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ORICON NEWS
年間1億円を売り上げる美容師・MAYUMI 60歳を目前にしても日本一の理由とは?
高い売り上げを出せるのは大人の女性をカットできるから「老いに合わせたプロデュースが私の強み」
【MAYUMI】職業は、ヘアデザイナー・美容師です。今年で60歳になります。岐阜県岐阜市で生まれ、ロンドンでヴィダルサスーンのカットを学び、20歳で美容師になり、28歳の時に名古屋でサロンを開きました。そこから30年数年、経営者として、美容師として、ヘアデザイナーとして第一線を走ってきたつもりです。25年前からは表参道と名古屋の2つを拠点としています。
――シザーズリーグの“カリスマ美容師”も男性が多かったですし、女性オーナーも当時は珍しかったのではないでしょうか?
【MAYUMI】そうですね。でも他の美容室とはカットに対する考え方が合わず、理想のカットを追求し続けるためには、自分でやるしかなかったんです。ロンドンでカットの勉強しているときに、白人の頭蓋骨と日本人の頭蓋骨では形やバランスが違うことに気づいて、日本人の頭蓋骨を白人のバランスに近づけるカット理論を研究したんです。
【MAYUMI】私が調べたわけじゃないのですが、美容専門雑誌の方がそうおっしゃってくれていますね。10年連続個人売り上げは1億円を達成しています。経営するサロン『ミスエッセンス』はアンチエイジングの“トータルビューティサロン”なので、大人の女性のお客様が多いですね。
――それだけ支持されている理由を教えてください。
【MAYUMI】美容師さんはみんな、若い女性を切るのは得意なんです。ヘアカタログを見てもらえばわかると思うんですけど、魅力的な髪形がたくさん並んでいるでしょう? ピチピチの肌に合わせて、ボリュームがあってツヤツヤの髪を切るのはとても上手。でも、人間には老いがやってきますよね。若い時と同じ髪型が変わらずずっと似合う方の方が少数派なんです。私はその“老い”に合わせて髪や美をプロデュースすることに特化してやっていますが、きっとそういう美容師は多くないんですよね。老いていくおばさんの気持ちは、おばさんにしか分からないんじゃないかなって思うし、実際分かっているからこそ、支持していただけてるのかなって思います。
カット料金は相場よりも高い“2万円”「近い将来10万円にしたい」
【MAYUMI】将来的には10万円を目指していきたいと思っています。日本の美容価値をアメリカ市場くらいまで引き上げていきたいからこそ、努力していきたいですね。『髪は女の命』なんて言葉もあるように、髪は人の印象を大いに左右し、美醜に大きくかかわってきます。そんな体の一部を切り刻むんですから、美容師自身の重みもそれくらいの金額をいただいた方が適切ではないかと考えています。大人の女性だからこの価格でも来店できるというのもあるとは思いますが、大人がターゲットだから料金を高くしているわけではありません。
――なるほど。
【MAYUMI】それと、やはりカット料金2万円とか、年間個人売り上げ1億円というとインパクトはあるかもしれませんが、最新の機器や最良の材料を使用し、研究し、オリジナルのシャンプーやトリートメント、エイジングケアの独自のメニューやを作り続けているので、出ていくお金も多いんですよ(笑)。職業訓練校を建てるなど、社会教育への投資も行っています。
――『MAYUMI CUT』とはどのようなものでしょうか?
【MAYUMI】さきほどお話した“白人の頭蓋骨のバランスに近づける”というのが主です。また、髪と肌には年齢が出やすいとは思いませんか?『MAYUMI CUT』は髪をそがずに切るので、髪1本1本が毛先まできちんと太さを保ったままなんです。だから髪を毛先まで艶やかに保てます。髪をきれいに保つことは、若さを手に入れる努力をするのと同じことだと思っています。また、『MAYUMI CUT』はとても再現性が高いので、乾かすだけで外に出られるようなスタイリングができるんです。
【MAYUMI】私は、オシャレが大好きなんです。父が、幼少期から帽子から靴、カバンに至るまでコーディネートしてくれたのがきっかけで。死ぬときはどんな賛辞よりも「オシャレな人だった」って言われたい(笑)。外見がすべてじゃないとは思いますが、でもある程度心も外見に現れるものだと思っていますし、お客さまも失礼にならないような外見を維持するのも、信頼関係を維持するために必要だと思っています。オシャレが好きだからこそ、トータルビューティーに人一倍興味があったのかもしれません。
――オシャレ好きが原動力なんですね。
【MAYUMI】そうですね。それと、コンプレックスも原動力です。60歳には見えないなどと言っていただけることも多いですが、私は元々顔が長くて背が低くてスタイルのバランスが良くないんです。それを髪型や体型維持、ファッションなどで補っているんです。自分にコンプレックスがあるからこそ、お客さまの悩みに寄り添えるんじゃないかと思います。
多様化する美の価値観に自身の見解「グレイヘアはあり得ない(笑)」
【MAYUMI】そうなんですよね、多様化しているからこそ、自分に合った美を取り入れるべきだと思っていて、秋にはみんなが参考にできるような本を出版する予定なんです。美容師などの美のプロに委ねるが悪いことだとは思いませんが、おまかせしすぎて失敗した経験がある方も多いと思うんです。自分でも自分に似合うものが分かっていればもっと素敵な自分になれると思いませんか?
――美魔女やグレイヘアなど、大人の女性の価値観というのは多くありますよね。
【MAYUMI】とても美しい方がグレイヘアをやっているのは、生き方としてカッコいいなとは思います。しかし一般の方全てにそれが通用するとは思いませんし、正直言って私としてはグレイヘアはあり得ません(笑)。髪は生き生きつやつやに見せたほうが、女性が輝くというのが私の考えです。また、美魔女も「どうしてもその年齢に見えないおばさん」みたいな雰囲気で描かれることも多いですよね。若々しく美しくあることと、無理して若づくりすることは別。年齢には抗わずに美しいということが私の中のベストです。
【MAYUMI】もちろん、たくさんあります。サロンオーナーとしては、私の夢を助けてくれるかけがえのないスタッフへの感謝として、もっともっと豊かな生活ができるような会社づくりを目指したい。また、美容師としては美容の価値を高めるのに貢献していきたいです。まずひとつはさきほどもお伝えした“本の出版”。自分に似合うヘアスタイルは美容師さんだけではなく、自分でわかっていた方が良いと思い、一般の方々にもわかりやすいような似合わせの理論をまとめた本を出版するんです。他にも、カットを教えるスクールを作るとか。今も講師として活動はしていますが、私の技術をもっとたくさんの美容師に伝えたいので。
――なるほど。
【MAYUMI】他にも、ヘアデザイナーとして個展を開きたいというのもあります。『大人女性の世界』をテーマとして、スタジオで作品を作って撮りためているんです。個展はチャリティイベントにして、売り上げは寄付できればなと思っているんです。今も、スタッフと一緒に施設にカットするなどのチャリティ活動は進めているので、続けていきたいです。あとはやはり、女としても夢はありますね。
――ご結婚されたいですか?
【MAYUMI】ウェディングドレスは、また着てみたいなー。女は一生、夢見るプリンセスですから(笑)。そのためにも、一生“女性である”ということと“外見は内面の表れ”ということを忘れずに、美容師人生を歩みたいですね。
【Information】
http://www.kamishobo.co.jp/archives/book/mayumi-repeat-cut
本体価格4,800+税
髪書房刊
「小顔で卵型」はボリュームの位置と前髪でつくる。
あなたの頭の中に「ヘアスタイルのイメージ」があればカットはできます!
カットの勉強は面倒、苦手と思っている美容師に読んでほしい本です。
むずかしい展開図を使わなくても20〜70代の幅広いヘアスタイルがつくれます。
日本人の骨格の欠点を補って「小顔で卵型の顔」をヘアスタイルでつくることができます。