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相葉雅紀の国民的“後輩”感の強度 キャリア重ねても“真のアイドル”を体現
結婚しても変わらぬ好感度 アイコンとしての「相葉雅紀」絶対的な強度
特筆すべきは、相葉が昨年9月に結婚を発表し既婚者となったことだ。同ランキングでは既婚者は上位に入りにくい傾向があるが、最新調査でも順位は変わらず。明るさに加えて年齢を重ねるごとに増す男らしさや色気を感じる女性も多く、“理想の恋人像”として変わらない支持を獲得している。
「優しそうで癒される」「人として素敵」など、人柄を支持する声が多いのは2016年から一貫して同じであり、これは、もはやアイコンとしての「相葉雅紀」が確立していると考えて良い。それはまるでアニメのキャラクター人気のようであり、そもそものアイドル(偶像)の意味において、「相葉雅紀はほんとうの意味での“アイドル”だ」とも言える。
「これは相葉さんのモチベーションが、内にではなく、外にあるからではないでしょうか」と分析するのは、2004年頃から嵐をインタビューし続けたほか、『VS嵐』や『グッと!スポーツ』の収録現場で毎回取材していた経験のあるメディア研究家の衣輪晋一氏。「以前、相葉さんにインタビューした際、彼は『自分のためだけにはもうここまでは頑張れない。誰かが応援してくれるから、誰かのためになるなら、そういう想いを感じた時に、その人たちのために頑張りたい』と私に語ってくれたことがあります」
「自分のためではない…つまりは人=外のためにアクションを起こすことが多い性格であり、ゆえに彼自身の内=心情やプライベートが見えにくい。結果、アイコンとして、偶像としての“相葉雅紀”が生まれるのではないかと考えています」(衣輪氏)
実践型バラエティと見事にマッチ 相葉雅紀の教えを請うナチュラルさ
例えば『I LOVE みんなのどうぶつ園』では、保護犬のトリミングに挑戦。毎回4、5時間かけてトリミングする姿に「きちんと取り組む姿勢に感動」「保護犬・保護猫の選択肢を知ってもらえるいい番組」と毎回多くの反響が寄せられている。番組タイトルが変更になっても「相葉くんのトリミングだけはなくさないでほしい」という声も多い。
「I LOVE みんなのどうぶつ園チャンネル【公式】」YouTubeチャンネル内の「【トリミング】撮影の合間にハサミの使い方を教わる相葉くん【未公開映像】」では、「練習する努力家の相葉くんがとても素敵」「相葉ちゃんは諦めず努力することの天才」など、相葉の姿に感動する声も多くあった。一方、『相葉マナブ』では、ハライチの澤部やバイきんぐの小峠とともにご当地の特産物や釜飯を作りを披露。「仲良し3人の息ぴったりの作業と会話にほっこり」「今一番面白い料理番組」などの反響があり、地元の農家の方に指導されながら、ご当地料理を調理していく姿が「ハマっている」と好評だ。
『VS魂』ではジャニーズの後輩たちとゲームを繰り広げているが、そこでも“先輩”というよりはゲーム仲間としてわちゃわちゃしている印象。悪い意味ではなく、嵐の他のメンバーはジャニーズの重鎮感、先輩感、格が見えるのに対し、後輩感が抜けてないor対等の目線なのだ。実際、3月10日放送では、相葉が後輩である岸優太に「(僕は)岸くんのファンですよ」とラブコール(?)する場面も見られた。
Twitterでは「相葉君は引っ張るタイプの先輩では無く、一緒に進んで行こうって半歩後ろから手を添えて見守る先輩であるように思う」などの声も挙がっており、芸歴26年というベテランにもかかわらず、相葉雅紀にはそうした威圧感がなく、穏やかさやひたむきさ、友達感、生徒感など、同年代の芸能人ではあまり見られない稀有な雰囲気をまとっていると言える。
自ら語る「嵐の中のしょぼい方」 “普通”であることのポテンシャルの高さ
確かに嵐はトップアイドルとして君臨していながらも、いい意味でトップアイドルとしての気負いは見られない。前出の衣輪氏は「業界では有名な話ですが、嵐のインタビューの座談会は“インタビュアーいらず”と言われています。こちらがお題を提示するだけで、嵐の間で話題が自走していく。そうしたグループはほぼなく、ボケ、ツッコミ、互いをイジり合う、その姿に偉そうぶる素振りは一切ありません」と振り返る。
さらに「中でも相葉さんについては、さらに謙虚。『VS嵐』収録にお邪魔した際、そのオープニングトークで相葉さんが『ほら、俺って、嵐の中でも“ショボイ方”だからさ』と自虐で笑いを取った場面は今も鮮明に記憶に残っています」(衣輪氏)
TVでかつてとんねるずやダウンタウンの楽屋ネタが人気を博したように、YouTubeやTikTokの普及で一般人がメディアになる今、より身近なリアルが求められる風潮もあるのかもしれない。雲の上の存在だった芸能人やアイドルよりも、身近な存在であり親近感が持てる相葉雅紀。その「普通」「近所のお兄さん」という魅力が現代の需要とマッチしたと言えそう。
ここ10年で松本人志をはじめとする大御所が若手芸人にいじられる流れも見られるようになったが、トップアイドルに君臨した後も後輩からいじられキャラ愛されキャラなのは稀有。視聴者や共演者と“寄り添い”型の相葉のスタンスは、コロナ禍や社会情勢が厳しい現代のオアシスのような存在であり、ゆえにユーザーも恋人として横にいて欲しいと考えるのではないか。
(文/中野ナガ)