(更新:)
ORICON NEWS
俳優のバラエティ進出、“MC業”への挑戦も顕著に
今年に入って、『モシモノふたり』では小泉孝太郎、『ライオンのグータッチ』(共にフジ系)では佐藤隆太、『ナイトウ旅行社』(テレ東系)では内藤剛志がMCを務めており、この秋の特番でも、松岡茉優が『ENGEIグランドスラム』(フジ系)、沢村一樹がゴールデンに初進出した『想像を絶するテレビ』(日テレ系)第3弾で番組を束ね、『天海祐希・石田ゆり子のスナックあけぼの橋』(フジ系)でも、天海と石田がバラエティで初のMCを務めるという。かつて俳優と言えば、プライベートなどの“素”の部分は極力見せず、イメージを大事にするという“専業俳優”が多かったが、ここにきてなぜ、このような傾向が色濃くなってきているのだろうか?
素顔を明かすことが俳優業にも“プラス”に働く
しかし俳優のMCとしては、古くは『クイズタイムショック』の田宮二郎や『パネルクイズ アタック25』(テレ朝系)の児玉清などがおり、現在の『〜アタック25』もやはり俳優の谷原章介が引き継いでいる。谷原と言えば、『王様のブランチ』(TBS系)でのMCはもはや定着し(ちなみに先代MCも俳優の寺脇康文)、そのほか『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)の西田敏行や『おしゃれイズム』の藤木直人、『誰だって波瀾爆笑』(共に日テレ系)の溝端淳平といったところは、すっかりお茶の間にも馴染んでいるのだ。
それでも、『ツギクルもん』にも出演している前述の松岡茉優や、『発見!なるほどレストラン』の木村佳乃、『奇跡体験!アンビリバボー』(すべてフジ系)の剛力彩芽をはじめ、吉田羊(『オモクリ監督』)や田辺誠一(『おっかけのおっかけ』)、江角マキコ(『私の何がイケないの?』)、伊藤英明(『世界王者誕生プロジェクト セカイオー』)などなど、近年になってバラエティでMCを務める若手&大物俳優たちが目立ってきていることには間違いない。そもそもなぜ、ここまでテレビ局は俳優たちを起用しているのだろうか?
SNSの普及で人気者には“憧れ”より“親しみ”が求められる?
「今では大河ドラマに出演するまでにブレイクした大泉洋さんにしても、『水曜どうでしょう』(HTB)の存在はとても大きいですよね。高橋克実さんや八嶋智人さんだって、『トリビアの泉』(フジ系)で“プレゼンター”を務めていなかったら、今のようなメジャーになったかどうかわからない部分もあると思います」(前出・スタッフ)
そういった意味では、俳優がバラエティ番組に出演したり、MCを務めたりする“流れ”はかねてよりあったものの、今では好感度や認知度を上げるための重要な“戦略”として確立されてきたとも言えそうだ。
ただ、俳優たちにとって有意に働く反面、当然リスクもあり、高慢な態度やいい加減なリアクションをとったりすれば、視聴者やほかの出演者、スタッフからも敬遠されてしまう。バラエティ番組内における俳優としての“身の処し方”のハードルは、今後どんどん上がっていくかもしれない。しかし、洗練されることによって、MC業への進出といったバラエティの“新潮流”が形成される可能性もありうる。故・大橋巨泉氏やタモリに匹敵するような“名MC”が、俳優界から出現する日もそう遠くはないかもしれない。