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菅田将暉、歌手にまで“憑依”できる稀代の演技者
認知度の高いが、ベールに包まれたアーティストを演じる難しさ
「以前から、俳優さんがドラマの設定のままにCDデビューすること自体はよくありました。柴咲コウさんが、映画『黄泉がえり』で演じたRUI名義で発売した主題歌『月のしずく』はミリオンヒットになりましたし、沢尻エリカさんもドラマ『タイヨウのうた』(TBS系)の主人公・雨音薫名義(CDはKaoru Amane)で、ドラマと同タイトルの曲を出すなど、いくらでも例はあります。ただ、彼女たちは成功例ですが、いくら劇中の設定であっても、場合によっては、批判の対象になる可能性もあります。特に実在のバンドを劇中カバーする場合などは、バンドファンからの反発がありえますから」(エンタメ誌編集者)
歌(声)までも“化ける”ことができる“全方位型・憑依俳優”
現在、第一線で活躍する若手俳優の特徴のひとつとして、いわゆる“塩顔男子”に分類されるルックス同様、どの役においてもナチュラルでサラリとした安定感のある“イケメン”を演じ、良い意味で役の印象を残さず、毎回違った役を好演している。一方の菅田は、どの出演作品でも役に“乗り移り”、視聴者に強烈な印象を残すあたりは、ひと回り上の世代の山田孝之や松山ケンイチを思い起こさせる、“憑依系俳優”“カメレオン俳優”であることは間違いない。
「たしかに菅田さんは、今回の映画ではGReeeeNさんにまで迫って、声やノリがまるで本物のミュージシャンのようだったので驚きました。俳優さんで歌が上手い人もいますが、彼のように歌(声)までも本人に成り切る俳優さんは、そうそういないでしょう。その上、最近では、『ファンタ』のCMでも見事なラップを披露してましたし、ひょっとしたら菅田さんの“枠”は、俳優業以外でも音楽界やその他、何のジャンルでも“本格派”として通用するものなのかもしれません」(前出の編集者)
過去には、歌手として人気が出たタレントやアイドルが、俳優業さらには司会業などで大成した例はある。しかし、俳優業からミュージシャンなどの異業種で大成した例は、特に男性となるとあまり聞かない。もしかしたら俳優・菅田将暉は、これまでの常識を覆すような“ニュータイプの芸能人”として、確固たる実力と実績、信頼を兼ね備えた役者として何者にも“化ける”ことができるという、今までにいない“全方位型・憑依俳優”なのかもしれない。