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今風じゃないシャイな無骨さでモテる、サンド富澤たけし

様々な面で男女の違いが曖昧になる昨今、ジェンダーレス男子と名乗る男性モデルなども出現している。しかし、40代を中心に、昔ながらの無骨な存在が少なくなっていることを憂いでいる女性も少なくない。そんななか、不器用な男らしさとシャイなやさしさを兼ね備えた存在として、サンドウィッチマンの富澤たけしが無骨派女性から密かに支持を集めている。

女性誌で取り上げられる“大人の男”

 男性には意外かもしれないが、女性たちの間では、イケメンではない富澤の男っぷりが女性を惹きつけるのは驚くことではない。例えば女性誌『anan』(マガジンハウス)の2015年7月29日号「大人の男」特集では、「いま目が離せない“大人の男”40人」というページで、表紙の長谷川博己や西島秀俊、安田顕などの俳優や、設楽統、矢作兼、加藤浩次、博多大吉といったお笑い芸人に並んで、富澤も入っている。

 また、40代向け女性誌『STORY』(光文社)の2015年5月号の別冊付録「MEN’S STORY For Couples」でも、富澤はモデルとして登場。「いつの時代も女性の『クマみたいな男の人が好き』的ニーズは衰えないことに気づいて」ということで、「サンドウィッチマン・富澤たけしさん ダイエットに挫けた夫たちには、『プーさんイケメン』の道がある!」という特集にフィーチャーされている。この特集で富澤はいじられているのではない。白いTシャツにショールカラーのカーディガンや、ロールアップしたカーキのパンツ、アウトドアブルゾンなどを身にまとい、4つのシチュエーションのファッションをしっかりとキメている。

 しかし、実はこのファッション、40代女性の憧れの定番である。今の40代たちの大学生時代は、織田裕二、吉田栄作、加勢大周の平成新御三家や、反町隆史や竹野内豊のビーチボーイズコンビなどが人気があった。彼らは、Tシャツにジーンズなどのシンプルで、男らしさの際立つファッションをまとうことが多かった。富澤にそんなかつての新御三家の面影を見出している面もあるのかもしれない。

被災地支援からも垣間見える男気

 実際、富澤はその髪型が吉田栄作に似ているということで、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の番組内でも、「エーサーーク」の異名をとっている。40代にとって、富澤はちょっと気になる同級生的な存在なのである。

 しかし、富澤が人気なのはそれだけではない。東北出身であり、東日本大震災被災地への献身的な活動でも知られている。気仙沼での番組ロケ中に東日本大震災にあう。以降、募金活動や被災地訪問などを今も継続的に行っており、折にふれて熱い支援メッセージを送る姿からは富澤の優しさと男気を感じる。そんな男らしさが人間的な魅力に結びつき、信頼の度合いを深めているのだろう。

 また、『バイキング』(フジテレビ系)の名物コーナー「生中継!日本全国地引き網クッキング」では、漁港に集まった人々をいじりながら強引に番組進行するコワモテな姿がウケていた。しかし、富澤も相方の伊達みきおも、一般の参加者や料理研究家をいじることはあっても、傷つけるような発言はいっさいしない。荒々しく見えて、気遣いもできる。そんなところを、女性たちはちゃんと見ている。

 漫画の名物キャラクター“両さん”を実物にしたような、昔ながらの粋な男・富澤。草食系さわやかイケメンがもてはやされるなか、優男とは対照的な男くさいシャイな無骨男に、大人の女性たちは本能的に惹かれているのかもしれない。

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