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修羅場くぐった猫「処分されるくらいなら私が…」母娘の争いで3日間スマキになるも無事に保護
10年以上飼ったおばあちゃん猫を「愛護センターに連れて行く」
「虐待…とまでは言えませんが、ある母親と娘のいざこざに巻き込まれてしまったんです。10年以上も飼っていたにも関わらず、その母親はみーちゃんを『もう飼えない、愛護センターに連れて行く』と言い出したそうです」
娘はそんな母親を止めようとしたという。だが、「飼う」「飼わない」の攻防は続き、どうにもならなかった。
「娘さんは、『愛護センターで処分されちゃうくらいなら、私が殺す』と思い詰めてしまったようなんです。それで、みーちゃんをスマキの状態にして、ゴハンも与えなかったみたいで。3日間もそんな状態だったものですから、みーちゃんは肝臓の数値がひどく悪くなっていました」
娘の行動は、みーちゃんへの愛ゆえと見ることもできるが、猫にとってはたまったものではない。その後、母娘の争いはさらに激しくなり、娘は警察に通報。みーちゃんは引き取られて病院で診てもらうこともでき、なんとか命を繋ぐことができた。
「みーちゃんはまさに、修羅場をかいくぐった猫といえるでしょう。娘さんもみーちゃんを処分されないように頑張ったものの、みずから猫の命を奪っていいわけではないですよね。みーちゃんはもう15歳のおばあちゃん猫なのに、こんなことになってしまって…。でも、いろいろあったけど保護することができて本当に良かったと思います」
家族全員が同意することが大事、猫も人間も幸せになるために
だが、そんなみーちゃんも15歳の老猫といえる年齢。この年から、10年以上一緒に暮らした家族や家を離れ、また新しい環境に身を置かなくてはいけない。現在は『ねこけん』のメンバー宅で落ち着いた生活を送っているようだが、猫にとって大きなストレスとなったことは間違いないだろう。
「たしかに、長年暮らしていれば、人間にもいろいろな生活の変化、心境の変化はあると思いますし、それは仕方ないことです。ただ、だからといって猫を人間の都合で不幸にしていいわけではない。せめて猫など動物を飼う際には、事前に家族間でしっかり話し合うことをしていただきたい。『ねこけん』で譲渡するときも、必ず『家族全員が同意しているかどうか』を聞きます。それが、ゆくゆくは猫も人間も幸せにすることだと思いますから」
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