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「CGですよね?」「プラモデルです」“リアルすぎる”ジオングのモデラー最新作 “威圧感”“恐怖感”を求めた“神々しい”サザビー

 先月SNSで発表されると、ガンプラとは思えない圧倒的な迫力で、モデラーのみならず一般の人々にも大きな衝撃を与えたDON-GURIさん(@ten10kozo)のジオング。同氏が発表した最新作は、真っ赤なボディが印象的な“神々しい”サザビー。前回ジオングを制作したことが、本作の方向性を決定づけたというが、一体どのような経緯で誕生したのだろうか? 本人に話を聞いた。

ジオング制作時に感じた“恐怖感”「もっと表現できるのはサザビーかも」

――前回、記事で紹介させていただいたジオングの反響はいかがでしたか?
DON-GURIいろいろな反響がありましたが、特に自分が働いている会社の中でも気が付いた方がいらっしゃったのはびっくりしました。「自分もガンプラ作ってみようと思いました」といったコメントをいただけたのはうれしかったですね。
 SNSでもいろいろな感想をいただきましたが、特に印象に残っているのは「こういったイメージを形にできるのがすごい」というような感想が多かったことです。私のなかにずっと前からイメージはありましたが、とても作ろうとは思いませんでした。しかし今ではそれにチャレンジできるようになってきた。それだけ成長したのかもしれませんね(笑)。

――“成長”と一言で済ますにはあまりある作品だと思いますが、それだけ追究することの大切さを感じます。さて、本作はジオング制作時に感じたインスピレーションから制作を決めたと伺いましたが…?
DON-GURIはい。ジオングを作っている際、ジオングに何か恐怖感のようなものを感じました。この恐怖感をもっと表現できるのはと考え。「サザビーかも?」と思ったことが、同じような作り方でサザビーを制作することを決めた経緯です。

――サザビーで恐怖感を表現できるかもと思った理由は?
DON-GURIもともとサザビーには、どこか威圧的で迫力があり、恐怖感すら感じるようなイメージを持っていました。サザビーは脚があるので、より全身での“表情”のようなものが出せると思ったんです。実際、ジオングの記事が公開された時に寄せられたコメントで、「できればサザビーでこの迫力を出してほしい」と書いてあるものがありました。その時は既にサザビーを作ることを決めていましたので、自分の方向性が間違っていないことも確認できました。

――SNSに投稿された際には、「SAZABI IS BORN」とタイトルが添えられました。威圧感や恐怖感とともに、どこか神々しさも感じられる作品に仕上げられましたね?
DON-GURIそうですね。写真としてはどこか神々しい印象に仕上げたのですが、完成したものを見た時、まさにサザビーが誕生した瞬間のようなイメージを受けたのでこのタイトルにしました。

今までで一番時間がかかった撮影「反射と視認のバランスにこだわった」

――サザビーの大きな特徴でもある“赤”が本作では特に映えています。この“赤”を含め、色については、どのようなこだわりがあったのでしょうか?
DON-GURI今回はあえてスペシャルコーティングの施してある特別なキットで制作しました。以前に制作したチタニウムフィニッシュのシナンジュの写真の仕上りが思ったより良かったので。劇中ではもう少し落ち着いた赤色ですが、燃えるようなシャアの情熱をまとっているような感じの色合いにしています。あえて外装の反射を恐れず、あえて写真を撮影したときのままの色にしています。もう少し彩度を上げれば深い赤色にもできましたが、やはり先に述べたように神々しい印象を優先しています。あと今回気を付けてたのは、シルバーの使用量を増やしたことですね。

――シルバーを増やしたのは、どういった理由で?
DON-GURI私の作品は、内部メカにゴールドを多用しているのですが、今回はシルバーをいつもよりも多めに配色しています。理由はゴールドとレッドが同系色なので、パッと見たときに外装なのか内部メカなのかわかりにくくなるのを極力防ぎたかったためです。また今回メッキシルバーのガンダムマーカーも多く使っていますが、外装以外でもキラキラした部分を作りたかったためです。したがって今回はより光沢とか光の反射というものを表現することを意識しています。

――光の反射にもこだわりが詰まっているんですね。
DON-GURIやはり光の反射を程よいレベルにして、作りこんだ部分がある程度視認できながらもキラキラした仏像のようなイメージを表現するというバランスに一番気を遣いますね。また、ポーズに関しても試行錯誤しています。直立した姿勢では威圧感が出ないので、よりどっしりとして力強く見えるポーズを制作しながら整えています。光の強さ、角度はもちろん、レフ板の位置や向きなどにこだわっていたら、今までで一番撮影に時間がかかりました。

ガンプラは上手下手ではなく、制作者がワクワクして作った気持ちが伝わるものが一番

――多くの人が驚かれるガンダムマーカーでの塗装も含めたガンプラ制作の技術だけでなく、この作品を芸術的に仕上げている要素として、撮影の技術もあると思います。ガンプラ制作に力を入れ、撮影にこだわらないモデラーが多いと思うのですが、何かアドバイスをお願いします。
DON-GURI個人的な考えですが、写真としての仕上がりにこだわるなら、まずは陰影とか光の具合に気を使うことで大きく変わると思います。もちろんまんべんなく光を当てて作品自体をはっきり見せることが重要な方も多いと思います。まんべんなく光を当てた写真はよりはっきりとプラモデルを見せることができるので、見る人に完成したプラモデルのすばらしさを伝えることができると思います。一方で陰影を付けた写真は、より現実的な印象を与えますし、陰影によってプラモデル自体には無い印象的な要素を加えることもできます。好みになりますが、そういったことが写真での表現方法なので意識して撮影してみてはいかがでしょうか。

――多くの注目を集めるモデラーとして、次作、また来年以降どのような作品を作っていきたいですか?
DON-GURI次回以降の構想は全くないのですが、とりあえずパーツが浮き上がっている状態の作品をこの後も何点か作ろうかと思っています。また一方では、普通に素組みでも何点か作っていろいろ検討してみようとも考えています。あまり気負わず、自分らしい表現の作品を続けていきたいと思っていますし、そういった中で新しい構想が出てくると思います。

――ガンプラ好き、あるいはガンダムが好きでこれからガンプラに挑戦しようとしている人たちに何かメッセージをお願いします。
DON-GURISNSなどでいろいろな人の作品を見る機会も非常に多いですが、私は上手下手ではなく制作者がワクワクして作った気持ちが伝わるものが一番好きです。ワクワクして作り、完成を喜べるのであればそれが一番素晴らしいことだと思います。人と比べるのではなく、楽しく作り、完成を喜べることを感じていってほしいです。そしてまた作りたいと思ったら、また作ってみてほしいです。

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