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田舎の無人駅に突如「現代アート」が出現の理由、コロナ禍でも諦めない想い

「人々の心を豊かにする」、今こそ感じたいアートの持つパワー

 これまで「田んぼアート」に「スノーアート」、石で絵を描く「ストーンアート」など、数々のアート企画を手掛けてきた弘南鉄道。地元住民との交流や地域活性化にアートを積極的に活用している。

「10年ほど前から、地元の弘前大学の学生や沿線高校の生徒で、とくに美術やデザイン専攻の方から、電車を使って、『こういうことをしたい』『こんなことしてみたい』という企画をいただいていています。予算での協力はなかなかできませんが、車両や人的な協力を行ってきました」(弘南鉄道/中田正志さん)

 たとえば大反響だった「ごろごろ列車」。弘前大学の学生からの提案で、夜の電車内の室内灯を全て消して、キャンドルの灯りの中でアコースティックライブの演奏を聴きながら、床に敷いたマットにゴロゴロするイベント列車だ。

 ほかにも、地元・大鰐に伝わる和紙で作った“らんたん”を社内に数百個吊るし、終点駅までその灯りの中で過ごす「おおわにらんたん列車」(第1回はGOMA氏による企画で実現)。弘前大学の学生が主体となり、中央弘前駅の空き室を利用してギャラリーを開設、写真展などを行っている「ギャラリーまんなか」など実施した。

 どの企画も大盛況で、地元住民のアートへの関心の高さがうかがえる。

「皆様、田舎のイメージをお持ちだと思いますが、私は、この地に、幼稚園児や小学生が日頃から何気なく本物の作品やそれぞれのアーティストの感性に触れられるような世界を作りたいと思っているんです。さらに、地元の人がたくさんの美術作品やデザインに触れて、多様性のある感性を磨くとともに、その感性を地元から発信するお手伝いもできればと考えています」(弘南鉄道/中田正志さん)
 
 今後、実現したい企画については、「利用者が利用者目線でやりたいことをやるのが一番」と中田さん。

「会社が考えると、利益を考えてしまうのでタブーだと思いますから…。新しいアイデアが、感動を生みますからね」

 9年前、東日本大震災の復興支援において、多くの文化芸術関係者や企業がアートを活用した支援活動に取り組んだ。その結果、多くの感動を呼び起こし、文化芸術が地域復興や人々の心のケアに果たす役割の大きさを証明したことは記憶に新しい。ウイズコロナ時代に突入し、長い闘いが予想される今、人々に、安らぎ、希望、感動を与え、笑顔をもたらすアートのパワーは、ますます重要となることだろう。
(文/河上いつ子)

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