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子ども向け営業で再ブレイクの小島よしお「今は落ち着いた気持ちで活動できています」
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“小島よしお死亡説”が出たこともありました(笑)
小島よしお 元々は僕の持ちネタの「ごぼうのうた」をCDにしませんかというお話をいただいたのがきっかけだったんですけど、今まで子供向けに単独ライブをやってきた中で「ピーマンのうた」とか「さかなのうた」とか、他にも曲を作っていたので、これはもうミニアルバムにしちゃいましょう、というふうになったんです。ただ、「コジマリオネット」は出だしの部分しか曲がなかったので、このアルバムのために作り直したり、「そんなの関係ねぇ」は春夏秋冬バージョンを今回のために作ったりしました。子ども向けのライブを始めてから5年くらいたつんですけど、その集大成とも言える内容で発売できることになりました。
――単独ライブを子どもが楽しめる内容にした理由は何だったのでしょうか。
小島よしお それまではずっと普通に大人向けの単独ライブをやっていたんですけど、ある時、ライブに来てくれていた4歳の女の子が、始まってすぐに「帰りたいよ〜」って泣き出しちゃったことがあったんですね。これはいけない、と思ったのがきっかけのひとつでした。元々、裸でやるリズムネタだから、子供のファンはわりといたんです。でも、時間が経つにつれて、子供のファンがどんどん離れていったんですね。その最後のひとりまで泣かせてしまうところまで行ってしまったという。だから路線変更しなければって思ったんですよね。子ども向けの単独ライブをやってる人はあまりいなかったので、当初はかなり手探りな感じでしたけど、今になってみるとシフトチェンジして良かったなって思います。
――その裏には、芸能界での自分なりの居場所を見つけたいという思いもありました?
小島よしお あぁ、それもあったと思います。実際、小島よしお死亡説が出たこともありましたし(笑)、このままじゃ生き残れないんじゃないかっていう。だから自分なりの山を見つけないとなって思ってましたね。
――今や小島さんの単独ライブにはベビーカーがずらりと並ぶ、と言われるまでになりまましたね。
小島よしお そうですね。ただ、「ベビーカーが並ぶ」ということを打ち出しすぎたからか、去年の単独ライブには0歳、1歳くらいの子がたくさん来すぎちゃったんです。その年だと、まだネタがわからないから、ほぼ無反応なんですよ。肌色のものが動いてる、くらいの感覚になっちゃっているので、今年からは“R-2指定”、お客さんとしては2歳以上を対象にしようかなとは思ってますけどね(笑)。
当然のことですけど、子どもも本気で笑わせにいかないとダメ
小島よしお その辺の難しさは子供向けの単独ライブをやり始めてわかりましたね。例えば、暗転で泣いちゃうので、暗転を作らないようにしたりとか、あとはこっちが絶対ウケるだろうなと思って作ったネタが意外とハマらないことも多いんですよ。去年は「ドレミの歌」の“おなら”の替え歌に合わせてポールダンスするっていうネタをやったんですけど……。
――子供はおならネタがけっこう好きですもんね。
小島よしお そう! だから「ドはドイツ人の屁、プ〜。レはレディの屁、プ〜」みたいにやったらすごいウケるだろうなと思ったんですけど、ドレミのミくらいからまったくウケなくなりました。これはもう本当に地獄の2分間でしたね。歌は事前に録音していたものを流していましたから(笑)。おならは笑うけど、連発するのはダメなんだな、とか勉強はしてますね。
――子供だと思って笑いのレベルを下げるのもダメでしょうしね。
小島よしお そうですね。当然のことではあるけど、大人を笑わせるのと同様に、本気で笑わせにいかないと絶対ダメだなっていうのは実感しています。たまに知人に頼まれて幼稚園に遊びに行ったりするんですけど、そこでネタを試してみるんです。子ども向けなので、大人に見せても反応がわからなかったりするので……子どもが作家さんみたいなものですよね(笑)。一番の先生は自分が子どもを持つことかもしれないですね。板付きの作家さん(笑)。
――そういった中で、今回のアルバムに収録されている曲はどんな思いで作ったものなんですか?
小島よしお ごぼうとかピーマンが苦手という子どもが多いので、それを楽しい歌にすることで、好き嫌いをなくしてもらいたいなと思ったんです。実際、「「ごぼうのうた」を聴いたことでごぼうが食べられるようになりました」っていう声をいただくこともありますからね。そういう部分では音楽を通して食育をしていると言ってもいいのかもしれません。あと「ムキムキモンキー」は、身体を動かすと頭がよくなったりとか、メンタルも良くなるという歌詞なんですけど、最近は運動不足の子が多いので、楽しく体を動かせる曲で健やかに育って欲しいなという思いもあります。