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宮沢りえ×寺島しのぶ、お互いに「ワクワクした」初共演 「次回は仲の良い役で」
2夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子『女系家族』
大阪・船場で四代続く“女系筋”の老舗木綿問屋『矢島商店』の当主・矢島嘉蔵(役所広司)が亡くなったことから始まった、矢島家の莫大な遺産をめぐる、総領娘・藤代を筆頭とした三姉妹の醜くもし烈な争い。そこに突然、嘉蔵の愛人の存在が明らかになり、遺産相続争いは思いもよらぬ展開を見せていく。
キャラクター紹介動画
劇中の二人の姿には迫真性があり、観る者はその演技に見惚れ、影響を受けてしまう。いざ、二人を目の前にして、しどろもどろになってしまった記者に、宮沢は「寺島さんとご一緒するシーンは緊迫した場面が多かったですが、それは芝居だからね」と言って、寺島と顔を見合わせて笑った。
宮沢本番の中だけに生まれるものがあって、特に藤代と文乃の張り詰めたシーンというのは寺島さんと2人で高め合うことができた、と感じることができたので、本当に楽しかったです。すごく濃厚な時間でした。
寺島宮沢さんとは初共演だったのですが、この作品のこの役柄でご一緒できてうれしかったです。お互いにいいお芝居を引き出し合えたら、と思ってやっていたので、本当に楽しかったです。
宮沢次回は仲の良い役で共演したいですね(笑)
寺島そうですね(笑)。
――お二人は初共演ですが、出演の決め手になったことは?
寺島もちろん作品作りは皆さんに見ていただくためのものではあるのですが、今の視聴者の方が何を求めているのか、正直なところ私はわかっていないので、いろんなドラマがあっていいんじゃないかな、と思うんです。この『女系家族』は、最近、減ってきてしまっている重厚感のあるドラマになっていると思います。私自身がこれはぜひやってみたい、と思えた。久々にそういう作品に出会えた喜びも大きかったです。
山崎豊子さんの小説はこれまでにもいろいろな方の手によって映像化されてきましたが、原作が素晴らしいので、どれも素敵なものとなって世に出ていましたよね。私にとっては初の山崎豊子作品となりますし、鶴橋康夫監督が脚本も手がけられて作る『女系家族』がどんなものになるのか、すごく楽しみで。もうワクワクしました。
宮沢私もワクワクしかなかったですね。山崎豊子さんの小説には、時代を超越して、問いかけるメッセージがあるな、というのを感じましたし、鶴橋監督のフィルターを通して書かれた今回の脚本のとてつもない面白さは、演じる側の意欲を掻き立てるものでした。鶴橋監督は、私が10代のときから憧れの存在で、衝撃を受けた作品がいっぱいありますし、今も作り続けているスーパーレジェンドでいらっしゃいます。監督と一緒に仕事ができることもすごく楽しみでしたし、寺島さんとご一緒できることも含めて、きっと面白いドラマになる、そう思える要素がいくつも重なっている作品だと思いました。
寺島腰を据えて見たいと思ってもらえるような、いい作品を作ろうという思いで、みんなで力を尽くしたということははっきり言えますね。
宮沢さっき、ドロドロ劇とおっしゃっていましたけど、『女系家族』の登場人物たちのドラマを“ドロドロ”でまとめたくない、という気持ちが私にはあります。
寺島文乃さんにとっては純愛。愛する人の子どもを守りたいという気持ちもあったでしょうし。
宮沢物語の中ではそれほど多くは描かれない“文乃と嘉蔵さんとの関係性”まで想像を広げていただけるように、嘉蔵さんとの心のつながり、その愛に満たされている人間だということを忘れないようにしながら演じていました。
宮沢目が離せない展開が続くと思いますので、皆さんも最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。
第一夜あらすじ
“出戻り”でもある長女で総領娘の矢島藤代(寺島しのぶ)、婿を迎え、矢島家を継ぐ気でいた次女の千寿(水川あさみ)、やや世間知らずなため、叔母である芳子(渡辺えり)の後ろ盾を得ている三女の雛子(山本美月)らが見守る中、明かされた遺言状の中身――それは矢島家の女たちの誰も想像すらしていない内容だった。
なんとそこには嘉蔵の愛人である浜田文乃(宮沢りえ)の名が。そして愛人である文乃にも遺産を分配するように、と記されていたのだ!
もちろんそんな遺言に納得するはずもない藤代ら矢島家の女たち。さらには文乃が嘉蔵の子を身ごもっていることまで明らかに…。藤代が懇意にする日本舞踊の師匠・梅村芳三郎(伊藤英明)、千寿の婿・良吉(長谷川朝晴)、そして大番頭の宇市といった、姉妹を取り巻く男たちも巻き込み、遺産相続だけではない、人間の欲望と嫉妬にまみれた激しい戦いが繰り広げられていく…。