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前田美波里、“自立した女性像”はイメージ先行「ギャップを埋めるのに何十年もかかった」

 1966年、高校生にして資生堂広告に起用された前田美波里(71)。ポスターは街から持ち去られるほどの反響を呼び、一躍ブレイクのきっかけとなった。その後、人気絶頂の際に一度は芸能界を離れて渡米するも、再び復帰。デビュー56年目を迎える今も、女優として活躍し続けている。時代に先立って“自立した女性像”を確立してきた存在に感じるが、当時はそのイメージとのギャップも感じていたという。どのようにして自分らしい生き方を見つけたのか、前田に聞いた。

ポスターが持ち去られるほどの反響も「突然人生が変わってしまった葛藤があった」

 今回、年齢を超えた美しさを持つ存在として、1日よりスタートした「SHISEIDO」グローバルキャンペーン『超えていこう。明日はもっと美しい。』のアンバサダーに就任。ロシアのフィギュアスケーター・ザギトワ選手らとともに、「#Beauty is Boundless 美に境界線はない」ことを体現する存在として、メッセージを世界に発信していく。
――1966年の資生堂のポスターで、突如注目を浴びるきっかけとなりましたよね。

前田美波里高校生時代、東宝劇団員だった私の写真が東宝のカレンダーの表紙に起用されたことがきっかけでお声がけいただきました。撮影の際には「100枚撮るから全部違う顔して」と言われて、「えぇ〜100枚?!」と愕然としてしまって。だんだん疲れて気に入らなくなってしまい、怒った顔になってしまう今度はそれが良いと言われて(笑)。初めての撮影だったので、何が良いのか、何を要求されているのか訳が分からなくなり、色んな顔をしたのを覚えています。

――当時、ポスターが街から持ち去られるほど人気だったそうですね。

前田美波里それは私自身もびっくりしました。外に出たら近くの学生さんたちがずらーっとついてくるんです。一夜にして、シンデレラのように突然自分の人生が変わってしまったようでした。

――以前、”芸もないのに名ばかり売れてしまった”という表現をされていましたが、外見ばかり注目されることにネガティブな気持ちもあったのでしょうか?

前田美波里本当はステージに立ってコツコツと自分を磨いて役者になろうとしていたのに、一気に名前ばかりが先行してしまい、そのギャップを埋めるのには何十年もかかりました。また、そのあと水着の撮影のお仕事ばかり頂いていたので、抵抗もありました。照れくさいし、乙女心に傷がついたというか。もう少し普通の格好で撮ってもらえないでしょうか…という葛藤がありました。

42年ぶりに資生堂CMに再び登場「今度は胸を張って、最高の笑顔を出すことが出来た」

――その後、日本の芸能界を一度離れアメリカへ渡ったわけですが、どういった経緯だったのでしょうか?

前田美波里芸能界に入って色々な声を耳にするようになり、傷つくことに疲れてしまって、「早く結婚して家庭に入ろう」と思うようになり、結婚して、新婚旅行を兼ねて夫婦でアメリカでの生活を始めました。

――その後再び日本に戻り、舞台女優として40年に渡って舞台に立ち続けられていますが、復帰後は立ち止まったり迷ったりすることはなかったのでしょうか。

前田美波里ないですね。むしろ、今回のコロナ禍で舞台に立てなくて、こんなに苦しいことはなかったです。無くなって初めてそれをすごく強く感じますよね。毎日やり続けるという事はかえって楽なことであって、また立てるのだろうか、同じようにセリフを言ってきちっとやり遂げられるんだろうかという不安だらけで眠れませんでした。ステージ上に立って、観客の前で1人の女性像を演じきること自体が自分の生き様で、生きている意味でもある。それほど舞台が好きなんですよね。
――2008年には再度、資生堂のCMに抜擢されたことで話題になりましたが、初めてポスターに起用された42年前と比べ、心境に違いはありましたか?

前田美波里全く違いました。役者として自分自身の力で道を歩んできて、ここでまた声をかけていただけたというのはとても幸せでしたし、胸を張って自分の最高の笑顔を出すことが出来ました。今まできちっと生きてきたという自信からだったのでしょうか。自分がコツコツとずっと磨いてきた人生を撮って頂けるという安心感があったんです。最初のポスターは恥ずかしいなという思いもあって。でも、今思えばもうこんなに素晴らしいポスターは中々撮ってもらえないですし、芸能人としての最高のスタートを切らせていただけて、こんなにラッキーな人間はいないですよね。60歳になる頃には恩返しがしたいと思っていて。資生堂さんのために何かできればと思いながら引き受けたという気持ちです。

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