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ORICON NEWS
世界最大デジタルイベントでサザン「東京VICTORY」がこだました
MADE IN JAPANの技術が集結!! 世界初の“8K:VR”がお披露目
本稿で紹介する「8K:VR Ride featuring “Tokyo Victory”」は、NHKエンタープライズ、NHKメディアテクノロジー、レコチョク・ラボ、WONDER VISION TECHNO LABORATORYの四社が共同で出展したプロジェクトである。ざっくり言うと、縦3,4m×横5.2m×奥行き2.6mのドーム型ワイドスクリーンに映し出される8K映像と5.1chサラウンドというハイスペックな映像と音を、何とVRと言えばお馴染みであるゴーグル状のヘッドマウントディスプレイを着用することなく、モーションライド(=乗って遊動する)で体験するという、世界初の「8K:VRライド」コンテンツだ。そしてその上映BGMに抜擢されたのが、サザンオールスターズが2014年にリリースしたシングル「東京VICTORY」だった。
1964年の東京五輪から現代まで一気にタイムワープ!
そして筆者は新宿高層ビル街、渋谷駅前、上野アメ横、浅草雷門など東京の名所を次々と巡っていく。風を受け、映像とシンクロしながら細かくなめらかに可動するシートの乗り心地は、さながら遊園地やテーマパークにあるアミューズメント機器の高級エディションといったところか。だがこのコンテンツがジェットコースターと異なるのは、眼前に広がる時々のシチュエーションによって、その乗り心地が、車に乗っているような、または飛行機に乗っているような、さらには再び東京上空に舞い上がると、自分が鳥かスーパーマンにでもなって、自ら空を飛んでいるような、そうした様々な感覚に変わっていくという点にある。
体験中、序盤はその速度感とリアリティに思わず「うわ!」とか「おぉ!」といった声を何度も上げてしまった。理屈抜きに楽しく爽快なコンテンツだった。
NHKエンタープライズの田邊浩介エグゼクティブ・プロデューサーに話を聞いた。
「映像では、実際に2017年2月10 日から13日までに撮影した東京の風景を使いました(※空撮部分などCGも併用)。反転させた8K映像を、カーブミラー(凸面鏡)を経由して、湾曲したスクリーンへと反射投映させることで、肉眼の歪みが計算された自然な映像を生み出しました」(田邊)
伝統と革新、過去と未来…東京五輪に向けたインビテーション
「日本の技術力と東京の魅力を、何よりもシンプルに楽しんでもらえるコンテンツになるよう注力しました」(田邊)
五輪の自国での開催は決して華やかな一面ばかりではない。しかし世界的なイベント開催が決定した以上は、ポジティブに、しかし被災地の現在も忘れずに、皆で2020年に向かって歩んで行きたい。「東京VICTORY」とは、そんな桑田がリスナーと自らを鼓舞するような想いから生まれた曲だった。
伝統と革新、過去と未来、そしてポップカルチャーが共生する都市・東京を描いたこのコンテンツは、多くの関係者に向けた充実のインビテーション(招待状)となったようだ。今後は国内上映の実現を目指すそうなので、ぜひその日を楽しみに待っていてほしい。
(取材・文/内田正樹)