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大切なのは「普通でいること」 大原櫻子、10代最後の夏に思うこと

 月9ドラマ『恋仲』(フジテレビ系)へのレギュラー出演など、今夏は女優としても活躍が期待される大原櫻子が、7月22日に3rdシングル「真夏の太陽」を発売する。初登場2位を記録した1stアルバム『HAPPY』を経て、10代最後の夏を全速力で駆け抜けようとしている大原。女優/アーティストを両立する存在としてさらなる注目が集まる彼女が、「普通でいること」にこだわる理由とは?

“夏の櫻子”みたいな感じで聴いてもらえたら

──大好評だった1stアルバム『HAPPY』を経てのシングル「真夏の太陽」。大原さんとしても、アルバムで一区切りあってからの次のステップ、という感覚はありましたか?
大原櫻子 そうですね。アルバムはMUSH&Co時代からも含めての集大成的なものになったのですが、1曲1曲表情が違っていろんな自分が出せたと思います。それを1曲の中で表現するとしたら、ということを今回の曲では考えてました。

──初めて聴いたときはハッとしました。大原さんの声質って、こんなに夏ソングに似合うんだと。
大原 本当ですか? 嬉しいです! 私も「そういえば夏ソングって初めてだな」って思ったんです。個人的にも一番好きな季節なので、この曲は“夏の櫻子”みたいな感じで聴いてもらえたらうれしいですね(笑)。

──ハジける系の夏ソングというよりは、うだる暑さの中に一瞬吹く涼やかな風のような。大原さんの声もさわやかで、夏が楽しみになる曲だと感じました。
大原 レコーディングは春にしたんですけど、私も歌いながらウキウキしちゃって「早く夏が来ないかな〜」って思ってました。今回も亀田誠治さんに作詞・作曲をしていただいたんですが、メロディも歌詞も覚えやすいのにオシャレなんですよね。“真夏の太陽”というとギラギラしてて元気をもらえるみたいなイメージがあるけど、それだけじゃない表現もあるというか。1曲の中にいろんな要素が詰まっているので、自分としても多面的に表現をするのがこの曲の目標でした。夏のライブでは絶対やると思うので…というか、夏のライブでやらないでいつやる!? という感じの曲なので(笑)、タオルを振り回して、みんなで思いっきり盛り上がりたいです!

──本当に夏が好きみたいですね(笑)。
大原 夏って楽しみが一番詰まってる季節じゃないですか? 特に私は夏祭りが大好きで、いつも水飴を食べて幸せな気持ちになってるんです。りんご飴で口が真っ赤になって、歯に飴がくっついちゃった〜ってなっても幸せ(笑)! バーベキューとかみんなでワイワイするのも好きだし、夏って知らない人とも仲良くなれる感じがするんですよね。

月9で福士蒼汰の妹役 “塩対応”女子!?

──この夏は月9ドラマ『恋仲』がありますし、女優としてもさらに注目が集まりそうですね。大原さんが演じる三浦七海はどんな子ですか?
大原 福士蒼汰さんが演じる主人公の妹なんですけど、最近よく聞く“塩対応”の女の子なんです。物事に対してあまり興味ない振る舞いをするんですけど、本当は興味があって……ただ、考えるのが面倒だからそっけなくしてる。特にお兄ちゃんに厳しくて。お兄ちゃんも優柔不断な人なので、「何やってんの?」みたいな態度になっちゃう。でも性格が悪いんじゃなくて、言いたいことを我慢しないのが正義だと思ってる子なんですね。

──ある種の今どきの女の子ですね(笑)。連ドラは昨年夏の『水球ヤンキース』以来ですが、現場に入ってみての実感は?
大原 お芝居をやりたい、やりたいという気持ちが募っていましたし、現場でも本田翼さんをはじめみなさんとても優しいので、楽しくやらせてもらっています。お芝居、物づくりの楽しさは何にも代えがたいというのを知ってしまったけど、役を与えられなければできないものなので、自分ではどうしようもないところもあって。とても充実しています!

──では逆に女優活動が忙しくなって、音楽活動が減ったら同じような感覚になると思いますか?
大原 うーん、どうだろう。歌はお仕事に関係なく日常的に歌っていますからね。

──音楽に比べてお芝居は大原さんにとって非日常なもの、ということでしょうか。
大原 でもお芝居はお芝居で、日常生活がすべて栄養になってこそ表現できるものだと思んですよ。だからこそ普段は何ものにも染まらず、偏らず、“無”というか、普通でいることがとても大切だと感じています。

──でも、この仕事をしてると普通でいるのはなかなか難しいことなのでは?
大原 そんなことないですよ。普段は、朝起きて、ご飯食べて、大学に行くという、同世代とまったく変わらない生活を送ってますから。専攻以外のまったく興味ない分野のテストも受けなきゃいけないのはキツいんですけど、でもそれも「普通でいること」という意味で必要だと思うようにしてます(笑)。

ツアーに向けた体力づくりの日々

──ところで先ほど「音楽は日常にあるもの」だとおっしゃっていましたが、渇望するほど音楽を求めることもありますか?
大原 ライブをしていない時期は、「ああ、ライブがやりたい!」ってなりますね。今の時代、音楽はケータイで気軽に聞けるじゃないですか。だけどライブは何回やっても一つひとつが2度とない特別なものなので。

──この春に初のワンマンツアーを経験して、ますますライブも好きになったのでは?
大原 本当に、行く先々で感謝の気持ちでいっぱいでした。みなさんお忙しい中、ライブ会場まで足を運んでくれるというだけで本当にありがたいことで。来てくれる人がいるからこそ私もステージも立てるわけですから、その感謝の気持ちを返さなきゃという思いで一瞬一瞬を100%でやり切れました。

──そのライブがこのたびDVDになるわけですが、振り返ってみていかがですか?
大原 もう、楽しさしかなかったです! 初日が終わった瞬間、スタッフさんに駆け寄って「私、これがやりたかったんだ!」って言ったくらい。ただもちろん反省点もあって、先ほど100%でやり切れたと言いましたけど、100%気合いを入れるところと抜くところのバランスも必要だなと思いました。それは見せ方としてもそうだし、ツアーを完走するためにも。やっぱり人間、ずっと100%でいたら限界が来ると思うんですよね。先輩のアーティストさんのライブを見ても、100%で突っ走ることしかできないのは、自分の未熟さなのかなとも思ったり。

──たしかに連日ステージに立つのは大変なことですよね。
大原 実際、体力は必要です。そのために春のツアー前も1日おきでジム通いをしていました。でもツアーを完走してみて、まだまだ体力が必要だなと感じてます。秋はもっと日程の長いツアーがありますし。

──じゃあ、秋のツアーはさらに成長した大原さんが目撃できると。
大原 春にはピアノやエレキの弾き語りなどいろいろな趣向を盛り込めたので、さらにステージも充実させたいと思ってます。その前に夏を、ライブもプライベートも思いっきり楽しみたいですね。

(文/児玉澄子 写真/草刈雅之)

真夏の太陽(Music Video Short ver.)

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