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小橋賢児、俳優から『ULTRA JAPAN』の立役者まで紆余曲折を経てのいま
『ULTRA』はSNSを利用すれば、絶対に成功すると思っていた
小橋 今は流れのなかで、いろいろやりたいことがどんどん増えていって、同時にいろんなプロジェクトが進んでいるところです。ITビジネスにしろ、その時代のいろんな人たちの力や職業が組み合わさって新しい職業ができると思いますが、これからもっとこんな職業があったの? というものが生まれてくると思うんですよ。実際、僕自身、何をやってる人ってひと言で言えないじゃないですか(笑)。ほぼ今はiPhoneとパソコンだけで世界中にいながら仕事をしている感じです。だから、何の職業になりたいというよりは、僕にしかできない職業ができたらいいなって思います。その職業が道となって、ほかの人たちに新しい方向性を提示できたらいいなって思いますね。
――そのなかには、俳優や映画監督というお仕事も含まれていると。
小橋 そうですね。でも、映画監督をやらなければならないというのではなく、次にこれを伝えたいなと思うツールが映像であったとしたら、おのずと映画を作るんだと思います。僕にとって『ULTRA』を日本で開催するというストーリーも映画制作の一環といいますか。チームが一丸となって、このイベントをどう日本で浸透させていこうかと、みんなで試行錯誤しながら1つひとつ築き上げていったのは、まさに映画と同じなんです。
――なるほど。先日『ULTRA KOREA』が開催されましたが、終えていかがでしたか?
小橋 いろいろな影響があった中でも、11万人もの人たちが集まり、今までで一番盛り上がったんじゃないかと思いますね。
――また『ULTRA』といえば、ファッションも気になるところですが。今年の流行フェスファッションは?
小橋 マイアミでは、昨年とは対照的にモノトーンが目立ちました。フリンジなどのネイティブ調やボヘミアン調だったり、スポーツ系アイテムを取り入れた、動きやすく、シンプルなファッションが多かったです。フェスだけでなく、そのまま街にも遊びに行ける。いい意味で、フェスファッションが一般化してきてるのかなと思います。その証拠に、SNSの利用者の多くがフェスに行っているという話も聞きます。数年前までは、EDMなどのクラブ音楽に対して、アンダーグラウンドなイメージを持っていた人も、SNSを介してイベントをリアルに体感できるようになり、コアでネガティブなイメージが払拭されたと思います。
――世界中にリアルタイムで一気に発信できるのは、この時代ならではの強みですよね。
小橋 特に今は、サイト上で個人チャンネルを持ち、そこで簡単にプレゼンすることができます。映像と一緒に、「このフェス行ってきたよ」「このフェス行きたい」とひと言添えれば、「いいね!行こう!」と賛同する人たちが世界中からやってくる。実は、ボストンにいるときに、Facebookがアメリカの大学生の間で流行り出して、日本ではほとんど浸透していないなか、僕も使い出しました。そのときからSNSを利用して何かができると思い、『ULTRA MUSIC FESTIVAL』もこの方法でいけば絶対に成功すると思っていたんです。
自分の直観や感覚を信じて、いろんなことに挑戦していきたい
小橋 子供の時はあったと思うんです。でも、途中で自分の感覚を自分の心がイエスと思っても、ノーと言わなければいけない状態になってしまったことで、何を信じていいのかわからず、直観力が崩れてしまったんです。だけど、休業して、倒れて、何もなくなって、そこから立ち上がってきたときに、頼るものって自分の直観しかない。そういえば、30歳最後の日に、山頂で31歳の誕生日を迎えようと思ってひとりで富士山に登ったんですよ。
――奇跡の復活を遂げた1年後ですね。
小橋 でも、9合目で、いきなりどしゃぶりの雨が降ってきて、続けざまにカミナリ、ヒョウと、天候が荒れて。下山するか、山小屋で一晩明かすかっていう状況になったんです。周りの人たちは、無理と下山したり山小屋で泊まっていくって感じだったのですが、そこであきらめてしまったら、日付が変わる瞬間に間に合わない。しばらく目を閉じて、視界が晴れ渡るイメージをしたんですよ。それで40分ぐらい経った時に、明るくなった感じがしたので、今だと思って目を開けたら、雨雲がスーッと引いていて。一気に山頂まで登り切りました。でも、その悪条件で登って来たのは僕ひとりで(笑)。そこで目にしたのは、夕焼けに虹がかかって、さらに遠くの方に雷が見える、まさに奇跡的な景色で感動しましたね。
――そして、無事誕生日の瞬間を頂上で迎えることができたと。
小橋 それが、山小屋で一旦休憩していたら、疲れて夜まで寝ちゃって、起きたら23時58分で。
――ギリギリじゃないですか!
小橋 急いで外に飛び出たら、びっくりするくらいの満天の星空で。そのまま朝まで眠れず、雲海から昇る朝日を眺めていました。でも、改めて自分の思考次第ですべては変わるんだなってことを、自然を通して感じることができました。それは仕事に関しても言えることで、未来というものは自分自身で作っていくものだということを、様々な体験を通して知ることができたし、この先も自分の直観や感覚を信じて、いろんなことに挑戦していきたいと思います。
――『ULTRA JAPAN』も、1年目から大成功を遂げていますが、来年以降の展開はすでに考えられていますか?
小橋 フェスはもちろん、それ以外でもいろいろ計画しています。今後は、フェスだけが盛り上がるのではなく、東京という街全体が盛り上がっていけたらいいなと思います。
(文:星野彩乃/撮り下ろし写真:草刈雅之)
『ULTRA JAPAN 2015』開催概要
【チケット】1日券 ¥13,000/3日通し券 ¥39,000/1日券(VIP) ¥30,000
『ULTRA JAPAN 2015』公式サイト(外部サイト)