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アムラー、カリスマ…平成が生んだ名“形容句”、ブームけん引した“マジックワード”

 新元号の発表(4月1日)を前に、最近よく聞かれるのが「平成最後の〜」というフレーズ。誰が言い出すのかわからないが、その時々にブームを築く“パワーワード”がある。特に人物に対するものは瞬時に広まり、世間一般にも波及しインフレ化し消費されることも。「アムラー」から「○○ロス」まで、平成を飾った“名形容句”を振り返ってみたい。

90年代のコギャルブーム象徴としての「〜ラー」

  • 安室奈美恵さんのラストドームツアーの様子を収めた映像作品『namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜』

    安室奈美恵さんのラストドームツアーの様子を収めた映像作品『namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜』

 昭和が終わって平成となり、90年代に入ると突如「アムラー」なる言葉が発生した。これは、歌手・安室奈美恵さんの定番スタイルである“ミニスカート”“厚底ブーツ”“茶髪&日焼け”“細眉”などのファッションを真似る若い女性を指す。英語の「〇〇する人」を表わす接尾辞「−er」を人物名に付けた和製英語と言える。

 しかし、実際この言葉はいわゆる大枠で「ギャル」の原型を作り、渋谷の街は一時アムラーがあふれかえった。その後、シノラー(篠原ともえ)やカハラー(華原朋美)、ハマダー(浜田雅功)などのフォロワーも生み出し、アムラーの元ネタとなった「シャネラー」(泉ピン子をはじめ高級ブランドのシャネル愛用者。1994年ごろ発生)や「マヨラー」(マヨネーズ好き)のように、「○○をこよなく愛する人」を表わす形容句として普及していった。

唯一無二の存在のはずが…世に「カリスマ」が大量発生!?

 また、1999年に「流行語大賞」のベスト10にランクインしたのが「カリスマ」だ。そもそもは“超自然的・超人的資質”を表わす言葉だが、せいぜいプロレスラーのアントニオ猪木などが「カリスマ」と評されることが多かったぐらいで、「その道の人気ナンバーワン=スター」という、ド直球な形容句として使われるのが一般的だった。

 しかし、木村拓哉主演のドラマ『ビューティフルライフ』(TBS系/2000年)を頂点とした「カリスマ美容師」の大ブームを皮切りに、「カリスマ店員」「カリスマモデル」「カリスマ塾講師」「カリスマホスト」など、あらゆる業界に“カリスマ”が出現することになる。本来はいわば“神”のような対象に使用されるはずの「カリスマ」だが、乱発されてインフレを起こした結果、「〇〇のカリスマ」(美のカリスマ=IKKO、黒いカリスマ=プロレスラー・蝶野正洋など)的な用法もあるなど、今でもけっこう定着しているようだ。

高嶺の花が身近に AKBが火付け役の「会いに行ける〇〇」

 そして2005年、東京・秋葉原にて始動するAKB48のキャッチコピーは「会いに行けるアイドル」。高嶺の花的な存在だったアイドルがファンとの距離をグッと縮めることで大ブレイクし、以後、地元を拠点としてライブ活動や握手会などのイベントを行なうアイドルグループのフォロワーを多く生み出した。

 そして今では、「会いに行けるペンギン」など人間以外の対象にも使われるコピーにまで発展している。

ダイヤモンドの原石からスターダムへ 魔法の言葉「〜すぎる〇〇」「〇年に1人」

 こうしたアイドル的な女性に対する形容句は定番であり、バリエーションも豊富だ。2014年ごろからテレビで注目されるようになった、おのののか。もともとグラビアモデルをしていたが、東京ドームでのアルバイトを機に「美人すぎるビール売り子」としてブレイクを果たした。

 彼女の活躍以降、「ビールの売り子→芸能界入り」という新たな道筋もできたわけだが、この「○○すぎる」は汎用性が高く、特に「可愛すぎる〇〇」や「美人すぎる〇〇」は職業を問わず広く使われ、「美人すぎる議員」「可愛すぎる医師」などバリエーションは豊富だ。
 また、今では女優として活躍する橋本環奈も、素人がアップした1枚の写真から「天使すぎるアイドル」として注目された。「天使すぎる」のほかにも「奇跡の一枚」や「千年に1人の逸材」などのキャッチフレーズが付いていた橋本だが、元ネタはプロレスラー・棚橋弘至選手の「100年に1人の逸材」だったりする。

 一方、この「○年に1人」は、乃木坂46・齋藤飛鳥の「4000年に1人」、NMB48・太田夢莉の「1万年に1人」、AKB48・小栗有以の「2万年に1人」とどんどんエスカレート&インフレ化しており、そろそろ人類史を超えてきそうな勢いである。

ブームだけでなく引退、結婚、解散などで喪失感を出す「〇〇ロス」

 ここ2、3年の形容句のトレンドは、人だけではなく事象に対しても使用され、多様化しているようだ。「アベノミクス」はレーガン元大統領の「レーガノミクス」から来た言葉で「エコノミクス」との合成語だが、SMAPの解散時には「スマノミクス」が起きた。

 さらに何かを失うことを意味する「○○ロス」では、安室奈美恵さんの引退を惜しんで使われた「アムロス」が昨年最も目にしたことだろう。これまでも「五代ロス」(NHK総合の朝ドラ『あさが来た』に登場したディーン・フジオカ演じる五代友厚が亡くなったことへの悲しみ)や「福山ロス」(福山雅治の結婚を悲しみ)、「逃げ恥ロス」(TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』終了からの喪失感)など、これまた多種多様な「ロス」が生まれている。起こったことのショックで早退したり会社を休む、という発言がネット上であふれたり、実際に行動に起こす人も出現する事態に。

アムラーから始まりアムロスで終わる 安室奈美恵さんが平成エンタメ史に残した功績

 こうして形容句を振り返るだけでも、当時の世相や社会状況が彷彿され、個人的な思い出までもがよみがえってくるようだ。平成が「アムラー」からはじまり「アムロス」で終わるとすれば、平成の流行を作り続けた安室奈美恵さんの偉大さをもあらためて痛感する。

 先述のように昭和の時代は「スター」のひと言で片づけられることが多かったものの、アイドルのキャッチフレーズでは、「河合奈保子=西城秀樹の妹」や「中森明菜=ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)」など味があるものもあった。また平成最初期には、なぜかアイドルの身体のパーツに保険をかけてキャッチフレーズにするというブームもあり、「一億円の瞳=田中美奈子」、「一億円のバスト=井上晴美」など、これもバブルっぽさを感じさせる一方、(今なら女性蔑視やセクハラで問題になりそうだな…)と思ってしまうほど、当時は大らかな時代だったとも言えそうだ。  

 時代とともに常に新しい「流行形容句」があった。乱発されると飽きられたり捨てられたりもする。しかし、経年劣化を繰り返しながらも時代の映し鏡であり続け、その言葉を聞くだけで当時を鮮明によみがえらせるパワーを秘めている。新元号で始まる新時代では、いったいどんな流行形容句が誕生するのか、楽しみである。 

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