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手作りHP風タレント公式サイトが話題 “時代遅れ”のデザインから生まれた“味”

 インターネットが一般に普及しはじめてから20年近く経った。SNSで自己発信することが当たり前となった今、なぜかその中でも芸能人のちょっと“時代遅れ”なホームページが改めてネットユーザーに注目されている。阿部寛、いとうまい子、西村知美、にしきのあきら、我修院達也(旧名:若人あきら)、グッチ裕三、沢田研二、森進一…など大御所芸能人の公式サイトは、90年代後半、00年代前半の香りたっぷりで思わず過去にタイムスリップしたかのようなデザイン。「懐かしい」、「変わらないでほしい」との声がSNSで続出している。一周回って「古い」が愛される“レトロ”なホームページの魅力とは?

カウンター、壁紙、「ENTER」ボタン、BBS…インターネット創生期のデザインが現存

 “懐かしい”と感じるホームページと言えば、ひと昔前のフォントで大きく表示されるタイトル、同じ画像が一面に並ぶ壁紙、アクセスカウンター、TOPページからメイン画面へ飛ぶ「ENTER」ボタン、掲示板のBBS、日記…などが思い浮かぶ。

 例えば、俳優・阿部寛のHPを見ると、トップ画面の壁紙は「ABE Hiroshi ABE Hiroshi ABE Hiroshi…」の文字で埋め尽くされ、映画出演のページは「Movie Movie Movie…」の連発となる。コンテンツのメニューは左サイドにあり、色使いも書体もどことなく古く、阿部自身の写真もずいぶんと若い。(これは昔作ったHPが放置されているな…)と思いきや、「TBS日曜劇場『下町ロケット』2018年10月スタート」との情報が“New!”として最新情報も更新されており、古い作りのHPと「2018年」の文字とのギャップ感が妙に新鮮だったりする。

 そして、その古さに懐かしさを感じているファンも多いらしく、2016年にニフティ株式会社のホームページ作成サービス「@homepage」が終了し、新サービス「LaCoocan(ラクーカン)」に移行した際は、阿部寛の公式サイトのデザイン変更が“危惧”されたが、デザインはそのまま。これにファンたちも胸を撫で下ろすと同時に、「文化財指定にすべき」との声も上がった。また、写真が阿部本人の1枚しか使われていないため、データ量が非常に少なく=表示速度が異様に速く、「爆速でワロタ」、「通信制限がかかっているのにサクサク見られた」、「WEBデザインの究極完成形」との称賛の声もあふれているのである。

公開当時は最先端! タレント自ら手掛けたホームページも

 また、いとうまい子のHPは開設されたのが1995年、芸能人のHPとしては老舗中の老舗で、その作りも1995年当時のままなのではないかというレトロな雰囲気。「いとうまい子ホームページ」の書体も懐かしければ、その下のアクセスカウンターにも哀愁が漂う。「Enter」をクリックしてメニューにいくと「Profile」や「Maiko’s Memo」、「らくがきっちょ」などのコンテンツがあり、手作り感たっぷり。

 実はこの公式サイト、「よくある質問」の「このページは本当にいとうまい子さんがやっているのですか?」との質問に、「はい。本当に私がやっています。所属事務所が宣伝のためにやってくれてる、なんてことはありません。もしもそうだったら、もうすこしカッコいいページになってるはずですよね」と回答しており、いとうまい子が自ら作成していることがわかる。

 1995年と言えばダイヤルアップ接続が常識で、FAXの送信音のような「ピーガラガラ…」といった音がしていた時代。インターネット人口もわずか571万8000人の中、当時としては最先端のプロモーション方法だったとも言え、いとう本人の作り込み度も高い。今思えば、いとうまい子は元祖ネット芸能人のひとりと言えるだろう。

かもし出す“良い人”感、「時代遅れ」「ださい」が逆に個性に

 そして、2010年代も終わりに近づき、時代に合わせたスタイリッシュな公式HPがスタンダードな今、こうしたレトロホームページはやはり「時代遅れ」で「ダサく」見えてしまうかもしれない。しかし、今風の公式サイトはどこにでもあるからこそ、今年再ブレイクしているDA PUMPではないが、かつての“ノリ”が“ダサカッコいい”と映ったり、“潔く”見えたり、世代によっては“懐かしい”わけである。むしろ、ノスタルジーを求めて定期的に覗きたくなるサイトとして認識され、BBSなどの交流の場も憩いの場となり、そうした公式サイトを残し続けるタレント自体が、どこか温もりのある“良い人”に見える。

 例えば、西村知美は、いきなりトップ画面でアイドル時代の写真と歌が流れ、タイトルも「TRORIN.COM」(西村のアイドル時代のニックネームはトロリン)とアイドル時代の80年代を存分に楽しめる公式サイト。1996年にはじまる「Q&A」コーナーは現在までに80回更新されており、5〜6問のファンからの質問に対して最大600字にものぼる長文で回答するなど、ファンを大切にする西村の生真面目さがうかがえる場になっている。

 デザインが凝っていたり、個性的なコンテンツがあるなど、芸能人の公式サイトにもいろいろあり、SNSを駆使して自己発信することが当たり前にもなっている。だが、その反面、SNS疲れする芸能人も増えている。そういった意味では、無理して毎日ブログを更新しなくても、手作り感のあるホームページで、マイペースに更新するのも本人の体温がしっかりと伝わってくるのではないだろうか。

 移り変わりの激しいネット分野において、タレントにしても常に新しいプロモーション方法が模索される今。時代に流されずに初期のスタイルのままに運営されているサイトには、ユーザーもかえって“安心”や“力強さ”、“信頼”などを感じるだろう。こうした“レトロ”なホームページは今後もファンたちに愛され続けていくだろうし、芸能人のネットとの付き合い方という点でも再考するヒントがありそうである。

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