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ポジション確立なるか? 進む“レイヤーのタレント化” 一方でタレントからレイヤー進出も!?
メイド喫茶の一般層への普及がきっかけ!? ネットだけでなくテレビにも進出したレイヤーたち
「10年ぐらい前までは“レイヤー=コスプレ好き女子の扮装”の範疇を超えず、コミケなどで見かけるレイヤーでも、あくまで“自分の趣味”として、オタクな女子が好きなキャラのコスプレを楽しんでるという状況でした。そこにムサ苦しいオタク男子たちがバズーカ砲のような望遠レンズを装着したカメラを持って群がっている……という構図ですね。そんな状況が一変したのは、『電車男』の大ヒットによるオタク文化の認知と一般化もありますが、一番大きかったのは“メイド喫茶”のブレイクだと思います」(エンタメ誌編集者)
以後、メイド喫茶やメイドもひとつのエンタテインメントとして認知され、女性がコスプレすることへのハードルはグンと下がる。そして、さまざまな人気アニメやキャラクターに扮するレイヤー層の広がりがあり、その人口が増えながら、コスプレ衣装だけでなく、スタイルやメイクも含めたトータルのビジュアルのクオリティが飛躍的に向上していった。そこから今につながり、そのなかのビジュアル的に秀でた一部のレイヤーがテレビ出演するにまで至り、今後はレイヤー出身のタレントも増えていくのでは、とも言われている。
若手タレントを“美人レイヤー”としてメディアに売り込む可能性も
しかし、深夜番組を中心にテレビにレイヤーが出だしている現状がある。それがネットニュースに“逆輸入”され、よりレイヤーの話題を膨らませている。そうなってくると逆に、タレントのレイヤー化のほうが進み、おのののかのブレイクに見る“ビールの売り子方式”のように、芸能事務所が若手タレントにコスプレをさせ“美人レイヤー”としてメディアに売り込む戦略が増えてくることも考えられる。
「それも十分あり得ますが、元ネタのアニメやゲーム作品へのリスペクトがなかったり、本人にオタク知識がない“ビジネスレイヤー”だったりすると、オタク層がいち早く嗅ぎつけ、バッシングを受けてしまう可能性もあります。やはり資質は問われてくるでしょうね」(前出・編集者)
本気でコスプレが好きな“ネイティブレイヤー”か、あるいは“タレントレイヤー”か。いずれにしろ、レイヤー文化は一般にも浸透し、キワモノ感も少ない今、メディアでも取り上げやすくなっていることは事実であり、ネットでの露出も増えている。そもそもレイヤーたちは人に見られたい人たちであり、“出たがり”も多いことから、今後も増えることがあっても減ることはないであろう。
コスプレのインパクトとビジュアルのかわいらしさ以上に、タレントとして活躍していくうえで求められるのはキャラクター性。藤田ニコルやペコ&りゅうちぇる、ジェンダーレス系男子読モたちは、そのキャラクターと若年層にアプローチできる潜在力が重宝され、すっかりテレビ情報番組のひな壇の一角を占めるポジションを確立している。オタク層に支持基盤をもつレイヤーたちも、そういった芸能シーンでのタレントのポジションのひとつになってくる可能性もある。そのカギとなるのは、ビジュアル以上のインパクトを放つ、飛び抜けた存在感のキャラクターが現れるかだ。