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たばこはすべてが“悪”なのか? 喫煙所の減少がもたらす弊害とデバイス&スペースの進化で目指す“共存”

  • さまざまな加熱式たばこのデバイス

    さまざまな加熱式たばこのデバイス

 昨年4月から施行された改正健康増進法に加え、 コロナ禍における3密回避もあいまって、施設の屋内で吸える場所が減り、 喫茶店や居酒屋も禁煙とされるところが多くなった。喫煙所の減少に伴い、特に屋外では利用者が喫煙スペースから溢れ出ているなどの問題も生まれている。一方を切り捨てた結果が、新たな問題を生んでいると言えるだろう。そんな中、喫煙者・非喫煙者の共存の道を探る動きも出ている。低温加熱式たばこなどのデバイス、高機能システムを活用した喫煙スペースの進化だ。それらが目指す、共存の道とは?

加熱式たばこのシェアが全体の3割まで拡大も…“嫌われ者”であることに変わりなく

 日本で、喫煙マナー向上やたばこのにおいへの抵抗意識が大きく高まったのは、東京都千代田区の『安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例』が出された 2002年 ころからと言われている。いわゆる“路上喫煙禁止”をうたった条例だ(当時は歩きたばこの“火”が危険だからという理由の方が大きかった)。他の区や全国の自治体もそれにならい、続々と屋外における喫煙規制に関する 条例を制定。昨年4月の改正健康増進法へとつながることとなる。

 そんな流れを受けて、たばこ業界にも新たな潮流が生まれた。それが、加熱式たばこの登場だ。2016年には、加熱式たばこ『アイコス』が発売。その後、『グロー』や『プルーム・テック』などが続いた。その当時、たばこ全体の中での加熱式のシェアは3%だったものの、2017年末には約20%に増加。さらに2020年〜現在では、25〜27%の喫煙者が加熱式たばこを愛用しているというデータがある。新型コロナウイルスによる“巣ごもり特需”の影響もあるかもしれないが、大きくシェアを伸ばしていることはたしかだ。

 このように加熱式たばこが存在感を増している理由 は、健康懸念物質が少なく、火が出ない安全性、紙巻たばこと比べて副流煙 がなく、においが少ないことにある。ただ、非喫煙者にとっては、紙巻たばこも加熱式たばこも同じで、嫌悪感を抱かれる存在であることに変わりはない。加熱式たばこが、周囲に対してまったく害を及ぼさない、とは言いきれないからだ。そのような状況下で、加熱式たばこも日本ならではの独自の進化を遂げているようだ。

健康懸念物質を低減、“他者への配慮”を重んじる日本ならではの進化も

コーヒーを飲みながら喫煙できる、『ザ スモーキストコーヒー』(写真は東新宿店)

コーヒーを飲みながら喫煙できる、『ザ スモーキストコーヒー』(写真は東新宿店)

 加熱式たばこには、高温加熱式(『アイコス』、『グロー』、『プルーム・エス』など)と低温加熱式(『プルーム・テック・プラス』など)の2種類がある。高温加熱式は、たばこのスティックを加熱して吸う形。低温加熱式たばこは、加熱したリキッドの蒸気をたばこ葉の詰まったカプセルに通過させる構造だ。

 JTによると、紙巻たばこはたばこ葉や巻紙を“燃焼”させることで健康懸念物質を含んだ副流煙や強いにおいを発生させるのに対し、高温加熱式たばこは“加熱”という方法をとるため、それらの軽減が見られると言う。 さらに低温加熱式たばこはそれが顕著で、「グリセリンや水などを含んだリキッドを加熱し、たばこ葉を直接加熱しないため、葉を燃焼させる紙巻たばこ、直接加熱する高温加熱式たばこよりも、健康懸念物質や強いにおいはより低減している」 (JT)とのこと。

 「 たばこのにおいが少ない低温加熱式たばこは、例えば自宅で吸っても気にならないというたくさんのお声を頂戴します。日本ではとくに他者への配慮を重んじるため、周囲にどんな影響を及ぼすか、とても気にする喫煙者が多い。副流煙やにおいはもちろん、周囲の目が気になる方も多いようです。最近発売した『プルーム・テック・プラス・ウィズ』は販売初日にオンラインストアで完売するなどお客様から多くの関心をいただきました。コンパクト、見た目もたばこに見えないのが気に入ったとの声もいただいています。それだけ、周りへの影響や人目を気にする方が多いということかもしれません」(同)

 他者への配慮という点では、非常に有効に見える低温加熱式たばこ。だが、紙巻たばこユーザーにしてみると、若干物足りない部分もあるようだ。

 「紙巻たばこの代用品としては味が弱い、というお声もいただきます。紙巻たばこが豆から挽いたコーヒー、高温加熱式が缶コーヒー、低温加熱式がクラフトコーヒー…といった印象を持たれる方もいるようです。とはいえ吸う場所、環境も限られている現在、TPOやそれぞれの機能、味の特徴に応じて使い分けている方が多いようです」(同)。

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