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平和を歌うアーティスト・AI 「私にできるのは音楽を通してメッセージを届けること」

 2000年のデビュー以来、その歌声でジャンルや国境をボーダレスに飛び越え、人々に笑顔と感動を届けてきたアーティスト、AI。今年20周年を迎えた彼女が、自身の音楽で届けたい“メッセージ”を込めた新曲「Not So Different」を発表した。数々のトップアーティストをプロデュースしてきた世界的プロデューサー、スコット・ストーチとともに制作したこの楽曲は、『One Young World Japan』のテーマソングにもなり、音楽を通して、人々へ”We’re not so different (私たちはそんなに違わない)”を届ける。そんな世界的な活動を続けるAIに今の思いをインタビューした。

コロナで身近な人を亡くし…「後悔しないように生きたい思いを強めた」

  • 「Not So Different」CDジャケット

    「Not So Different」CDジャケット

――「Not So Different」のパフォーマンスが公開されると、“メッセージ性が溢れる歌詞”と話題になりました。AIさんがこの曲の歌詞に込めたメッセージとは?

【AI】最後の“人と人”という歌詞がこの曲で一番伝えたかったメッセージとなっています。コロナでいろんな人が落ち込んだり、亡くなったり……毎日のようにいろんな嫌なニュースが飛び込んできますよね。生きづらい世の中ではありますけど、そういうときこそもっと私たちが“人と人”として向き合っていくことが大事なんじゃないかって思ったんです。

――AIさんらしいメッセージですね。

【AI】相手を知らないから恐れ合って、いがみ合ってしまうけど、そういうのをやめてお互いを認めあったら、みんなが笑顔になれると思うんです。人種や言語が違っても、私たちはそんなに違いはないんだよ、結局、人はみんな同じ人なんだから、絶対わかりあえるよね、仲良くできるはずだってことを、みんなにもう一度気付いてほしくて。協力し合える世の中にしていきたいという思いを込めて、この歌詞を書きました。

――「Not So Different」(それほど違わない)というタイトルが象徴するように、世界中にはさまざまな方がいますが、現在のコロナ禍で、世界中の人々が“同じ脅威”におびえています。現状の中で歌うことは、普段とはまた少し違った気持ちもあったりするのでしょうか?

【AI】コロナの影響でツアーが全部なくなってしまったり、思うように人と会えなかったりしますが、逆に人と普通に会えることや、元気でいられることに、改めて感謝を感じることができています。実は私の親族にも、新型コロナウイルスで亡くなってしまった方がいるんです。ナースをしている方で、最後に会うことすらできなかったんです。

――そうだったんですね。

【AI】だからこそ、より今を後悔しないように生きたいと思いました。私にできるのは音楽を通してメッセージを届けることだから、これまで以上に強い意志を持って、自分の想いを世界中の人たちに発信していきたいなと思いました。

――英語と日本語が共存しているのもAIさんらしい表現ですが、これまでよりも直接的な表現が多い気がします。 

【AI】そうですね。いつもはあんまり人種、国、宗教などのこととか、「中指の代わりにピースを」みたいな表現はしないですね。でも、直接的な表現はなくても、こういった思いは常に頭のどこかにあったんです。今回はそういった部分もわかりやすく表現したかったので、誰もがすぐにわかるように直接的な言葉で表現しました。

世界的プロデューサーにオファー「彼のピアノを聞いて、心が魔法のように解きほぐされた」

――世界レベルのトップアーティストをプロデュースしてきたHIPHOP界の大物プロデューサー、スコット・ストーチ氏と制作されたとのことですが、どのような経緯だったのでしょうか?

【AI】ドクター・ドレー、アリアナ・グランデ、メアリー・J.ブライジなど、名だたるHIPHOP、R&Bアーティストの作品を作っていて、彼の存在を知る前から、彼の音楽をずっと聴いていました。スコットさんならではの、ピアノのチャチャチャチャっていう跳ねた西海岸の音がカッコよくて好きだったし、私自身、生まれもLAだし(笑)。ぜひ一緒に曲を作ってみたいと思い、私の方からオファーをしたんです。

――スコット・ストーチ氏との制作の中で、刺激になったことや、素敵なエピソードなどあれば教えてください。

【AI】彼のお家にお邪魔したら、映画の「ゴットファザー」を思い出すような、すごいお屋敷で。玄関にピットブルが2匹にいて、部屋の奥にサングラスをかけたスコットさんがいたんですけど、最初は全然話さなくて、「もしかしてやばいところにきたかも」って一瞬不安になったりもしたんですけど(笑)。いざ彼がピアノを弾き出した瞬間、心がぶわーっと魔法のように解きほぐされていったんです。

――音楽の力、すごいですね。

【AI】彼に「どういうのがいい?」と聞かれて、東京五輪もあるし、世界中の人が日本に来たときに、素晴らしい国だったと思ってもらえるような、パワーのある感じがいいと言ったら、いろいろ弾いてくれて。奏でられる音すべてに、彼の命が吹き込まれていく感じがして刺激的で、ずっと子どものようにワクワクしていました。

“平和”は、子どもの名前にも込めた、AIの強い思い

――平和やhappyを歌い続けているAIさんですが、このテーマで歌うようになった理由を改めて教えてください。

【AI】小さいころから人が好きでしたし、ずっとチャリティーに携わってきていたというのもありますが、2011年に起きた東日本大震災が大きなきっかけでした。その年に「ハピネス」という曲を作ったんですけど、たくさんの方の想いを歌詞に込める中で、平和をいろんな角度から考えるようになりましたね。また、そのあとに生まれた子どものも大きかったです。 娘の名前が“平和(へいわ)”なぐらいですから(笑)。

――どんな思いを込めて“平和”と名付けられたんですか?

【AI】これから成長して、いろんな人とかかわっていく中で、誰かが彼女を「平和」と呼ぶたびに、平和の大切さに気づくかもしれないと思ったんです。2人目は「博愛」と書いて「はくあ」と読むんですけど、周りのみんなが幸せで愛に満ちればいいなと思って。それが私の幸せにもつながりますしね。
――この度、次世代リーダー達のための世界最大級のグローバル・フォーラム『One Young World Tokyo 2022』オフィシャルアーティストに選ばれましたね。まさにそんなAIさんの想い、これまでの歌手活動を通して選ばれたのだと思いますが、就任されたときにはどのようなお気持ちでしたか?

【AI】たくさんの国に、たくさんの人がいて、それぞれがいろいろな問題を抱えていたりすると思うんです。でもきっと、“平和な世界にしたい”という思いは共通。そんな共通の思いを持っている世界の次世代リーダーたちが集まって、思いを話し合っていく……『One Young World』の活動内容を知って、自分もその中に加わりたいと思ったんです。今回テーマソングとして参加させていただくことができて、すごくありがたいなと思いましたし、関わっている人たちの想いを共有できただけで、この曲を作ってよかったなと思いました。

――『One Young World Tokyo 2022』の活動の中で歌う意義をどう感じていますか?

【AI】人はひとりでは生きられないので、お互いに助け合うことが必要だと思うんです。だからこそ、こういった仕事が増えている気がしますし、私に歌わせていただける環境にも感謝しています。せっかくこういった場所で歌えるんだし、これかも素直にシンプルに、ストレートに伝えていきたいですね。

取材・文/星野彩乃

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「Not So Different」
配信はコチラ:https://lnk.to/AINSD
<AI Information>
https://lnk.to/AI_Link

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https://sp.universal-music.co.jp/ai/iamvol1/
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