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SNSで認知拡大 “左利きファースト”な道具店誕生のワケ「おもしろグッズに逃げない」

 人類全体の左利きの割合は約11%と言われ、日本でも人口にすると1397万人程度になるそう。昨年、左利き用の道具を集めたwebショップ「左ききの道具店」が、8月13日(国際左利きデー)にオープン。「道具として優れた品質のもの、長く愛用したくなるデザイン」というコンセプトのもと、左利き用のこだわりのグッズがセレクトされている。自身も左利きである店長の加藤礼(かとうあや)さんに、立ち上げのきっかけやオープン後の反響などを聞いた。

自身の経験を形に オープン当初は5アイテムからのスタートだった

――まず、webショップ立ち上げのきっかけを教えていただけますか。

【加藤さん】私ども株式会社ランチは、もともとプランナー・コピーライターである夫が代表として立ち上げた会社で、様々な企業やお店のブランディング・販促活動などのお手伝いを主な業務として行なっています。以前より、自分たちでも物販事業にチャレンジしてみたいという思いがあり、いろいろアイディアを出していました。その中で、私が「左利きであること」と、もともと「文具や調理器具などの道具が好きだったこと」などがうまい具合に重なり、できたのがこの「左ききの道具店」でした。

――オープンまでに大変だったこと、苦労されたことはありますか。

【加藤さん】代表はコピーライター、私は前職で通信会社の広告宣伝の部署にいました。そのため、小売業はまったくの畑違い。特に仕入れに関する知識や経験がゼロだったので、ひたすら調べて、とにかくダメ元でいろいろなメーカーさんに問い合わせをしまくるという感じでした。オープン日を決めたものの、準備期間は非常に短かったので、現在は30以上の商品を揃えていますが、最初は5アイテムにも満たない状態での開店でした。

――オープンして間もなく半年ですが、お客様からの反響はいかがですか。

【加藤さん】おかげさまで、Twitterやnote(コンテンツプラットフォーム)経由で当店を知ってくださるお客さまがたくさんいらっしゃり、本当に嬉しく思っています。「こんなお店があってうれしい」「応援しているよ」など、あたたかい言葉をかけていただけることも多く、とても励みになっています。

「使うたびにうれしい気持ちになってほしい」機能・品質や美しさを重視してセレクト

――商品を選ぶ時に大切にしていること、こだわりは?

【加藤さん】左利き用の道具は、その存在自体が珍しいので、場合によってはおもしろグッズのように扱われたり、デザインが二の次になっているようなことも時々あります。「左利き用だから、それ以外の面を我慢して使う」というのではなく、使うたびにうれしい気持ちになれるような、道具としての機能・品質や美しさを重視してセレクトしています。

――売れ筋というのはどのような商品になりますか。

【加藤さん】1番の売れ筋は左手用の万年筆です。ここ最近、万年筆やインクが盛り上がっている中で、「左利きだから万年筆をあきらめていた」という方からも、たくさんお求めいただいています。また、フライ返しや木べら、キッチンバサミなどの調理器具も人気がありますね。
――子供用の道具も充実されていますね。親御さんの考えによってではありますが、お子様へ左手用の道具を購入される方も多いのですか。

【加藤さん】私自身も2児の母なのですが、昔と比べて「無理に利き手を変えさせることは子供の発達上マイナスである」という認識が保健師さんや保育士さんの間でもかなり一般的になってきたように感じます。私どもとしては、「利き手がどちらであっても、ストレスを感じることなく、思いっきり描いたり切ったり楽しんでほしい」という思いから、子供用の道具は積極的に品揃えしています。

――3月にはオリジナルの道具箱が発売予定です。こちらを作り始めようと思ったきっかけは?

【加藤さん】入園入学のシーズンに向けて、文房具を新調したりプレゼントしたり、という方も多いと思います。そういったときに、左利きさんのためだけの特別なセットがあったら素敵だな…と思い企画しました。せっかくなので、道具箱自体も開けるたびにうれしい気持ちで使っていただけるように、とワクワクしながら製作しています。

お店をきっかけに出会いが増えた 「左利きとわかると急に親近感がわきます」

――不便とみられることの多い左利きですが、加藤さんが左利きでよかったなと思うことはありますか。

【加藤さん】今となっては、こうしてこのお店を始めて、たくさんの方と出会えたことができたのが一番かもしれません。それから、これも“左利きあるある”の一つだと思いますが、話していて相手の方が左利きとわかると急に親近感がわきますね。世代や性別を超えた、ちょっとした仲間意識のようなものがあって、面白いなと思いますね。

――まだ見つけられていなく、このアイテムも左利き用があったらな…と思うものがあればお聞かせください。

【加藤さん】存在していないわけではないのですが、今後オリジナルで作ってみたいと思っているのはトランプですね。一般的なトランプは、左手で自然に扇型に広げて持つと、数字とマークが隠れて見えなくなってしまうんです。
――なるほど。左利きでないと分からない感覚ですね。メインビジュアルのホッキョクグマもお店の雰囲気にぴったりです。「ホッキョクグマが左利き」というイヌイットの言い伝えがあると聞きました。

【加藤さん】お店についてアイディアを出し合っている段階でいろいろ調べていて、偶然(言い伝えに)たどり着きました。このエピソードを知り、キャラクターは即決でした。今ではホッキョクグマにすっかり親近感を感じてしまい、動物園に行ったときは必ず会いに行きます(笑)

――伊藤佳美さんのイラストがお店の雰囲気にぴったりです。

【加藤さん】もともと、ロゴなどをお願いしたデザイナーなかさとゆうみさんの紹介で、伊藤さんのことを知りました。最初の打ち合わせで私どもの要望をお伝えすると「ぴったりの絵を描く友人がいて、しかも彼女は左利きです」ということだったので、とてもびっくりしました。素晴らしい巡り合わせだったなと思います。

――ロゴデザインにも「て」がたくさん隠れていてユニークですね。

【加藤さん】上質なものをお届けしたいのですが、近寄りがたいお店にはしたくなかったので、温かみのある雰囲気を、ということをデザイナーのなかさとさんへお伝えしました。楽しさがあり、それでいて洗練されたロゴに仕上げていただきました。最近このロゴが、JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)「Graphic Design in Japan 2019」に入選したというお知らせもいただき、大変嬉しく思っています。

暮らしにフィットした、愛着を持って長く使える道具を届いたい

――お店が左利きの方々にとってどのような存在であってほしいですか。

【加藤さん】一口に左利きと言っても必要な道具は人それぞれですので、よりその方の暮らしにフィットした、そして愛着を持って長く使うことのできる道具をお届けできるお店になれたらと思っています。時代が変わっても、少数派である以上はどうしても左利きが不便な場面はたくさんあるとは思いますが、左ききの道具店と出会ったことで、少しでも「左利きのままで良いんだ、左利きで良かった」という風に思っていただけたら私としては本当に幸せですね。

――今後お店の運営を通して取り組んでみたいことがあればお聞かせください。

【加藤さん】昨年末に縁あって、東京渋谷のSHIBUYA TSUTAYAさんで期間限定の小さなPOP UPコーナーを設けていただいたところ、大変たくさんの反響をいただきました。今後もまたチャンスがあれば、イベントなどでお客さまと直接お話ししたり、商品をご覧いただける機会を作れたらと思っています。

Infomation

3月上旬に「左ききの道具箱」を発売
オリジナルの道具箱と、セレクトした文房具をセットになった道具箱。左利きのお子さんへのお祝い・贈り物に…。(箱単体での購入も可)
「左ききの道具店」
ウェブサイト:https://hidari-kiki.shop(外部サイト)
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