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佐藤健の朗読の魅力を堪能、『トラベルノベル「風の惑星」』の豪華コラボ
南米大陸の映像をバックに佐藤健が朗読する、不思議な物語
『風の惑星』の幕開けは、音楽に乗せたアニメーションから。そして、南米大陸を走破する映像をバックに、“ひとりの男が旅に出た”という佐藤健の朗読により、物語はスタートする。失恋したことをきっかけに、手術によって彼女の名前である“ま”“ゆ”“み”という3文字を発音できなくしてしまった男の、切なくも不思議なストーリーだ。
単に記録映像を流すのではなく、物語を乗せることで面白さを提供する、それが『風の惑星』の特徴でもある。次々に流れていく映像は非常に美しく、現地の空気をそのまま写し取ったようで旅情を誘う。佐藤も、「映像がとてもきれいなので、その情景を思い浮かべながら収録した」と語っている。
これまでの役者経験が育んだ、朗読という“声”の魅力
佐藤健といえば、『仮面ライダー電王』(2007年)で人気俳優の階段を駆け上り、大河ドラマ『龍馬伝』(2010年)では岡田以蔵役を熱演。映画『るろうに剣心』シリーズ(2012〜2014年)で魅せた迫力ある太刀さばきなどでも知る人は多いだろう。だが、そんな実力派俳優の佐藤をもってしても、芝居と朗読とは似て非なるもの。この物語についても、「主人公が“ま”“ゆ”“み”の3文字を発音できない設定なので、そこは苦労しました」と語っている。だが、収録を進めていく上で「彼が行く先々でどんな人に出会うのか、どんな展開になるのか、毎回、楽しみにしながら収録に臨んでいます。彼のようにドラマティックな出会いがあるのかわかりませんが、ぜひ車の旅に出てみたいと思いましたね」と、やりがいと共に、自身が『風の惑星』に触発されたことも明かしてくれた。
南米への関わりも多かった、佐藤と『風の惑星』の運命的な出会い
一方、オープニングアニメーションの絵を担当した浅野忠信は、普段から自身のSNSで、シュールなイラストをいくつも投稿している。「地平線はまっすぐ描かない」といったこだわりもあったという彼は、今回も独特なタッチで、クルマが大地から海、空の上までを走る様子を描いた。物語に流れる音楽を手掛けたのくるりの岸田繁は、この企画の最初の打ち合わせの段階で、「あ、浮かびました」と微笑んだという。なんと翌日にはデモを仕上がり、最終的には出来上がった楽曲をオーケストラで演奏。温かみと郷愁が感じられる音楽は、映像と佐藤の朗読をさらに印象的なものへと昇華させている。
このように、豪華かつ印象的な仕上がりとなった『トラベルノベル「風の惑星」』。全8話のストーリーを2週間ごとに2話ずつ公開しており、10月28日にも2話更新し、現在は6話まで配信中。「お前は、声を取り戻したいか?」と言われた男が5話ではある出会いを果たし、さらに物語は展開していく。さらに、物語の公開とあわせ、この作品のもとになっている南米大陸の映像もダイジェスト版として同時公開している。多様で厳しい道を走行する迫力満点の映像も必見だ。
「南米走破2016 REPORT MOVIE」(外部サイト)
なお11月11日公開予定の7話、8話については、WEBサイト『CINRA.NET』にて特集予定。佐藤らにより紡がれる物語の今後を楽しみに待ちたい。
TOYOTA GAZOO Racing 風の惑星│5大陸走破プロジェクト(外部サイト)
(文/今 泉)