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青木崇高、ベールに包まれた“公安警察”ドラマ「没入して、没頭して、夢中になって観てほしい」

 推理作家・麻見和史の原作をもとに、WOWOW「連続ドラマW」として映像化された『石の繭』(2015年)、『水晶の鼓動』(16年)、『蝶の力学』(19年)。女性刑事・如月塔子(木村文乃)を主人公に、猟奇殺人という難事件に挑む警視庁捜査一課十一係の活躍を描いた通称<殺人分析班>シリーズ。

 これと同じ世界観を共有するユニバース作品として、捜査一課から公安部に異動した鷹野秀昭を主人公に、新たな猟奇殺人事件と公安部の活躍を描く『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』がWOWOWで13日午後10時より放送・配信される(毎週日曜 後10:00、全10話※第1話無料放送)。<殺人分析班>シリーズから引き続き鷹野を演じる青木崇高に見どころを聞いた。

捜査一課 vs 公安、“ここまで違うのか”

――WOWOWオリジナルドラマ初主演ですね。

青木『石の繭』『水晶の鼓動』『蝶の力学』という三作品を経て、今回の『邪神の天秤』だったので、主演ということはあまり意識せず、今回は“鷹野”にスポットライトが当たったような感覚。しかし、今回は全10話と前の三作品よりボリュームがあって、さらにスケールアップしていると思います。

――前作の『蝶の力学』で公安部への異動が明らかになりましたが、前々から鷹野が主人公の<公安分析班>シリーズのお話しはあったのですか?

青木鷹野が主人公の<公安分析班>シリーズができるなんて、1作目の頃は誰も想像していなかったのではないかと思います。視聴者の皆さんから支持していただき、<殺人分析班>シリーズの中で、鷹野が公安部へ異動を希望していた背景をしっかり描いていたことが大きいです。前の三作品が伏線だった?と思われるような、そんな新作が公開されるのがうれしいですね。それは、表面的な部分だけではなく、実際の人物のようにイメージして、登場人物一人ひとりを作ってきたからできたんだと思います。そういう作品に関われて幸せです。
――『邪神の天秤』では捜査一課のエースだった鷹野が公安部へ異動して、どんな活躍を見せてくれるのか、楽しみです。

青木「公安」については職務上、世間に知られていないためか、あまりいい印象に描かれることが少ないと思われますが、本作では、捜査一課は起きた事件を解決する、公安は事件を未然に防ぐ、その違いによって、同じ警察の中でもここまで違うのか、というところが面白いと思います。そういう作品はこれまでほとんどなかったと思うんです。鷹野が公安独自の捜査手法に戸惑いを感じるところや、公安五課の佐久間班長(筒井道隆)と鷹野の元上司でもある捜査一課第十一係の早瀬係長(渡辺いっけい)が対立して、バチバチに火花を散らす場面も見どころだと思います。

心から楽しめるエンターテイメントを提供できることが理想

――今回の鷹野をどのように演じましたか?

青木鷹野自身、良くも悪くもブレのない人なので、自分の中にある鷹野がブレないようにするということですね。鷹野だったらどうするか、きっとこうするだろう、という解釈を基に、身体を使って表現するのですが、ある意味でそれは鷹野として生きているということなんです。撮影期間は思考や行為をずっと共有することになるので、それが長く続けば、だんだんその人になってくる。もちろん、ドラマの撮影ですから部分的にコントロールするんですが。鷹野を初めて演じてから、6年経ってますからね。綺麗に自然体でできたわけではないですけど、僕自身が今まで違うなと思ったことは、鷹野の戸惑いとリンクすると思ったので、わりと素直に演じることができました。

――『邪神の天秤』で最も青木さんの心に残ったものは?

青木公安部がとんでもない事件を未然に防いでいたとしても、それが表に出ることはないんですね。だから、わかりやすく人々に感謝されたり、称賛されたりということもない。捜査中には、自分の命が危険にさらされるようなミッションもあるし、家族に累が及ぶかもしれないから、家族も恋人も作れないとか、プライベートが制限されることもあるかもしれない。それでも”治安の守護神“として強烈なエリート意識を持って、自分の中の正義を信じて職務を遂行している。そのモチベーションはどこからくるのか、完全に理解しきれない部分もありました。自分には目に見えた成果がほしい、「すごいね」と言われたい、そういう思いをゼロにできないような気がして。このドラマは、100%の事実に基づいたストーリーではなく、あくまでもフィクションなんですが、公安部の方々が強い信念をもって捜査に向き合っているんだな、というのは心に残りました。

――視聴者にメッセージをお願いします。

青木心から楽しめるエンターテイメントを提供できることが理想ですね。いろいろ事情があって理想に近づけないんだろうな、と思ってしまうドラマが多く感じられます。ですので、この『邪神の天秤』には没入して、没頭して、夢中になって観てもらいたい。このドラマはそれができると思うんですよね。麻見和史先生の素晴らしい原作のおかげで、脚本化されてもなお物語が魅力的で飽きさせない。今回10話ありますが、中だるみもなく展開していきますし、丁寧に回収もされていく。映像、美術、ストーリーのクオリティは、ほかの警察ドラマでは観られないレベルだと断言できます。ぜひ、ご期待ください。
撮り下ろし写真
スタイリスト: 小泉美智子
ヘアメイク:NANA

『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』2月13日(日)スタート

毎週日曜午後10時放送・配信(全10話)
[第1話無料放送]【WOWOWプライム】
[無料トライアル実施中]【WOWOWオンデマンド】
 日本警察の中でもエリートとされている公安部に異動した鷹野(青木崇高)。そんな中で起きた爆破事件の現場近くで与党大物議員の殺害事件が発生。遺体からは臓器が抜かれ、その付近には心臓と羽根を載せた天秤が残されていた。猟奇事件現場に臨場した鷹野は、古代エジプト神話を模した殺害方法に違和感を持ち、筋読みを始めるも、同僚の氷室(松雪泰子)に公安には公安のやり方があるのだと一蹴される。情報収集活動は警察にとって捜査の基本ともいえるが、公安警察において、その手法はより緻密で複雑なものを要求され、鷹野も公安独自の捜査手法で事件を追っていくのだが…。

 秘密主義がはびこる公安で、鷹野は難事件の解決の糸口をつかめるのか――? 猟奇殺人事件が、やがて公安と、ある目的を果たすために公安にやって来た鷹野の運命を大きく揺るがしていくことになる!

出演:
青木崇高、松雪泰子、徳重聡、小市慢太郎、福山翔大、瀧内公美、奥野瑛太
渡辺いっけい、段田安則、菊地凛子、筒井道隆

原作:麻見和史
「邪神の天秤 警視庁公安分析班」(講談社文庫)
「偽神の審判 警視庁公安分析班」(講談社文庫)

公式サイト⇒(外部サイト)

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