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“サイコキラー”から“朝の顔”まで…ココリコ・田中の飄々とした魅力

 お笑いコンビ・ココリコの田中直樹が、10月から朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)の新メインパーソナリティーを務める。田中と言えば、芸人としてのココリコでの活動以外にも、動物好きとして『飛び出せ!科学くん』(TBS系)への出演や、役者としてドラマや映画で好演するなど多様な面を見せてきたが、情報番組のレギュラーは意外にも今回が初。私生活でも女優・小日向しえと結婚、2児の父として、“良き父・良き夫”のポジションも確立している。突出したカリスマ性があるわけではないが、マルチな活躍を見せ、後輩や大物芸人からも好かれるという田中直樹の“誰からも嫌われない理由”について探ってみたい。

常に途絶えることのないバラエティでの番組出演、俳優としても重宝

 今回の『ZIP!』のメインパーソナリティーは、TOKIO・山口達也や関根勤らと同じポジションであり、現時点で田中の出演曜日は不明だが、大抜擢であることは間違いない。ココリコとして『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)や年末恒例『笑ってはいけない』シリーズ(同系)に出演する一方で、ピンとしても『LIFE!〜人生に捧げるコント』(NHK総合)で内村光良とともに濃厚なキャラに憑依され(し)まくり、共演者たちを圧倒している。また、俳優としても『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)や映画『HK 変態仮面』などで知られる福田雄一監督作品の常連で、福田監督が脚本を務める『だCOLOR〜THE脱獄サバイバル』(7月9日公開)でも主役を務めるなど、まさにここ最近の田中の活躍ぶりには目を見張るものがある。

 「ココリコ・田中さんで言えば、やはり『黄金伝説』シリーズ(テレビ朝日系)は外せないですね。深夜枠で1998年に開始したんですが、『ココリコA級伝説』まではココリコさん中心の“○○(ガリ・遠藤章造、うなぎパイ・田中)だけで一週間過ごす男”シリーズなどが人気となって、2000年から『いきなり!黄金伝説。』としてゴールデンタイムに進出しますが、基本的にココリコさんがMCとして番組を仕切っていました。そして、よゐこ・濱口(優)さんの“獲ったどー”でお馴染みの無人島生活シリーズも大人気となったものの、ついに9月22日放送分で終了するようですが、田中さんとしてはずっと活躍の場が途切れることはありませんでした」(バラエティ番組制作会社スタッフ)

視聴者にとって等身大の存在、それゆえ実直な青年から殺人鬼まで演じられる

 先述の『ガキの使い〜』や『LIFE!』へのレギュラー出演でもわかるように、確かに田中はお笑いビッグ3(タモリ、ビートたけし、明石家さんま)に次ぐ世代の大御所・ダウンタウンやウッチャンナンチャンに可愛がられており、重宝されている。そして、ビッグ3の番組にも普通に常連として出演しているわけだが、田中が特に視聴者から人気があるという話も聞かず、かと言って嫌われているという話も聞かない。

 「田中さんは視聴者にとっては、等身大の身近な存在っぽいんですね。絶対に偉ぶらないし、嫌悪感を抱かれる要素が皆無。以前、『ガキの使い』で“浜田雅功さん激怒”というドッキリに引っかかった後のネタバレの際、人目も気にしないでの号泣っぷりが表わしているように、どこまでも素直で実直な性格。常に初心を忘れていない姿が、視聴者にも伝わっているんだと思いますよ」(前出のスタッフ)

 映画でも『チーム・バチスタの栄光』のサイコキラー役から、ドラマ『朝が来る』(フジテレビ系)の特別養子縁組の子ども(川島海荷)の父親役でシリアスな演技を披露。三谷幸喜監督の映画『みんなのいえ』では、『日本アカデミー賞』で新人俳優賞も受賞している。三谷監督も、「テレビに出ている彼のどんな仕事にもまじめに取り組む姿に心を打たれ、一緒に仕事をしたいと思いました」と言うほど、田中は誰もが認める誠実な芸人であり、また役者なのである。

 特別に抜きん出た人気や突出した実力があるようなイメージはないが、大物芸人や監督、共演者などの誰からも好かれ、プライベートでは良きパパであり、人柄も誠実。そうした田中が醸し出す安定感と安心感が、今回の朝の情報番組のメインパーソナリティー抜擢につながっているのだろう。よく見ればイケメンでもあり、飄々(ひょうひょう)としてとりとめのない田中直樹の存在は、破天荒が常とされるお笑い芸人の中でも稀有な存在と言えるのかもしれない。

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