• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

デビュー15周年の森山直太朗、“二世”かつ“本業”以外でも活躍するのに嫌われないワケ

この10月でデビュー15周年を迎える実力派シンガー・ソングライターの森山直太朗。母は歌手で女優の森山良子、父も元歌手のジェームス滝というサラブレットの“二世”で、自身も「さくら(独唱)」が大ヒット。バラエティ番組では、そのこなれたトークぶりに、「歌も上手いけど、しゃべるとそこら辺の芸人さんよりも面白いんだよね」「歌はもちろんボケもツッコミも両方できるハイスペック」など、ネットで大絶賛されているのだ。本来、本業以外の活動をすると“二世”がゆえに、バッシングの対象になりやすいが、森山直太朗はなぜ嫌われないのだろうか?

一流アーティストでありながら、“専業”にするには勿体ないほどのタレント力

 ここ最近、バラエティ番組で思わぬトーク力を発揮している森山だが、見逃せないのは周囲も森山を芸人扱いしているフシがあることだ。永島優美アナが司会を務めていた『ユミパン』(フジテレビ系)に登場した際には、「“さくら”といえばこの方、森山直太朗さんです」と永島アナに紹介されたのはいいが、BGMは何とケツメイシの「さくら」。普通ならブチ切れてもおかしくない、芸人扱い風な“ボケ”をかまされたわけだが、森山はそんな行き過ぎのノリまで許してしまうという、アーティストらしからぬ“度量の広さ”を見せつけたのである。

 「森山さんの芸人的な需要が増したきっかけは、お姉さんがお笑いコンビ・おぎやはぎの小木(博明)さんと結婚したことでしょうね。はからずも森山さんは小木さんの義弟となったわけですが、普通ならプロフィールでさらりと紹介されて、視聴者も“へぇ〜そうなんだ”くらいで終わるところを、森山さんは小木さんと一緒にバラエティ番組に登場しています(笑)。しかも当時は『さくら(独唱)』の大ヒットのあとで、“森山直太朗=一流アーティスト”というイメージがあるのに、です。そんな気取りのないところが、森山さんが好感をもたれている理由でもあるでしょう」(エンタメ誌編集者)

二世タレントは“専業”に固執しないと大成しない! を覆す存在

 親が有名歌手である“二世アーティスト”では、宇多田ヒカル(母・藤圭子)やONE OK ROCKのTAKA(森内貴寛、父・森進一、母・森昌子)、歌手ではないが浜田雅功と小川菜摘の長男、OKAMOTO’Sのハマ・オカモトなどがいるが、タレントとしてメディアには登場せず、アーティストに専念して海外活動なども行なっている場合が多い。そもそも二世タレントは“親の七光り”などと嫌われたり、多岐に渡る活動をすると批判の対象にもされやすいが、森山は“芸人はだし”のトーク力と持ち前のキャラクターの面白さで、嫌われるどころか好感度が高まる一方なのである。それでいて「お前ヒマだろ」と小木に呼ばれておぎやはぎのラジオ番組に出演すると、即興でゲストの歌を作らされる無茶振りをされるが、真剣に歌を作り上げるというアーティストらしい一面も見せるのだ。森山は今後も、アーティストとバラエティ番組にも出演するタレントというニ足のわらじを履き続けていくのだろうか?

 「森山さんの中ではアーティスト活動もバラエティ番組への出演も特に線引きがなくて、同じ“表現活動”のひとつぐらいにしか考えてないのかもしれません。2008年に発売したシングル『生きてることが辛いなら』では、歌詞の一節が自殺を助長してるのではないか? と物議をかもしたり、いわばアーティストとして“尖った”一面も持ってるんです。さらに<さっきまで体の中にいたのに 出てきた途端いきなり嫌われる…>と朗々と独唱する『うんこ』なる曲などは、一瞬ギャグかと思ってしまいますが、美しいストリングスや歌詞の深みを思えば、アーティスト・森山直太朗のラジカリズムや狂気さえも感じさせられます。人間としてもはかりしれない人だと思いますよ」(前出の編集者)

 昨年は氣志團のボーカル・綾小路翔との“異色”ユニット「綾小路翔と森山直太朗」を結成し、「ライバルズ」でデビューした森山。しかし綾小路とはデビュー前から親友であり、綾小路がマスター役を務める『深夜喫茶スジガネーゼ』(フジテレビ系)では常連役としてほぼ毎週登場し、綾小路を上回る下品ぶり、ぶっちゃけぶりを見せているのだ。シンガー・ソングライターとして独特の世界観を持ち、音楽シーンでも存在感を際立たせている森山直太朗。その内面の引き出しの多さや活躍する場の幅広さを思えば、“二世”や“芸人”さらには“アーティスト”という括りさえも、森山にとっては陳腐なものなのかもしれない。そうした森山の人間としての大きさが、世代を問わず多くのファンを魅了し、“本業”以外の活動でも惹きつけているのであろう。

あなたにおすすめの記事

 を検索