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女芸人の支持層に変化 ネタやトークも“女を出せる”時代に
ベテランから気鋭まで…男性芸人並に層が厚くなった女性芸人
さらに渡辺直美やブルゾンちえみなどは、それぞれTVドラマ『カンナさーん!』(TBS系)と『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)に出演し、その演技力も賞賛されている。特に渡辺は、現在放送中のドラマでも主演であり、700万人超えのフォロワー数を誇る芸能人インスタグラムNo.1、モノマネのワールドツアーを敢行し、世界でも称賛されるほどで、もはや女芸人の枠を飛び越え、女性芸能人としてもトップレベルに近づいたとも言えるし、ブルゾンちえみにしても、1980年代DCブランド全盛期の女性デザイナー然とした奇抜なメイクが、渡辺同様に“おしゃれ”と同性に支持されているのだ。
かつては、“女性の部分をさらけ出す”ことがタブーだった時代も
だが、かつては森三中などのように男芸人顔負けの体を張った芸に挑み、女を出さないことが逆に“笑い”につながっていた時期もあった。ターゲットが男性優位だったこともあり、女の色気や母性を感じさせる芸は笑いに結びつきにくかったのである。実際、“日本で初めて天下を取った女芸人”とも言える山田邦子などは、人気絶頂期に「急に女を出すようになった」「天狗になった」等々のいわれのないバッシング、特に同性からの批判を受けたこともある。また、森三中などの過激な体当たり芸にしても、(そこまでしなくとも…)(女の下ネタはちょっと引く…)といった男性側の拒否反応もしだいに出はじめてくるのだ。
“女らしさ”を笑いに変えた大久保佳代子の功績
大久保のブレイク以降、渡辺直美は「地方ロケ先のバーでガテン系の男を逆ナンし、お持ち帰りした」、ブルゾンちえみは「ネパール人の男と3人付き合った」等々、女芸人が続々と“女の部分”を語りはじめ、下ネタをぶっちゃけることも今や当たり前で、むしろバラエティやトーク番組では“美味しいネタ”になっている。
BPOの問題もあり、森三中のようなリスペクト級の体当たり芸は、男女ともに難しい時代になった。そうした中、男女を問わず嫌悪感を抱かれないどころか、むしろプライベートトークも含めて共感されるという現在の女芸人たちの層の厚さは、今後のお笑い界にとっても大きな力となるだろう。