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又吉直樹とのんがコラボ、自伝的エッセイ『東京百景』朗読動画を公開
『東京百景』は、芸人を目指し19歳で上京した又吉の不安と憂鬱に満ちた青春の日々を描いた自伝的エッセイ集。芥川賞受賞以前の2013年に発表され、7年の月日を経てついに文庫化されるに至った。100篇の物語によって構成された本書には、2020年公開予定の映画『劇場』や、大ヒット作『火花』の“原作”ともいうべき物語を収録。いまやベストセラー作家となった又吉にとっても、原点と言える作品だ。
また、発売に先んじて公開されたコラボ動画では、又吉とのんが、本書収録の『池尻大橋の小さな部屋』を朗読。のん自身、この章には思い入れも強いようで、その中の「その人はそこで逃げるべきだったのかもしれない」という言葉が好きだとか。「読み終わった時に、妙に言葉が残って切なかったです。二人(又吉とその恋人)は出会うべくして出会って、二人の時間はお互いになくてはならないものだったんだと思えるのに。又吉さん本人の悔しさを感じられる気がして、強い言葉でした」。
又吉とのんが朗読を行ったのは、今回が初。のんは、「とても不思議な空気が流れていました。意外な組み合わせだなと思う方、どうなっているのかなと気になる方、是非その興味のままに見てほしいなと思います」と語る。動画はYouTubeにて8日から公開中。
文庫版『東京百景』は、4月10日にKADOKAWAより発売。“百一景”とも言うべき書下ろし最新作『代田富士見橋の夕焼け』では、相方・綾部祐二とのエピソード、NYで奮闘する彼への思いも綴られている。新型コロナウイルスの影響で不安が募る昨今、又吉同様に上京した人、痛みや不安を抱える人の癒しの一冊となりそうだ。