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日本酒のアルコール度数は?上手な日本酒の楽しみ方【きき酒師が教える日本酒】

日本酒のアルコール度数は?上手な日本酒の楽しみ方【きき酒師が教える日本酒】

【文・監修者プロフィール】
  • きき酒師の漫才師 「にほんしゅ」<あさやん(左)・北井一彰(右)>

きき酒師の漫才師
にほんしゅ(あさやん・北井一彰)
あさやん(左)
・きき酒師・国際きき酒師
北井一彰(右)
・きき酒師・国際きき酒師・日本酒学講師・焼酎きき酒師
【プロフィール詳細】
コンビ揃って「きき酒師」の資格を取得している世界で唯一の漫才師。
《食卓には呑む日本酒。話題には漫才師にほんしゅ。》を目標に、オンラインも含めて全国各地の日本酒イベントや蔵開きに出演している他、初心者向けの日本酒講座「日本酒ナビゲーター認定講座」を定期的に開催しており、2021年5月現在では800名以上の生徒を誕生させ、きき酒師や日本酒ナビゲーターの資格認定団体、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)から特別功労賞を与えられた。

■HP にほんしゅ公式WEBサイト(外部サイト)
日本酒の話をしていると、よく言われるセリフの一つに「あぁ日本酒ねー、勧められたら飲むし味は好きだけどアルコール度数が高くて、、、次の日仕事だったらやめとくかなぁ」というものがあります。日本酒を愛するものとしては「明日仕事があるからこそ日本酒やろう!こんなに癒してくれるお酒はないんやで!!」といつも心で叫んでいます。

しかし日本酒はビールやチューハイなどに比べてアルコール度数が高いのも事実です。しかし他のお酒と冷静に対比したり、飲み方を心得ると「あれ、日本酒って全然怖くないじゃない!」と理解していただけると思います。今回はその辺りのお話をしますので普段の晩酌に日本酒を取り入れていただけたら幸いです。

日本酒のアルコール度数はどのくらい?

日本酒のアルコール度数はだいたい15度あたりが平均となります。しぼり上がってすぐの原酒の状態なら18〜19度とさらに高くなり、そのまま「原酒」と表記されて商品化されるものもありますが、通常は飲みやすくするためや味のバランスを取るために加水処理をして15度程度でビン詰されます。

11〜13度程度のワインのアルコール度数なら大丈夫だけど、15度の日本酒はアルコール感が強く感じるという方も多いため、近年ではアルコール13度前後の日本酒も増えており、新たな日本酒ファン獲得に貢献しています。「低アルコール日本酒」「低アルコール原酒」などでネット検索していただくとたくさん情報が出てきますよ!

近年人気のスパークリング日本酒は普通の日本酒同様15度程度のものもありますが、比較的アルコール度数は抑えめで一桁台のものも多く、スパークリング日本酒のパイオニアとされる、甘酸っぱくて美味しい一ノ蔵の「すず音」なんかはアルコール度数が5度!ビール並みの度数なのでごくごく飲めますよ!

ここ数年で多くの醸造所が出来ていて、若い造り手がフルーツを仕込みに使用したりするなど自由な発想で造っている「どぶろく」がお酒好きの中で注目を集めているのですが、どぶろくのアルコール度数は5度程度のものから15度程度のものまで様々です。

ちなみに他のアルコールの度数の平均的な数値はというと

○醸造酒
ビール → 5%

ワイン → 11〜13%

○蒸留酒
焼酎 → 25%

泡盛 → 25%〜30%

ウイスキー → 40%

ウォッカ → 40%

ジン → 40%

テキーラ → 40%

といった感じとなり、グイグイと飲みすぎさえしなければ日本酒のアルコール度数がそれほど極端に危ないものではないことが分かっていただけるかと思います。

日本酒の種類

次に日本酒の分類の基本にも少し触れておきましょう。
ここで触れるのは「純米酒」や「大吟醸酒」などの原料や製法で分けられた法律的な分類(特定名称酒)なので、細かな条件については検索していただくとして、日本酒選びの基準になるように、ここではできる限り僕なりの表現でそれぞれの香味の違いがわかるように言葉にしていきます。

■純米酒
米と米麹が原料の日本酒で、「純米」という言葉のイメージ通りしっかりとした旨味を持つものもありますが、香りがほのかにフルーティで非常に軽やかな味わいのものまで多様化しています。

■特別純米酒
純米酒を造る酒蔵さんが当社比として「うちの純米酒の特別版(グレードアップ版)です!」というものが特別純米酒です。通常の純米酒よりお米をさらに削ってから仕込んで味わいを洗練させたり、良い酒米を100%使用したりして贅沢に仕込まれます。

■純米吟釀酒
「純米〇〇」とつく日本酒は純米酒同様に原料は米、米麹です。そしてそこに「吟醸」とつくと精米歩合60%以下(お米の外側を40%以上削る)という条件になります。 雑味の成分になる酒米の外側の部分をしっかり削ることで軽快でなめらかな味わいとなり上品な甘味とフルーティな香りが楽しめるお酒です。

純米大吟醸酒
味わい、価格的に純米吟醸酒のさらに高級版と捉えるとわかりやすいかと思います。精米歩合はなんと50%以下!

■本釀造酒
米と米麹、醸造アルコールが原料の日本酒です。醸造アルコールとは甲類焼酎(レモンサワーや緑茶ハイ、ホッピーのナカなどで使われるスッキリした焼酎)と同様の製法で造られた蒸留酒のことで、大まかにいうと純米酒の仕込みの最後に甲類焼酎が入れられると本醸造酒だということです。その分純米酒よりスッキリと後味のキレのいいものも多いです。

■特別本醸造酒
「本醸造酒」と「特別本醸造酒」の関係は「純米酒」と「特別純米酒」の関係と同じと考えるといいでしょう。そのため特別本醸造酒の方が本醸造酒より価格は少し高めですが、味わいはよりスッキリとキレのいいものが多いと思います。

■吟釀酒
米と米麹、醸造アルコールが原料の日本酒です。精米歩合は60%以下。米と米麹のみで仕込まれる純米吟醸酒と比べると、醸造アルコールが入っている分、香りがよりフルーティで味わいも軽快なものが多いと思います。

大吟釀酒
味わい、価格的に吟醸酒のさらに高級版と捉えるとわかりやすいかと思います。精米歩合は50%以下。ワイングラスなどでフルーティな香りを存分に楽しみたいのが大吟醸酒です。


いかがでしょうか?多様化する現代の日本酒では「純米酒」だけでも様々な味わいがあったりで「純米酒はこんな味!」と言い切るのは非常に困難なのですが、一定の目安になれば幸いです。ちなみにアルコール度数は「純米酒」や「吟醸酒」の違いでそれほど変わるものではありません。

日本酒の飲み方

次に日本酒ならではの魅力、幅広い「飲用温度帯」について触れていきたいと思います。
日本酒の温度帯は大きく分けて、

・温めて飲む「燗酒
・冷やして飲む「冷酒」
・冷やしも温めもしない「冷や酒(常温)」

の3種類です。
■燗酒
「燗酒」は肌寒い秋冬に飲みたくなる方が多いと思いますが、クーラーが効いている部屋で1日中仕事をして身体が冷えたあとなどは夏にも燗酒がおすすめです!香りはふくよかに、飲み口はまろやかに感じられることが多いです。陶器のお猪口なんかで飲むとより味わい深く、まろやかに感じますね!

燗酒に合う料理ですが、「温度を合わせる」ことと「旨味」を意識すると相性のいい料理が浮かんできます。

魚でもお肉でも冷たい料理よりは温かい温度の料理の方が口の中で一体感が生まれて美味しいです!そしてお酒を温めることで旨味やまろやかさが増すので料理も旨味のしっかりしたものを選ぶと良いと思います。

出汁の効いた「おでん」や「寄せ鍋」「豚汁」などは温度と旨味の同調で燗酒にどストライクです!

魚料理ならお刺身よりは甘辛く味付けた煮付けなど。「ぶり大根」などは旨味しっかりの純米酒の燗酒と最高ですね。

洋食なら「サーモンのバターソテー」や「クリームシチュー」「グラタン」。中華なら「フカヒレスープ」や「チンジャオロースー」、肉汁たっぷりの「焼売」などなど。もう書いてる間によだれが止まりません!
■冷酒
「冷酒」はやはり暑い夏におすすめしたくなります!しかし、冬に出てくる「その年の新作」と言える「しぼりたて」の日本酒なんかはフレッシュな味わいなので冬でも冷酒がおすすめです!冷やすと香りが清涼に感じられ、味わいは引き締まって感じます。

冷酒には「さっぱりとした爽やかな味付けの冷たい料理」が合わせやすいでしょう。

山菜のおひたしや、中華のザーサイ、白身魚のカルパッチョなどの前菜が活躍しますね!涼みながらゆるゆると飲みたい夏の夜に、冷奴や冷やしトマト、きゅうり・茄子の浅漬けと冷酒でクールダウンなんて楽しみ方は日本的で最高ですね!
■冷や酒(常温)
「冷や酒(常温)」は季節でいうと春や秋など暑すぎず寒すぎずという気温の季節が美味しく感じられるのではないでしょうか。日本酒は冷やすと香りや味わいが引き締まったり、清涼に感じられますが、そのお酒自体の旨味や甘味をより感じたければ冷や酒(常温)がおすすめです。日本酒の冷や酒(常温)の温度は概ね20〜25℃あたりです。

冷や酒(常温)には「旨味やコクのしっかりした料理」が合わせやすいでしょう。お出汁の効いた料理も良いですね。

焼き鳥のタレや、おでん、ぶり大根などの日本酒の相方とも呼べるような和食も最高ですし、中華だと酢豚や青椒肉絲、油淋鶏などの濃いめの味わいの料理などが良いと思います。

日本酒の上手な楽しみ方

日本酒のアルコール度数や分類や温度帯について触れてきましたが、実際に生活の中で普段から日本酒を楽しむ方法について話していきたいと思います。
日本には四季がありますし、その季節ごとに楽しみ方があるのが日本酒のいいところです!

【季節別日本酒の楽しみ方】
■春
「春」はやはりお花見で日本酒を楽しみたいですね!お花見シーズンに合わせて桜が描かれたピンク色の見た目にも華やかな日本酒が続々リリースされます。そういった日本酒は華やかな香りと綺麗な甘味を持つものが多く、桜を見ながら飲むとより一層美味しく感じるでしょう。

■夏
「夏」は清涼感のある演出があるといいですね!切子のグラスで飲むだけでも冷酒がより一層美味しく感じるでしょう。低アルコール日本酒やシュワっとしたスパークリング日本酒なんかも夏にはぴったりでしょう。また、日本酒をロックで飲むのも夏にはおすすめです。透明や水色の涼やかなボトルで発売される「夏酒」は軽快な酸味を持っていたり後味のキレが良かったりします。夏が来たらぜひ一度試してみてください!

■秋
「秋」は脂の乗った食材や旨味の濃い料理が恋しい季節ですね。日本酒の純米酒、特に味わいの幅があると言われる「生もと仕込み」や「山廃仕込み」などの製法で仕込まれたものを常温や燗酒で飲むと秋の味覚とも非常によく合うと思います。春に出来上がった日本酒を半年ほど寝かせて秋に出荷される「ひやおろし」や「秋あがり」などと呼ばれる商品はまろやかさやコクが増しており、秋刀魚、きのこなど秋に旬を迎える食材とぴったりです!

■冬
「冬」は日本酒の新シーズン到来を告げてくれます。「新酒」や「しぼりたて」とラベルに書かれた日本酒はワインのヌーヴォー同様フレッシュで躍動感のある味わいが楽しめます!寒い冬ですが「しぼりたて」は冷酒で飲むのが基本的にはオススメです。「冬はじっくりちびちびと日本酒が飲みたいなぁ」という方には熟成酒もいいですね。ここ数年で熟成酒をリリースされる酒蔵さんも増えており選択肢が広がっています。しっかりした旨味・凝縮感が楽しめる熟成酒には牡蠣の土手鍋やいぶりがっこ、熟成チーズなどが好相性ですよ!
<豆知識>日本酒は悪酔いするのか?
「日本酒を飲むと悪酔いする!」という俗説がありますが、これは間違いです。
どのアルコールでも許容量を超える飲み方をすれば悪い酔い方をします。飲酒時の悪酔いを防ぐ簡単なコツは「和らぎ水」と「序盤の油物」です。

・和らぎ水
日本酒を飲むときに飲むチェイサーを「和らぎ水」と言います。日本酒と同量以上の水を飲むといいとされますが、食事を楽しんでいるときに日本酒を飲むたびに慌てて水を流し込む必要はありません。それではせっかくの日本酒とお料理の口中での幸せな余韻まで流してしまいます。おつまみのメニューが変わるタイミングやお酒が変わるタイミングなど、飲み会の流れの切れ目のようなタイミングで僕はリフレッシュがてら和らぎ水を飲むようにしています。帰り道にポカリスエットなどを飲むのも効果的ですよ!

・序盤の油物
「序盤の油物」ですが、唐揚げやポテトサラダなどの油が使われている料理を序盤に食べるとアルコールの急激な吸収を防いでくれるのでゆっくりと酔いを楽しむことができますよ!こうした点にも気をつけて日本酒ライフをより楽しみましょう!

日本酒に合うおつまみ

最後にきき酒師の漫才師「にほんしゅ」の北井、あさやんそれぞれが日本酒に合うと思うおつまみを紹介させていただきます!

にほんしゅ・北井が選ぶ 日本酒に合う料理・おつまみ5選

1.戻り鰹
日本酒はやはりお刺身が欲しくなりますが、脂をたっぷり蓄えた秋が旬の戻り鰹と、秋が旬の日本酒「ひやおろし」「秋あがり」はまろやかさやコク深さが相性抜群です。

2.馬刺し
たまの贅沢で食べる馬刺しも日本酒と相性抜群です。脂が多い部位もいいですが、個人的に好きなのはねっとりとしたモモなどの赤身。旨味・甘味が濃いめの純米酒の常温や燗酒などと合わせたいですね。

3.明石焼き
明石焼きも日本酒によく合うと思います。日本酒はお出汁に合うお酒です。明石焼きのほどよい油、タコの旨味、お出汁の旨味、日本酒が持つ味わいと接点だらけなんです。熱々のお出汁と純米酒の燗酒なんかは最高の組み合わせですね。

4.チーズアーモンド(三幸製菓)
大人も子供も大好きなおなじみのお菓子ですが、しょうゆ味のおかき、チーズ、アーモンドが折り重なるこの味わいは塩味があるものやチーズと相性がいい日本酒と相性が素晴らしいです!この組み合わせは侮れません。

5.シャインマスカット
フルーティな香りで甘味が心地よい日本酒も現代にはたくさんあります。そのフルーティさと甘味の要素を考えると果物との相性もいいんです!シャインマスカットとシャインマスカットの一大産地である山梨の「青煌」「七賢」などはとてもよく合います。

にほんしゅ・あさやんが選ぶ 日本酒に合う料理・おつまみ5選

1.パクチーとミントの豚しゃぶサラダ(ナンプラーレモンドレッシング)
ハーブを使ったサラダは日本酒によく合います。「しぼりたて」や「あらばしり」などのフレッシュでジューシーな純米吟醸酒を合わせたいですね!
■おすすめの日本酒 例:「白龍 純米吟醸」(しぼりたてがあればベスト)

2.油揚げのしそ茗荷チーズ焼き
油揚げは手軽につまめて日本酒と相性がいいですね。コクのある旨味と余韻が広がる生もと系のお酒をぬる燗で合わせたいです!
■おすすめの日本酒 例:「百歳 山廃純米吟醸」

3.うまい棒(たこ焼味)
甘辛いソース味のお菓子は日本酒と相性がいいです。原酒でアルコール度数が高く、アルコールのキレを感じる酒質がしっかりした日本酒と合わせたいですね!
■おすすめの日本酒 例:「沢の鶴100人のきき酒師 純米生原酒」

4.ゆで卵
特に味わいや香りの特徴を選ばず、ゆで卵はオールジャンルの日本酒に合います。

5.四川麻婆豆腐
香辛料をたっぷり使った濃厚な味わいの四川麻婆豆腐は、複雑な旨味と酸味が練られたような深みのある熟成酒と相性がいいですよ!個人的には3年以上熟成された古酒がオススメ。
■おすすめの日本酒 例:達磨正宗 十年古酒

まとめ

いかがでしたでしょうか?アルコール度数や季節季節ごとの楽しみ方、にほんしゅのオススメおつまみなど色んな角度から日本酒ライフをより楽しめるように書かせていただきました!

日本酒は一見難しいようですが、相性の良い食べ物や季節ごとの楽しみ方などを少し知るだけでとことん楽しいお酒で一生の趣味にも嗜みにもなる素晴らしいお酒!より楽しい日本酒ライフを送ってください。今夜も日本酒で乾杯!
(文/にほんしゅ 北井一彰)
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