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青山テルマ『そばにいるね』ヒット後は「人間が嫌いになった」個性派キャラ解放できた理由
「ゴリラ」「外国帰れ」幼少期からのいじめ、支え・逃げ道になったのが歌だった
そんな彼女になぜいじめが起きると思うか尋ねると、「違和感を抱く時じゃないですかね」という答えが返ってきた。その人が普通だと思っていることに対して、見たことがないものや違和感のあるものが飛び込んできた時に、どう対応していいか分からなくて、それがいじめになってしまうのだという。続けて、「でも、それが一生続くわけではないし、人と違うことは大人になってすごく武器になると思うんです。だから“みんなとちょっと違うんだ。ラッキー!”ぐらいのテンションがいいかなって」と、幼少期にコンプレックスだった自分のルーツや見た目も、見事にアーティストとして“武器”に変えた彼女らしい考えを話してくれた。
では自分をいじめていた人たちに対し今何を思うかと聞くと、「何にも思わない」とのこと。「別に恨んでもいないし、謝ってほしいとかも全く思っていないし…。きっと、そのことによってお互い成長したし、『私の方が彼らより倍成長して強くなれた』ぐらいの感覚です」そう語る彼女から、華奢な体の内に秘める鍛えられた“強さ”が垣間見えた。
ヒット後の孤独とイメージとの葛藤「学校のトイレで1人おにぎりを食べていた」
しかし、当時住んでいたのは築100年のボロアパート、通っていた大学では毎日盗撮されるようになり、それを避けるためにトイレでおにぎりを食べる日々だった。華々しいステージとは裏腹、私生活は孤独だったという。さらに猛烈なインパクトとともに植え付けられた世間からのイメージにも悩まされた。
「『そばにいるね』がバラードなので、ちょっとおしとやかで大人っぽいイメージが先行して強かったと思うんです。でも、基本的に私はすごくポジティブで明るい性格だし、笑うことが好きなタイプなので、そのギャップは大きかったかもしれないです」と、イメージを壊しちゃいけない、というプレッシャーとも常に隣り合わせだった当時を振り返る。
元々踊ることが好きで、アップテンポの曲もシングルで歌いたいという気持ちがあったというが、それを口に出すことはなかった。「まだ20歳で業界のことをあまり知らないですし、自分の意見に自信もなかったし、周りの大人に頼ることが自分の中で正解だと思っていました。ずっと背伸びしている感覚はありました」