志 ほか

三國志 真戦
■ゲームダウンロードはこちら
https://s3gjpall.onelink.me/cxTE/dlprg82z(外部サイト)

■公式情報サイトはこちら
【公式サイト】https://sangokushi.qookkagames.jp(外部サイト)
【公式Twitter】https://twitter.com/ShinSen_SGS(外部サイト)
【公式Discord】https://discord.gg/shinsen(外部サイト)
■『三國志 真戦』2周年記念キャンペーン

@『赤壁炎上』感想文キャンペーン
豪華プレゼントがもらえる感想文募集キャンペーン開催。
#赤壁炎上 #三國志真戦
と、映画本編のリンクを付けて感想を投稿すると、豪華プレゼントがもらえるかも。
詳細は下記公式Twitterにてチェック
https://twitter.com/ShinSen_SGS(外部サイト)

A『三國志 真戦』2周年記念感謝祭
【多士済々】過去勢力値が300以上の君主様が情、義、勇、謀の任務を達成すると対応する酒杯が点灯可能になり、4つすべての酒杯を点灯すると必ず星5武将を獲得する招募ができる。

【福運到来】
イベント期間中、20時までにゲームにログインすると、その日の抽選資格を獲得。20時に報酬獲得情報を公開。結果発表では、抽選資格を持つすべての君主の中から毎日抽選で10名の君主に周年大賞(10000金銖)をプレゼント。イベント最終日の抽選結果発表後、落選したすべての君主に周年佳賞(400金銖)を1回のみプレゼント。

【ログイン報酬】
イベント期間中、過去勢力値が300以上の君主はゲームにログインすると、ログイン報酬を毎日受け取ることができる。
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