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相葉雅紀の国民的“後輩”感の強度 キャリア重ねても“真のアイドル”を体現

 2020年の嵐休止後、単体での活躍が際立つ相葉雅紀。現在は『相葉マナブ』(テレビ朝日系)、『I LOVE みんなのどうぶつ園』(日本テレビ系)、『VS魂』(フジテレビ系)の3本のレギュラー番組のほか、6月には12年ぶりの主演舞台『ようこそ、ミナト先生』が控えている。世間からの印象は変わらず「裏表がなさそう」「穏やか」「画面から優しさがにじみでている」と好感度が安定している。今年で40歳を迎えるにもかかわらず、いつまでも「相葉くん」像が崩れない“偉大なる異質さ”について紐解いていく。

結婚しても変わらぬ好感度 アイコンとしての「相葉雅紀」絶対的な強度

 相葉雅紀といえば「恋人にしたいランキング」の常連。ORICON NEWSの『恋人にしたい男性有名人ランキング』では2016年から3年連続で1位、2019年から3年連続で2位という実績を持っている。ユーザーコメントには「いつも優しく接してくれそうだし、明るくて楽しい時間を過ごせそうだから」(愛知県/20代)、「明るくて優しくて何をするにも一緒に楽しんでくれそうだから」(埼玉県/50代)などの声が挙がっている。

 特筆すべきは、相葉が昨年9月に結婚を発表し既婚者となったことだ。同ランキングでは既婚者は上位に入りにくい傾向があるが、最新調査でも順位は変わらず。明るさに加えて年齢を重ねるごとに増す男らしさや色気を感じる女性も多く、“理想の恋人像”として変わらない支持を獲得している。

「優しそうで癒される」「人として素敵」など、人柄を支持する声が多いのは2016年から一貫して同じであり、これは、もはやアイコンとしての「相葉雅紀」が確立していると考えて良い。それはまるでアニメのキャラクター人気のようであり、そもそものアイドル(偶像)の意味において、「相葉雅紀はほんとうの意味での“アイドル”だ」とも言える。

「これは相葉さんのモチベーションが、内にではなく、外にあるからではないでしょうか」と分析するのは、2004年頃から嵐をインタビューし続けたほか、『VS嵐』や『グッと!スポーツ』の収録現場で毎回取材していた経験のあるメディア研究家の衣輪晋一氏。「以前、相葉さんにインタビューした際、彼は『自分のためだけにはもうここまでは頑張れない。誰かが応援してくれるから、誰かのためになるなら、そういう想いを感じた時に、その人たちのために頑張りたい』と私に語ってくれたことがあります」

「自分のためではない…つまりは人=外のためにアクションを起こすことが多い性格であり、ゆえに彼自身の内=心情やプライベートが見えにくい。結果、アイコンとして、偶像としての“相葉雅紀”が生まれるのではないかと考えています」(衣輪氏)

実践型バラエティと見事にマッチ 相葉雅紀の教えを請うナチュラルさ

 そんな相葉雅紀の異質な魅力が垣間見えるのはバラエティ番組。現在、『I LOVE みんなのどうぶつ園』と『相葉マナブ』、『VS魂』と実践型バラエティのレギュラー番組を3本抱えているが、こうした“教えを請い学んでいく”スタンスが相葉には非常にマッチしているように感じる。

 例えば『I LOVE みんなのどうぶつ園』では、保護犬のトリミングに挑戦。毎回4、5時間かけてトリミングする姿に「きちんと取り組む姿勢に感動」「保護犬・保護猫の選択肢を知ってもらえるいい番組」と毎回多くの反響が寄せられている。番組タイトルが変更になっても「相葉くんのトリミングだけはなくさないでほしい」という声も多い。

「I LOVE みんなのどうぶつ園チャンネル【公式】」YouTubeチャンネル内の「【トリミング】撮影の合間にハサミの使い方を教わる相葉くん【未公開映像】」では、「練習する努力家の相葉くんがとても素敵」「相葉ちゃんは諦めず努力することの天才」など、相葉の姿に感動する声も多くあった。一方、『相葉マナブ』では、ハライチの澤部やバイきんぐの小峠とともにご当地の特産物や釜飯を作りを披露。「仲良し3人の息ぴったりの作業と会話にほっこり」「今一番面白い料理番組」などの反響があり、地元の農家の方に指導されながら、ご当地料理を調理していく姿が「ハマっている」と好評だ。

『VS魂』ではジャニーズの後輩たちとゲームを繰り広げているが、そこでも“先輩”というよりはゲーム仲間としてわちゃわちゃしている印象。悪い意味ではなく、嵐の他のメンバーはジャニーズの重鎮感、先輩感、格が見えるのに対し、後輩感が抜けてないor対等の目線なのだ。実際、3月10日放送では、相葉が後輩である岸優太に「(僕は)岸くんのファンですよ」とラブコール(?)する場面も見られた。

 Twitterでは「相葉君は引っ張るタイプの先輩では無く、一緒に進んで行こうって半歩後ろから手を添えて見守る先輩であるように思う」などの声も挙がっており、芸歴26年というベテランにもかかわらず、相葉雅紀にはそうした威圧感がなく、穏やかさやひたむきさ、友達感、生徒感など、同年代の芸能人ではあまり見られない稀有な雰囲気をまとっていると言える。

自ら語る「嵐の中のしょぼい方」 “普通”であることのポテンシャルの高さ

 こうした相葉の魅力の背景について、明治大学の法学部で、嵐を題材にした講義を行う名物講師・関修氏は、自著『嵐には理想的な人間関係がある』で、「相葉くんはメンバーの中で特に“普通の人”ですが、嵐の凄さはその“普通さ”にこそあると、私は思います。それは従来のアイドル観──つまりカリスマティックな魅力を放つのがアイドルである、とする考え方とは一線を画しています。『隣の嵐くん〜カリスマなき時代の偶像』にも書いていますが、嵐が老若男女に慕われるのは、彼らがごく普通の青年たちだからです。そして、最も普通である相葉くんが、現在の嵐を予感させたというのは、実に象徴的なことだと思います」と語っている。

 確かに嵐はトップアイドルとして君臨していながらも、いい意味でトップアイドルとしての気負いは見られない。前出の衣輪氏は「業界では有名な話ですが、嵐のインタビューの座談会は“インタビュアーいらず”と言われています。こちらがお題を提示するだけで、嵐の間で話題が自走していく。そうしたグループはほぼなく、ボケ、ツッコミ、互いをイジり合う、その姿に偉そうぶる素振りは一切ありません」と振り返る。

 さらに「中でも相葉さんについては、さらに謙虚。『VS嵐』収録にお邪魔した際、そのオープニングトークで相葉さんが『ほら、俺って、嵐の中でも“ショボイ方”だからさ』と自虐で笑いを取った場面は今も鮮明に記憶に残っています」(衣輪氏)

 TVでかつてとんねるずやダウンタウンの楽屋ネタが人気を博したように、YouTubeやTikTokの普及で一般人がメディアになる今、より身近なリアルが求められる風潮もあるのかもしれない。雲の上の存在だった芸能人やアイドルよりも、身近な存在であり親近感が持てる相葉雅紀。その「普通」「近所のお兄さん」という魅力が現代の需要とマッチしたと言えそう。

 ここ10年で松本人志をはじめとする大御所が若手芸人にいじられる流れも見られるようになったが、トップアイドルに君臨した後も後輩からいじられキャラ愛されキャラなのは稀有。視聴者や共演者と“寄り添い”型の相葉のスタンスは、コロナ禍や社会情勢が厳しい現代のオアシスのような存在であり、ゆえにユーザーも恋人として横にいて欲しいと考えるのではないか。

(文/中野ナガ)

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