• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • 『シャウエッセン』38年目のパッケージ変更に「そもそもなぜ巾着型?」、社内でも議論生んだ決断
ORICON NEWS

『シャウエッセン』38年目のパッケージ変更に「そもそもなぜ巾着型?」、社内でも議論生んだ決断

新パッケージ、好感触に驚き 「そこは変わってないのに?」 開封方法で意外な気づき

  • 新デザインになったことで思わぬ発見も 動画「シャウエッセン、断髪式」より

    新デザインになったことで思わぬ発見も 動画「シャウエッセン、断髪式」より

 動画の反響からか流通や売上も順調で、2月中旬時点ですでに全国の店頭では8割以上が新パッケージに置き換わっている。小村部長によるとこれは「驚異的なスピード」なのだという。

「見慣れない新パッケージはなかなか手に取られない傾向にあります。ですので通常、店頭で完全に置き換わるには、半年から1年かかるとされています。我々も徐々に旧パッケージから移行するつもりでしたが、前倒しすることができました」

 新パッケージに対する消費者の反応も「冷蔵庫に入れやすくなった」「ゴミが減っていい」などポジティブな声がほとんどだという。さらに予想外の発見もあったという。

「『商品パッケージの背面に切り込みが入り開封しやすくなった』という声もありましたが、実はここは旧パッケージから変わっていません。おそらく袋型になって切り込みが見えやすくなったのが理由だと思われますが、この声によって『お客さまにわかりやすく伝える努力を怠ってはいけない』と改めて気付かせていただきました」

若者の「シャウエッセン離れ」で“不文律”に変化 「柔軟に変わっていきたい」

パッケージ変更を伝える動画「シャウエッセン、断髪式」より

パッケージ変更を伝える動画「シャウエッセン、断髪式」より

 新パッケージの議論が長引いたのは、『シャウエッセン』が日本ハム社内で"聖域化"されていたのも理由の1つだった。

 「味を守るための"不文律"がいくつもありました。ところがそれらの多くが時代と合わなくなり、若い世代のお客さまの"シャウエッセン離れ"も起こしていたのも事実です」
 
 たとえば同商品のパッケージには長らく「電子レンジ禁止」と表示されてきた。過加熱による皮の破裂を守るため、「ボイル調理がマスト」とされてきたのだ。「しかしわざわざお湯を沸かして、洗い物も増えてしまうのは、時短料理が求められる現代において不合理。また電子レンジの性能も、同商品が初登場した昭和60年からは格段に進化しています。そこで社内で何度もテストを重ねた結果、2019年に『電子レンジ解禁』と発表させていただきました」
 
 さらに同年、新フレーバーとして「ホットチリ」と「チーズ」が加わり、若い消費者を中心に好評を得ている。「味を変えることも"冒さざるべき不文律"でした。現在は定番商品となりましたが、当初は『発売35年記念の期間限定』として社内で承認を得られたという背景があります。とはいえ、どちらもドイツで定番の味ですので、“本場の味”というコンセプトからは外れていません」

 企業内部でも変化を恐れる意見があるのは、長年愛され続けるロングセラー商品ゆえ。一方で時代とともに変わる消費者ニーズや社会の要請に応えるべく、たゆまぬ挑戦を続けている。

 このたびのパッケージリニューアルでも、値上げ幅を抑えるとともに環境配慮に貢献することを目指している(28%のプラ削減、年間約4千トンのCO2排出量削減も達成できる見込み)。「弊社では『豊潤』などさまざまなソーセージブランドを販売しています。そのなかでもトップブランド『シャウエッセン』からパッケージ変更に踏み切ったのは、企業としての覚悟を示すためです」

 「大切なのは『本場ドイツの味』というコンセプトがブレないこと。そのほかの要素についてはお客さまの声にしっかりと耳を傾けて柔軟に変わっていきたい。未来の『シャウエッセン』がどんな姿をしているのか、これからも期待していただければうれしく思います」

あなたにおすすめの記事

>

 を検索