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“課金は悪”を払拭させた『パズドラ』の存在 時代の流れにくらいつき10周年も「常に危機感」
『パズドラ』生みの親、プロデューサーの山本大介氏
日本のスマホゲームへの危機感から生まれた『パズドラ』
『パズル&ドラゴンズ』(C) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
「開発を始めたときは、市場にはAndroidがほぼなく、iPhoneも3G、4の頃で、まだ9割がガラケーという時代でした。なので、いずれスマホの時代になるだろうと予想しつつも、どのくらいのスピードで切り替わるのか、まったく想像できませんでしたからね」(山本大介氏/以下同)
それを裏付けるこんなエピソードがある。
「リリース当初は、何百万ダウンロードもいくとは思っていなかったので、サーバーは1台だけで数十万に耐えられる程度、拡張するつもりもなく作っていました」
ところが、わずか5カ月で100万ダウンロードを突破。ゲリラダンジョンの発生時には一気にアクセスが集中し、サーバーがダウンすることを繰り返していたために、リリース直後からサーバーのチューニングを続け、2ヵ月目にはサーバー拡張の大改修にも着手。7カ月後のAndroid版リリース以降は、毎月100万ダウンロード単位で増えていくようになった。
『パズドラ』ゲーム画面
「初期の頃のiPhoneにはオリジナリティのある面白いゲームが多かったんですが、日本市場においてはポチポチと単純なクリックを繰り返す、ゲーム性の低いものがガラケーから続々と移植されている状況でした。このままでは日本のゲーム業界の未来は暗いものになってしまうという危機感とともに、その状況を変えたいと思い、練習して徐々に上達したり、達成する喜びや感動など、ゲームならではの楽しさが味わえるゲーム性のあるものを作りたいと考えました」
同時に、「それまでゲーム好きではなかった人も遊んでくれないと、スマホゲームは成り立たない」という思いから、初心者も楽しめるゲームにすることにも尽力。だからこそ、幅広い層からの支持を得て、スマートフォンゲームの未来を切り開く存在となったわけだが、その過程でもう一点、『パズドラ』には見逃せない功績がある。それは、“課金は悪”という世の中のムードを払拭させたことだ。