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【ザ・クロマニヨンズ インタビュー】ヒロトとマーシー、2人のレジェンドの出会い「ピンと来てなかったら、こんなに長く一緒にやってない」
「“本当のロックはこんなんじゃない”みたいなことをずっと言われてて」
甲本ヒロトうん、相変わらず楽しくやってます(笑)。
――シンプルに、それぞれ「こんな曲ができたよ!」って持ち寄った曲を集めてできたアルバム。
甲本ヒロトそう(笑)。
――新譜を聴くたびに、13歳とか14歳ぐらいの、パンクとかロックに強い衝撃を受けた、その頃の気分に戻れる感覚があります。何かの記事で、ヒロトさんが、「新譜を買うのは、もう中学生だけでいいんだよ」みたいなニュアンスのことを言っていたのを読んだんですが。
甲本ヒロトそんなこと言ったかな? ……ああ、「ライブは、もういいよ、年寄り来なくても」みたいなことは言ったかもしれない(笑)。
――逆に言うと、クロマニヨンズの曲に触れている時は、みんな“心は中学生”なんじゃないかと。私も、この『BIMBOROLL』を聴いて、“ライブで目一杯踊りたい!”って思いました。
甲本ヒロトフレッシュですね(笑)。ただ、前に僕が「年寄りは来なくていい」と言ったのは、大人は僕らのライブに来るなって意味じゃないんです。僕らが中学生ぐらいの頃、パンクロックって、“本格派のロック”を志向する大人の人たちに、「本当のロックはこんなんじゃない」みたいなことをずっと言われてて……。それに対して、僕はずっと、「いいんだよ、ガキが盛り上がれば。子供のオモチャでいい。ロックンロールは、渋くなくていいんだ」って思ってた。そういう話の流れから出てきたもので、僕らのライブには誰が来てくれてもいい。ただ、中学生のときにパンクロックとかイギリスのビートグループにやられた。あの時の自分が、「うわーっ!」てならないようなロックンロールなら、やってもしょうがないとは思います。まぁそれはシミュレーションなので、今の自分たちがちゃんとできているかどうかはわからないけれど。
「ディズニーランド行ったあと、打ち上げとか行かないじゃないですか」
甲本ヒロト客席、あんまり見ないんです。
真島昌利見ると緊張しちゃうからね(笑)。
甲本ヒロトでも、逆にお客さんは、誰にも見られてないんだから、弾けてほしい。ちっとも恥ずかしいことない。生まれてから一番カッコ悪い形でいいんだ。みっともなくていいんだ。とにかく楽しんでほしいんです。自分がどう見えるかなんて、気にしないで。
――毎年、ツアーだけで60本から70本はライブをやるのがすっかり恒例になっています。日程を見てもかなりタイトですが、体調管理はどうなさってるんですか? 年齢を重ねて、前より節制するようになったりは?
甲本ヒロトうーん、そんなに疲れないですよ。特に節制とかじゃないです。もともとそんなに深酒しなかったし。もともとツアー中に打ち上げを毎晩やるとか、そういうことはなかったです。一番楽しいのはやっぱ、ライブなので。ライブより楽しいものが、そのあとにはないんですよ。だってディズニーランド行ったあと、打ち上げとか行かないじゃないですか。ライブで一番楽しいことやってるのに……。本当はそこで一日が終わってるんです。そのすっごい楽しいことが終わったから、あとはみんなでご飯を食べて、ちょっと飲んで、バカな話をして、“おやすみ”です。それを節制というなら、そうなのかもしれないけど。
――じゃあ、リハーサルとかもノリノリなんですか?
甲本ヒロトリハーサル……あんまりやんないね。
真島昌利うん。さっさと切り上げる、いつも(笑)。
――曲順はどうやって決めるんですか?
真島昌利それはみんなで話し合って。
甲本ヒロトマシーンがあるから。
――マシーン?
真島昌利ハイテクマシーン!
甲本ヒロトマシーンって言うのかなぁ……、曲目を書いた短冊みたいなのがあって。
真島昌利それにマグネットがついてて……。
甲本ヒロトペタペタ貼ることができるから、「こっちのほうがいいかな?」とか入れ替えながら。……利用してます(笑)。
真島昌利曲名を紙に書いただけだと、風で飛んでっちゃったりするし、ホワイトボードにマジックで書いてたら、曲順を入れ替えるとき消さなきゃ行けないでしょ。でも、マシーンなら入れ替えるだけでいい(笑)。
――アルバムの曲順も、そのマシーンを使って?
甲本ヒロトこれはね、iTunesです。iTunesに曲を入れて、シャッフルかけて。偶然並びが気に入ったのにしてます。昔は、頭で考えたりもしてたんです。頭で考えて、この曲の後にこの曲!とかやっても、実際、イメージ通りじゃなかったりするんです。