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千鳥“クセの強さ”生かしたフレーズ売りでいよいよ全国区へ
ビートたけしも太鼓判 千鳥の漫才で生きる“クセの強さ”
ネタ自体も、大悟の放つクセのあるイントネーションの言葉やフレーズ、シチュエーションを駆使した強烈なボケに、ノブが「クセがすごい!」と突っ込む独自のスタイルである。大悟が童謡の「サッちゃん」の“サ”が言えず、“ヘネ”とか“モゲ”になってしまうネタや、寿司屋のオヤジが「どうぞ」を「どぅぉぞ」みたいに言うあたりは、着眼点込みでクセが強すぎ、ある種シュールとすら言える。
実際、ふたりの漫才の評価は高く、M‐1グランプリでは4回決勝戦へ進出し、THE MANZAIでも3回進出しており、優勝こそしていないものの、THE MANZAI審査員のビートたけしをして「毎回(千鳥が)優勝だと思っている」「実力は申し分ない」とまで言わしめ、同大会に出場していたナイツやハマカーンは、「千鳥とは同じグループに入りたくなかった」と後に当時の心境を語っているほどであり、大阪ではすでに冠番組を多く持つ人気を誇っている。
東京進出失敗? 自身の魅力“強すぎるクセ”に苦悩
M‐1やTHE MANZAIで実力を認められつつも、なかなか結果につながらず、東京進出にも苦労していた千鳥に転機が訪れたのは、“東京進出失敗?”自体を周囲の芸人仲間にいじられるようになってから。『アメトーーク』(テレビ朝日系)では、「帰ろか…千鳥」という回さえ放送されたが、“見た目が怖い”大悟に絡む緊張感がよく出ていて、番組としてもうまく成立していた。そして何より千鳥ブレイクのきっかけとなったのは、『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)での現地レポートだろう。スタジオ収録のバラエティ番組では埋没しかねない千鳥の魅力が、この企画では特にノブの“クセが強い”を連発するレポートが光り、千鳥独特の世界観を上手く引き出すことになったのだ。
バラエティで際立つ“フレーズ売り”の確立
そうしたバラエティ番組でのブレイクが、千鳥本来の漫才の面白さの再評価につながっているようである。日常にあるささいなことを笑いに変えていく表現力の高さや、「流行語大賞」的なワンフレーズのギャグではなく、汎用性の高い、マネをしたくなるような独特のフレーズ。こういった“ファンの間ではとうに知られていた千鳥の魅力”が、ようやく全国区で認知されてきたということなのである。“クセの強い”ものほど一度ハマると抜けられないというだけに、今後の千鳥の“東京”での活躍の場はますます広がっていくことであろう。