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ブルゾンちえみ、上半期の“主役”はほぼ当確か? パロディ芸の系譜を継ぐ新星
インパクト大な外見で、デキる女風の恋愛アドバイスが“じわる”
芸風としては、キャリアウーマンやデザイナー、女性外科医などの“デキる女”になりきり、上から目線で恋愛についてアドバイスするというネタで、後ろに従えたイケメン風の男性ふたりと音楽にノリながらセクシーポーズをとり、決めゼリフを放っていく。ガッツリ引いた黒いアイラインに真っ赤なルージュ、ハウスマヌカン風の前髪パッツンというルックスは、確かに1980年代のコシノジュンコ的でもあり、「DESIRE」を歌う激太りした中森明菜的でもある。タイトなスカートにボディラインを強調したブラウスを着ているのだが、その豊満すぎるスタイルのためパツパツ……。しかし、そこを突っ込むのは野暮とばかり、本人はいたって“本気”でネタをかましてくるので、視聴者もつい納得しながら笑ってしまうのである。
“嫌味にならない恋愛ネタ”のバランス感覚 昨今必須のフリートークも良
ただ、このWith“B”は意外と汎用性が高く、2月11日放送の『嵐にしやがれ』(同系)では、「芸人とばかり遊んでいる」と嵐のメンバーに揶揄された二宮和也による不意の指鳴らしにも即座に反応し、「意外と鍛えられるてるなぁ」と感心された。またそのバリエーションとして、二宮と外人美女のWith“G”(Gはガールズ)バージョンや、二宮率いるWith“B”バージョンも披露されるなど、しっかりと笑いを取っていた。肝心のブルゾンは、厨房がネパール人だらけのファストフード店でバイトしていた際のエピソードとして、「付き合った彼氏は3人連続でネパール人。色が白くてふくよかなのがドンピシャらしくて…」と告白。最近の女芸人にとっては“必須”とも言える“嫌味にならない恋愛ネタ”を披露し、必須となるフリートークにおいても“合格点”を取ったのである。
女ピン芸人に脈々と受け継がれる“パロディ芸”をさらに鋭角化
ピンの女芸人と言えば、1980年代の清水ミチコにはじまり、渡辺直美やキンタロー。に至るモノマネ・顔マネ系で、人気歌手やアイドルをデフォルメして面白がったり、潔く体を張った芸が主流だった。しかし2000年代に入り、友近から柳原加奈子、横澤夏子らが登場し、ひとりコントによってキャリアウーマンや女医、教師、主婦、妊婦など、普通にいる女性たちのパロディ芸に人気が集まるようになる。そして昨年、平野ノラがバブリーなOLネタでブレイクし、今年は恋愛アドバイザーのブルゾンちえみというわけだ。今後、ブルゾンはそうした先輩ピン芸人たちの仲間入りを果たし、一般視聴者が当人にはなかなか指摘できない“痛い女”や“ウザい女”を次々とネタ=描写して、楽しませてくれることだろう。