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フジ“日曜アニメ”の新たな楽しみ方 深読みする大人たちがSNSに集う

  • さくらももこの20周年記念と全国フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」放送開始15周年記念タイトル『まるまるぜんぶちびまる子ちゃん Compilation』

    さくらももこの20周年記念と全国フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」放送開始15周年記念タイトル『まるまるぜんぶちびまる子ちゃん Compilation』

 日曜の夕方6時から7時のテレビ番組と言えば、今も昔も『ちびまる子ちゃん』(18:00〜18:30)と『サザエさん』(18:30〜19:00/ともにフジテレビ系)だ。『サザエさん』は1969年から、『ちびまる子ちゃん』は1990年から(一時休止あり)放映され、老若男女を問わず愛され続けている“超国民的アニメ”だが、最近ではSNSを通じて両番組の内容についてユーザー同士で深読みし合う楽しみ方が増加している。なぜ両アニメがSNS上で“ネタ合戦”になっているのだろうか?

絶対的な安心感の中に潜む“闇”を探る楽しさ

 『ちびまる子ちゃん』は、静岡県清水市出身の作者さくらももこが、1970年代半ばの小学校3年生時の体験をもとに学校や家庭などを舞台に繰り広げられる、笑いあり涙ありのコメディアニメ。一方の『サザエさん』も、磯野家の面々が学校や勤め先、ご近所さんなどとやり取りするという、ちょっと笑えて心温まるエピソードが中心だ。

 いずれも日常の“何気ないひとコマ”を切り取ったもので、主人公のおっちょこちょいぶりやキャラの濃い登場人物たちが引き起こす出来事を楽しむという、絶対的な安心感とともに視聴者に長く愛されてきたアニメである。番組がはじまると、「明日からまた仕事かぁ…」と憂鬱になるビジネスパーソンも多いという説もあるぐらいだから、両番組はもはや日本人のDNAに刷り込まれているといっても過言ではないだろう。

 そんな2大アニメではあるが、学生たちが次の日の学校などで話題になることはあっても、大人になって両番組について語り合うということはそうそうないだろう。しかし今やSNSを利用することによって、両番組を“ネタ”に深読み&斜め読みしながら、大人でも楽しく語り合うことが可能になったようなのである。

カンニングした藤木くんがスケープゴートに! “大人”の視点で見る怖さ

 たとえば、今年1月8日から3月12日までの『ちびまる子ちゃん』の放送では、「連載30周年記念!さくらももこ脚本まつり」と銘打ち、過去のさくらももこ脚本作品の中から、原作者ならではの毒気の強いブラックなシナリオを選りすぐっており、SNSでの反響も大きかった。

 3月5日放送の「まる子、カンニングをする」の巻で言えば、算数のテストで卑怯者キャラの藤木がカンニングをすると、同級生の前田さんが藤木を“告発”。藤木は泣きながら白状するも、永沢が「泣けばいいってもんじゃない」と責め、クラス中も藤木を非難する。実は同じくカンニングしてしまったまる子は、バレなかったものの罪悪感に苛まれ、泣きながらたまちゃんにカミングアウトするが、友だちのたまちゃんはまる子をかばう、という展開だった。

 まる子と同じ小学3年生ならば、カンニングをしたまる子のてん末を見て“カンニングは悪いこと”と再認識して終わるところなのかもしれないが、登場人物のキャラクターや関係性をある程度理解している“大人たち”の視点からは、「藤木に対するイジメがガチで怖かった」「道徳の教科書に載せたい」「藤木の“前”の席にいたのに、なぜ前田さんは藤木のカンニングに気づけた?」等々、斜め読み・深読みの意見が飛び交い、その巻はSNS上で大いに盛り上がったのである。

鉄板の“サイコパス”ホリカワくん、タラちゃんのワガママも“ディスる”対象に

 一方の『サザエさん』でも、たとえばワカメのクラスメイトのホリカワくんの“ヒヨコにワカメと名づけて卵を産ませる”“ホリカワくんが描いたそのヒヨコの絵が怖すぎて、それを見たタマが逃げ出す”“カツオに「僕の赤い糸はお兄さんと結ばれてるのかもしれません」と電話した”などの一連の発言・奇行が、やはり多くの大人たちからSNS上で報告・指摘され、今やネットではホリカワくんは“サイコパス”との異名を持ち、ホリカワくんネタはある種“鉄板”にもなっているのだ。

 さらにカツオで言えば、勉強こそ苦手だが、その頭の回転の速さとピンチを切り抜ける様から、“カツオが天才すぎる件”的に盛り上がったり、フグ田タラオの3歳児ならではのワガママぶりや自己主張をディスる(批判する)意見が飛び交うなど、サザエさんの放送時間にSNSで盛り上がることは、今ではすでに恒例となっているのである。

“さくら家”と“磯野家”の汎用性と、秘めたポテンシャル

 こうして見ると両アニメとも、「おいおい、またやらかして…」とディスりながらも、どこか憎めない親近感を持てるキャラが多く登場していることが共通している。ましてや、『サザエさん』は最高視聴率39.4%(1979年)、『ちびまる子ちゃん』は39.9%(1990年)を記録した超お化け番組であり、両番組に登場する一家のそれぞれの名前やキャラクター、交友関係などは日本で一番よく知られているわけである。

 つまり、そうした日本一知名度が高いファミリーアニメだからこそ、多くの人たちがSNSで“ネタ”として共有することができるし、番組のディテールにまで入り込んで楽しむこともできるのだろう。最近、両番組の視聴率の低下が報道されることもあるが、SNSとの親和性の高さからも、この日曜夕方6時台の両アニメはまだまだポテンシャルを秘めている番組と言えるし、何よりも日本一の長寿アニメとして、これからも愛され続けてほしいものである。

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