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ORICON NEWS
もはや“都落ち”感なくなった通販番組 大御所はもちろん再ブレイクの土壌にも
TV局を支える『通販番組』 タレントにとっても“意外と”美味しい!?
通販番組がここまで成長した背景のひとつに、テレビ局側にとってはローコストですむという利点がある。通販会社のオーナーがお気に入りのタレントを起用することも多く、それなりのビッグネームが集まるうえに出演料は通販会社が負担。そして、番組制作は下請けのプロダクションに格安で丸投げ。出演する芸能人側にしても、何本かまとめ撮りするので拘束時間も長くない。ギャラも大物俳優クラスだと1本200万円という話もあるから、通常のバラエティ番組に出演より相場も高い。つまり、出演する芸能人にとっても通販番組は“美味しい”わけである。
アンミカや保阪尚希、通販番組で新たな道を切り開くタレントたち
また、90年代に一世を風靡したTRFのSAMも通販番組に乗り込み、ダンスエクササイズDVD『TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ』を大ヒットさせ、再びTRFの知名度アップに貢献。そして、通販番組によく登場するアンミカは、「通販タレント=二流タレントという世間のイメージを払拭して、通販タレントの地位を向上させたい」と、通販番組に対する“こだわり”と“プライド”を番組内で発するほど。
都落ち感はゼロ! 船越英一郎、出川哲朗、ナイツなど人気芸能人も多数出演
さらに、深夜の通販番組『カイモノラボ』(TBS系)では、お笑い芸人のナイツのほか道端カレンや人気女子アナの宇垣美里が出演している。一方で、さりげなく山川恵里佳が出演するあたりは、“昔ながら”の通販番組の匂いを感じさせなくもない。実際、こうしたかつての通販番組のノリは今でも健在で、故・松方弘樹さんなども晩年はもっぱら通販番組でよく見かけたものだ。
かつてのトレンディードラマ俳優やミリオンヒットアーティスト、さらに大物俳優までが深夜に限らず昼間も登場し、満面の笑みで商品をアピールしてくる通販番組。見ているほうもついつい注文したくなるが、そこにはやはり商品の魅力のみならず、出演する芸能人たちの“磁力”に引きつけられるからだ。
それも“あの人は今”的な懐かしさだけでないのは、タレントたち自体が通販番組を新たなポテンシャリティーとして捉え直しているからだろう。事実、保阪のように新たな活躍の場として活かしたタレントが、再びチャンスを掴むケースも増えている。考えてみればジャパネットたかたの高田元社長などは、“元祖通販タレント”として成功したと言えるかもしれない。
タレントの人間ドラマがにじみ出る『通販番組』の“エンタメ性”
こうした要因も加味され、通販番組に対する“都落ち”的なマイナスイメージも薄くなっており、むしろ通販番組でしか見られないタレントなどはそれぞれに往年の栄光も垣間見えることから、視聴者のほうもタレントからにじみ出る“人間ドラマ”も楽しんでいるのではないだろうか。
欲しいアイテムが手に入るのはもちろん、出演する芸能人たちの悲喜こもごもの人生模様までが透けて見える通販番組は、今や立派なエンタメコンテンツ。今後も、通販番組をきっかけに飛躍を遂げる芸能人たちが続々と現れてくることだろう。