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「やっと本当の女の子に…」元男子の美女アイドル、母からプレゼントされた”振袖”が自信に

  • トランスジェンダー美女ぷうたん。Instagramより(@puutan_318)

    トランスジェンダー美女ぷうたん。Instagramより(@puutan_318)

アイドルユニット『MM(メイメイ)』として活動するトランスジェンダー美女“ぷうたん”。透明感ある美貌の持ち主だが、「女の子」を実感できたのは最近だという。今年迎えた成人式の式典用に母親が購入してくれた振袖が「証明」となった。アイドルデビューまでの道のりと20歳になった心境、今後の展望を聞いた。

就職しようと思っていた気持ちを変えた、運命の1枚「卒業記念の自撮りがバズって」

――現在は『MM』として活動されていますが、相方のジェンダーレス男子・ぎんしゃむさんと出会ったのはいつ頃ですか?

ぷうたん 最初は、中2の時にSNSでフォローし合ったのがきっかけです。お互い当時出始めていた“ジェンダーレス男子”で。よく電話してたんですけど、実際に会って遊んだらめっちゃきつい性格で(笑)。「もう会わない!」って、しばらく連絡を取っていなかったです。

――そうなんですね(笑)。

ぷうたん でも、そのあと高2ぐらいの時にまた会うようになったら、ぎんしゃむも昔より性格が丸くなっていて(笑)。卒業前に、一緒にYouTubeをやろうって誘ってくれたんですけど、自分自身は、もう就職しようと思ってたんです。

――芸能活動をするために、高校生から地元を出て東京で一人暮らしをされていたと聞いています。

ぷうたん そうなんです。でも、やっぱり難しいなと思ったし、安定したい気持ちもあって。親にも、もう好きなことをやったから就職したらって言われていて、アパレル系の面接を受けようと思っていました。でも、高校卒業の時に「卒業しました」って写真をのせたら、それがまさかの大バズりしたんです(笑)。

――“かわいすぎる男の娘”として、国内だけでなく海外でも注目されましたよね。

ぷうたん 運命の1枚でした(笑)。自分自身、心と体の性の不一致で悩んで辛かった時期に、同じような人が手の届く場所にいたらもっと楽だったし、こういう生き方があるんだってわかったと思うんです。だから、自分がそういう存在になれたらいいなと思って、芸能活動を続けることにしたんです。それで改めてぎんしゃむと一緒に活動しようって話しになって。

――なるほど。手の届かない存在ではなく、身近に感じる存在になりたい?

ぷうたん そうですね。自分たちの活動をみて、「こうすればいいんだ」とか、「辛い時はこうやって逃げればいいんだ」って思ってもらえたら。自分と同じように性と心の不一致で悩む方や、自分のことを好きになれなくて、コンプレックスがある方に、少しでも楽になってもらえたらいいなと思います。小さい頃から人のために何かをするのが好きだったんですよね。だから、少しでも自分が力になれたら幸せです。

――『MM』の活動はLGBTQだけでなく、悩みを抱える人全員へのエールにもなっているんですね。今、まさに悩みを持っている方がいたらどんなメッセージを送りたいですか?

ぷうたん 自分が辛い時ってその世界が全てだと思ってしまいがちだけど、視野を広げるともっと世界は広いんですよね。特に学生の内は学校が全ての世界で孤独だとか辛いと思うけど、大人になるにつれて、いろんな世界が見えるから。自分が好きなことを見つけて口に出せば、絶対に同じような人はいるし、自分の居場所が見つかるから、安心してと伝えたいですね。難しいけど、最初の一歩をちょっとずつ踏み出して進んでいってほしいです。
  • 注目を集めた卒業記念の自撮り。Instagramより(@puutan_318)

    注目を集めた卒業記念の自撮り。Instagramより(@puutan_318)

  • 2020年アイドルデビュー。Instagramより(@puutan_318)

    2020年アイドルデビュー。Instagramより(@puutan_318)

20歳で叶った女の子への夢「振袖を着て喜んでもらえたことが、自信につながった」

――ぷうたんは高校生の時カミングアウト以降、女性として生活されていますが、近年、さらにLGBTQが広まってきたことで生きやすくなってきた実感はありますか?

ぷうたん そうですね。認めてくれる方が増えたと思いますし、特にZ世代は気にしない人が多いんじゃないかな。気にせず恋愛するし、自分が好きなようにしているのがカッコいいと思っているのを感じます。

――ぷうたんも恋愛はしていますか?

ぷうたん 経験はあんまりないですけど、恋愛体質なので好きになって思い悩むこともあります(笑)。ありのままを愛してくれて、愛情表現をしてくれる人が好きですね。

――LGBTQと言葉にして分けること自体が差別になるという声もありますよね。

ぷうたん 難しいところなんですけど、多くの人に知ってもらうための第一歩なのかなと。最終的には関係なくなればいいけど、知ってもらう入り口としては、仕方ないのかなとも思います。

――今、日常生活で困ることはありますか?

ぷうたん そんなにないですけど、病院でビックリされたりします(笑)。普通に男性の名前なんで。でもそういう時は、オープンに、ポジティブに自分のことを話すようにしていますね。そうすると相手の方も「えー!見えない〜」って明るいリアクションしてくれます。

――今年、20歳を迎えられましたが、心境に変化はありましたか?

ぷうたん 昔からずっと、成人式の振袖に憧れていたんです。高校でかわいくなる努力をした時も、「20歳の成人式までに、地元で一番かわいくなる」って目標を立てていたんですね。いざお母さんに、「振袖を着たい」って話をしたら、「いいじゃん」って賛成してくれて。コロナ禍で地元に帰れなかった中、お母さんが自分で着物を何枚も着て「これはどう?」って写真を送ってくれて、一緒に選びました。お母さんがプレゼントしてくれた振袖を着て、成人式に出られたことは、すごく嬉しかったですね。

――ひとつ、夢が叶ったんですね。

ぷうたん 両親は幼少期から女の子っぽかった自分をいつも認めて応援してくれて。でもそんな両親にも面とむかってカミングアウトはできなかった。東京の高校に行ってから周囲にカミングアウトして、その後、地元に帰ったときは何も言わずに受け入れてくれたんです。そんな両親が振袖を着せたいと思ってくれて、その振袖を着たら「かわいい」って喜んでもらえたことで、やっと本当の女の子になれた気がしました。自分の中の目標がひとつかなって、自信にもつながりましたね。

――ご家族は、今の活動を応援してくれている?

ぷうたん お父さんもCDを買ってくれたり、玄関にポスターを飾ってくれています。お母さんはすっかり娘として接してくれてて、一緒にお買い物に行ったり、自分がメイクをしてあげることも。小さい時からずっと、寝る前はギュってしてくれて、「大好きだよ、宝物だよ」って育ててもらったんですよね。そのままでいいんだよって言ってもらったことに、本当に感謝しています。これからも周りの人を大切にしながら、自分自身の軸を忘れないように生きていきたいと思っています。

(取材・文/辻内史佳)
  • 思い出の成人式ショット。Instagramより(@puutan_318)

    思い出の成人式ショット。Instagramより(@puutan_318)

  • 「モコモコ脱ぐと 大人っぽくなる」Instagramより(@puutan_318)

    「モコモコ脱ぐと 大人っぽくなる」Instagramより(@puutan_318)

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