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男の趣味連載【HOBBULOUS LIFE】Vol.1ジオラマ×観葉植物“植ラマ”
―3つのポイントと工程―
Point ―ポイント―
まずは主役になるメインフラワーをひとつ選ぶ。自分が好きな形や気になる形のものを素直に直感で。次に、そのメインフラワーが引き立つようなサポートフラワーを数種類選ぶ。多肉は強くて育てやすいものが多い点が魅力。細かい葉のもの、背が高いもの・低いもの、蔓のように長いもの、色がついたもの。ランダムに、こだわりすぎずに選ぶのが楽しむポイント。
根が深い、大きいものから先に植えるのがコツ。今回の場合は、テーマに沿って“島”と“カメの甲羅”を想起させるメインフラワーを真ん中に鎮座。その周りにサポートフラワーを、高低が順々にならないように、背が高いものと低いものをランダムに置いていく。すると奥行き生まれ、360度どこからみても楽しめる仕上がりになる。最終的には、器の淵が隠れるぐらいまで敷き詰めて、自然界のようにダイナミックに見せるのがポイント! 植えている途中で葉がポロッと取れたら、そのまま土の上に置いておく。そこから根が出てきて別の株が育つ。そのぐらいワイルドに。
完成した作品はやはり長持ちさせたいもの。世話に迷ったときは、原産国や原産地に似た環境に近づけるといい。でも、これも難しく考えすぎない。図鑑をみて勉強するのもいいけど、最低限を押さえつつ、水気や日光を調整し、様子を見ながら自分なりに育てるのが楽しむコツ。
Process ―作り方―
左上から、目打ち、カッター、ヘラ、ニッパー、ハサミ、筆、スプーン、多肉植物各種、ヨーグルトの蓋、針金、アクリル絵の具、樹脂製粘土、タコ糸、土
写真右/針金でカメ型の芯を作る(作業用に持ち手部分を作っておく) 写真左/その上に樹脂粘土をつけていく。カメラの三脚など吊るせるものがあると、粘土が乾くまでの間に変形せず、着色作業もしやすくて便利
多肉植物は根腐れしやすいため、水はけのよさが大切。鉢皿にキリで穴を開けておく。これで、水をたっぷりあげても流れ出るから安心。今回はヨーグルトの蓋を再利用。身近にあるプラスチックが意外と使える。
写真右/穴を開けた鉢皿をカメ型の鉢カバーに装着。水遣りのときは鉢皿ごとカポッと外せる。土は、水はけのいい、軽くてパラパラしたものを選ぶ 写真左/根の深い、大きい植物(メインフラワー)から植えていく。
写真右/メインフラワーの周りにサポートフラワーを植えていく。細かいことは気にせず、隙間をどんどん埋めていくイメージで 写真左/最後に好きなフィギュアを好きな場所に置く
部屋の好きな場所に飾れば完成。小さめだから場所を選ばない。他の趣味アイテムと一緒に置くのもいい。
Person's Background ―人物―
福井氏が観葉植物と出会ったのは高校生時代。 “どんな部屋だったらモテるか”という、男なら思春期に一度は思う願望が発端だった。「雑誌の部屋特集を読んで、グリーンをインテリアに使っている部屋が魅力的だった。ナチュラルモダンな部屋が好きなので、ベージュが基調のところに置いたグリーンがとても映える」。そこから始まった福井氏と観葉植物の歴史は、「増やすにはどうしたらいいか、健康的に美しく育てるにはどうしたらいいか、を調べるうちにどんどんハマっていった」そう。
この言葉が今の仕事についた理由。「医者や料理人も考えた」と言う福井氏だが、ある日花屋を覗いたとき、男の店員が働いているのを目撃。「男性でもできるんだと。そして、花に込めるお客様の想いを汲み取り、形にしていくことで、お客様を笑顔にして“ありがとう”の言葉をいただく。素敵な仕事だと思った」。もともと植物が好きだったこともあり、日比谷花壇のデザイナーに。
日比谷花壇 シニアデザイナー
福井崇史(ふくい・たかし)
これまでホテル装花、ゲストハウスのウエディングフラワーを手がけるなど多彩な経験を持ち、現在は、商品企画部門に在籍。ギフト商品の企画・デザインを手がける、日比谷花壇のシニアデザイナー。音楽と花のコラボレーション・パフォーマンスといった分野でも活躍し、花文化の啓蒙に努めている。また、暮らしの中で花や植物を楽しむスタイルを日々提案。自身のブログ(タカシのウチ花 : http://blog2.hibiyakadan.com/(外部サイト))で発信している。