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ヤマザキマリ、“湯の道”でつながる「テルマエ・ロマエ」 2度目のアニメ化経て「私の中では終わっていない」

人生に無駄はないという教訓的なものも込められている

――今回のミニ実写エピソード「テルマエ・ロマエ巡湯記」ですが、かつて北海道の地元テレビ局で温泉リポーターのご経験があったそうですね。

ヤマザキ「巡湯記」の企画のご提案いただいた時、ああこれは昔取った杵柄(きねづか)を発揮できるな、と思いました。子供が生まれて日本に一時帰国していたころ、テレビで温泉レポーターもやっていたことがありました。実はそんな経験も「テルマエ・ロマエ」という漫画ができるきっかけとなり、巡り巡って「巡湯記」でリポーターをやることになるという顛末には感慨深いものがありました。そのときは何の役にも立たなさそうな経験も、いずれどこかで必ず役に立つことがある、人生に無駄はないという教訓的なものも込められているかもしれません(笑)。

――お風呂に興味を持ったのは温泉レポーターがきっかけだったのですか?

ヤマザキ元々はうちの祖父母が銭湯好きで、内風呂があるのに週2、3回は一緒に銭湯に行っていた。その影響を受けて育ちましたし、35年以上にもわたる海外暮らしではなかなか浴槽がある家に住めなかった。日本のように気軽に温泉に行けるような環境にもなかった。そうした入浴と温泉への枯渇感がお風呂愛や温泉愛につながり、漫画という表現になったんだと思います。
――今、お風呂愛は満たされていますか?

ヤマザキそうですね。外で仕事がある時は無理ですが、家にいる時は、1日3回お風呂に入ります。朝起きてすぐと、夜寝る前には必ず入る。仕事していて煮詰まったら入る、もっと煮詰まっていたら2回でも3回でも入る(笑)。

――入り過ぎということはないんですか?

ヤマザキないです。なぜかというと、私は長湯はしないんです。10分くらいお湯に浸かればもう十分。湯ぶねに浸かっている間は何にも考えていません。頭の中は、完全な無、それから仕事をするとすごく効率がいいんです。煮詰まったときは風呂に入ることによって余計な考え事が払拭され、脳が完全にリセットされる。その効果は古代ローマ人もわかっていたことなんです。お風呂に入ってリセットしたほうが、無為に過ごす時間が減って、より長く充実した1日が過ごせる。お湯に入るとリラックスできて、新陳代謝もアップして老廃物が出てスッキリする、良いことだらけだということは、これからもお風呂漫画家として啓蒙したいですね。最近はなかなか遠出ができませんので、これまであちこちの温泉地で買い集めた湯の花を自宅の浴槽に入れて、温泉気分を味わっていますが、時間があったら箱根あたりまで車を飛ばして、日帰りもしくは一泊して温泉に入りたいですね。

――イタリアと日本を行き来して、漫画やコラムの連載を抱え、テレビ出演もあり、パワフルに活動していらっしゃる方だと思っていましたが、お風呂や温泉でリフレッシュして、普通の人の倍以上活動していらっしゃる。ご自身に似ていると言われたルシウスよりはるかにヤマザキさんの方が好奇心の塊。日々大忙しですね?

ヤマザキ元気なときに忙しく生きてるのはいいことですよ。休める時は休めばいいんでしょうけど、今はまだ、メンタル面での栄養素を蓄えるための時期だと思ってますから。自分が本当に休みたいと思ったら、休めばいいんです。体力と精神力が旺盛なうちはまだ頑張ります。この地球上ではどんな動物も皆そうやって生きているわけだし。

――仕事で煮詰まったら、お風呂に入って“無”になってみます。

ヤマザキ試すのはいいんですけど、浴槽で寝てしまうと危ないですから疲れすぎている時は気をつけてください(笑)。

――お話とお気遣い、ありがとうございました。

津田健次郎演じるルシウスの連続リアクション映像

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