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ORICON NEWS
アイディアの源泉は作品愛、agnam代表取締役社長・中村太一氏
2018年8月取材・掲載記事の再掲載
変革期を迎えているエンターテインメント業界。テレビ最盛期やミリオンヒットが続出した時代に青春を過ごした30代は今まさに、その最前線で活躍している。彼らは今何を考えているのか、どう時代の変化に立ち向かっているのか。リレー形式でインタビューする本企画は、エンタメ業界で働く大手事務所マネージャーが同世代で活躍するキーマンに話を聞き、それぞれの背景や想いに迫っている。今回は、コンテンツの企画プロモーションを手掛ける株式会社agnamの代表取締役社長・中村太一氏。エンタメの新しい楽しみ方を想像するプロデューサーの素顔に迫った。
【取材・企画=山本圭介(SunMusic)/文・撮影=木村陽仁(MusicVoice)】
斬新なアイディア
中村氏は在籍中に、『進撃の巨人』などのコラボ企画を打ち出し、展開した。例えば、50メートル級の等身大巨人を登場させる『実物大巨人プロジェクトマッピング』(講談社×au)や、SUBARU「フォレスター」のCFに巨人を登場させた『実写巨人初登場CF』などだ。
これまでの枠組みを超えたプロジェクトを打ち出し、そして、成功させた同氏はその可能性を広げるために、2015年11月に同社を退職。翌月に株式会社agnamを立ち上げた。手掛ける事業は「漫画をはじめとした『エンタメの見え方』を変える『新しい楽しみ方』を作る」こと。作品をより楽しむために様々なアイディアを駆使して実現させるプロデューサーであり、プランナーでもある。
独立後のプロジェクトでは、名探偵コナン×Yahoo! JAPAN『仕掛けられた爆弾事件』、SEKAI NO OWARI×リアル脱出ゲーム『INSOMNIA TRAINからの脱出』の企画・プロデュースなどがある。
斬新なアイディアの源泉は「何よりも作品が好き」。現在35歳の彼はこれまでに10万冊を読んでいる漫画少年。そのまま大人になった感じだ。物腰が柔らかい人柄だが実は行動派で理論派。面白そうだと感じれば、たとえ遠く離れた外国でもすぐに渡り、そして実体験する。人の行動心理にも見識が深く、常に作品、人と向きあっている。そうした行動へと突き動かすのはやはり『愛する作品』のため。中村氏はどのような男なのか。